淫獣の執着愛 ~初恋夫婦と甘い罰~

書籍情報

ずっと、ずっと昔から愛していた

淫獣の執着愛 ~初恋夫婦と甘い罰~

著者:臣桜
イラスト:えまる・じょん
発売日:9月25日
定価:630円+税

大和撫子を体現したかのような淑女である美桜と、そんな彼女を大切にするクールな美丈夫の涼真は、周囲から『理想の夫婦』と言われている。
家同士の決め事で結婚した二人だが、美桜にとって涼真は初恋の人であり、彼もまた美桜を想っていた。
しかし、美桜を想うあまり、涼真は彼女が他の男と関わることに嫉妬を抑えることができず、妻に無体を働いてしまっていた。
だが美桜は、そんな夫を“ある出来事”の罪悪感により、ただ受け入れることしかできなかった。なぜなら、美桜は元婚約者であり涼真の兄・進の手を取り、涼真を一度裏切ってしまったのだから……。
「美桜……っ、……俺以外の男を見るなっ」
美しい夫の燃えるような嫉妬に、美桜は翻弄されつつも感じてしまい、快楽に溺れてしまう――。

【人物紹介】

実小路美桜(さねこうじみお)
由緒正しき家柄のお嬢様。
純真無垢で大和撫子を体現したような性格で、自身は気づいていないが、おっとり美人で色気がある。
幼馴染である五十島兄弟のことが大好きだが、特に弟である涼真には淡い恋心を抱いている。


五十島涼真(いそじまりょうま)
五十島重工の社長息子。
美桜のことを幼い頃からずっと想っており、美桜のことになると、嫉妬深くなってしまう。
完璧な兄の進に隠れ気味ではあるが、細やかな気遣いができる優しい性格。

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【試し読み】

 自宅のマンションまで戻ると、涼真はそのまま美桜を和室に連れて行った。

「え? ……えっ? 涼真さん?」

 和室の床の間には、美桜が生けた花がある。

「座って待っていろ」

 静かに、けれど威圧感のある声で言われ、美桜は畳の上に正座をした。
 涼真は一度和室から出て行って、すぐに手に様々な種類の花を抱えて戻って来た。
 近いうちに華道教室でも展示会があるので、美桜は練習をしようと花を買ってきては生ける練習をしていた。
 家政婦に頼んで花屋から花を取り寄せ、テーマに沿ってどんな花でも生けられるように……という練習だ。
 だから家には常に様々な花があった。
 涼真はその花を持ってきて、美桜に向き直る。
 手を伸ばして和室の隅にあった座布団を二枚取り、縦に並べた。

「この上に横になりなさい」
「あ……」

 横になれと言われただけで、美桜は何となくこの先の展開を察してしまった。
 じんわりと白い頬を染め、けれど夫の言う事には従わなければいけないと思い、座布団の上に尻を乗せる。

「仰向けに」
「……帯が、潰れてしまいます」

 お太鼓結びなので、成人式で着る着物の帯ほど、立体的な結び方ではない。だが仰向けになって美桜の体重が掛かれば、帯にも変な跡がついてしまうだろう。

「駄目になってしまったなら、新しいのを買ってあげるから。早く」

 四の五の言わせない圧があり、美桜は抗うのを諦めて座布団の上に仰向けになった。
 涼真は無言で美桜の上に四つ這いになり、手で顎をクイ、と持ち上げる。

「…………」

 涼真の静かな表情の奥に、燃えたぎるような怒りと嫉妬を感じた。
 黙って彼の瞳を見つめ返した美桜の喉が、コクンと鳴る。

「君は、俺のものだ」

 何度も繰り返された、呪文にも似た独占欲の言葉が脳髄を冒す。

「……はい」

 とろりと目を細めた美桜は、微かに頷いた。
 その返事を聞いてから涼真が顔を傾け、美桜にキスをする。
 唇の柔らかさを確認するかのように優しく押しつけたあと、何度も啄んでは舐め、また啄む。
 怒っていても、涼真のキスは愛情に溢れている。
 彼がいつもつけている香水の香りを深く吸い込み、美桜の頭がジン……と甘く蕩けた。
 つくづく、嗅覚というものは性欲に直結していると思う。
 涼真の姿を見ただけでも愛しい気持ちになり、彼に抱かれたいと思う。加えてこの蠱惑的な雄の香りを嗅ぐと、まるで行為の最中のように本能が涼真を欲してならない。

「ぁ……、はぁ……」

 自然に美桜は涼真の舌を求めて小さく口を開いた。すると涼真はそれに応えるかのように、美桜の口腔に舌を差し入れ、唇の内側をくまなく舐めてくる。

「ん……、ン、ふ」

 くちゅ、ぷちゅと小さな水音がし、頭の奥がジィンと気持ちよさに痺れる気がした。
 れる、と涼真の舌が美桜の小さな舌に絡みつき、ツルリとした側面で擦っては、ベルベットのような真ん中の部分であます事なく舐めた。

「ぁふ、あ……、ぁ」

 涼真と舌を絡めて舐め合っているだけで、どんどんいやらしい気持ちになってくる。
 美桜は着物の中で膝を擦り合わせ、もじもじと腰を揺らす。
 すると涼真の手が着物の襟元に掛かり、合わせを掴んだかと思うとグッと左右に押し広げた。

「!」

 普段着物を着ていてこんな乱暴な扱いを受けた事がないので、美桜は一瞬ギクリと身を強張らせる。
 涼真は鋭敏に彼女の反応を察し、唇を離すと美桜の頭を撫でてきた。

「怖がる事はない。お仕置きだが、美桜が痛がる事や怖がる事はしない。いいな?」
「はい……」

 信頼する夫が言うならそうなのだろう。
 美桜は体の力を抜き、目だけで涼真に「信じています」と訴える。
 涼真は彼女の視線に頷き、さらに手を動かす。美桜の着物は左右に大きく広げられ、とうとう胸元から着物用の白いブラジャーが出てしまった。

「あっ……」

 美桜にとって馴染みのある着物で、こんな恥ずかしい格好になるとは思ってもいない。
 ドキドキと胸を高鳴らせていると、涼真は美桜の脚も抱え込み、きちんと着付けられている裾を大きく広げ、彼女の下半身を曝け出してしまった。

「やぁ……っ」

 すんなりとした脚の間から白いレースの下着が抜き取られ、下半身は足袋だけという姿になる。
 真っ白な腹部に滑らかな太腿。そして晒された秘部はふわりとした黒い和毛に隠され、その下にキスだけで潤った花びらがある。

「美桜……」

 陶然とした声で妻の名を口にした涼真は、身を屈めて美桜の乳房に吸い付いた。

「ん……っ、う、ん……」

 れろ、れろと繰り返し乳首を舌で転がされ、下腹部が甘く疼く。自然と溜まった唾液を嚥下し、美桜はおずおずと夫の髪を掻き回した。
 涼真は何度も美桜の乳首を舐め、たっぷりと唾液で濡れたところで、ちゅうっと口に含んでしゃぶってくる。
 反対側の乳首も指で紙縒られ、美桜は「あぁ……、あ……」と甘い吐息をついて涼真の髪を何度も撫でた。
 いつも頼りになって格好いい涼真だが、自分の体――特に胸に夢中になっている時は、何となく「可愛い」と思ってしまう。
 胸を集中的に愛撫されていると、下腹部が疼いて蜜を滴らせてしまっているのが分かる。
 涼真の手が美桜の下腹部に向かい、ぷくんとした恥丘を何度も撫でた。陰毛を指の腹でサリサリと撫で、かと思えば指を揃えて梳る。

「やぁ……っ、あ……」
(アンダーヘア……、恥ずかしい……っ)
「美桜はここの毛も艶々と黒いな」
「やぁ……っ、や、……ですっ」

 恥ずかしくて両手で顔を覆うが、涼真は指先で何度もそこを撫でつけ、または毛を立たせて弄んだ。

「白い肌との対比が美しい。蜜でこんなに濡れて……いやらしくて美しいよ」
「…………っ」

 秘唇そのものを「美しい」と褒められて恥ずかしく思った事もあったが、恥毛となるとまた別の羞恥が美桜を襲う。
 本来隠すべきもの、人によってはケアとして処理した方がスマートとされる体毛を褒められても、美桜は素直に嬉しいと思えなかった。
 美桜の心情など知らず、涼真は愛蜜で濡れた恥毛を指で一通り楽しんだあと、濡れた花弁に指の腹を押しつけた。

「ひぅ……っ」

 潤った肉のスリットを上下に撫で、ヌチュヌチュと音を立てて指にすくった蜜を秘部のあちこちに塗り込めていく。
 秘唇がたっぷりと濡れたところで、涼真の中指がつぬぅっと蜜口に侵入してきた。

「んーっ、……ン」
「思う存分声を上げてみろ」

 美桜の胸元にキスマークをつけた涼真が、上目遣いに彼女を見てほの暗く笑う。
 その視線、声にすら美桜は感じた。
 これからどうされてしまうのだろう? と半ば期待の籠もった興奮が愛蜜に変わり、夫の指を汚す。
 涼真は美桜の紅梅色の乳首を何度も舐め、ちゅっちゅっと吸い立てながら、指をヌプヌプと前後させて柔らかな媚肉を擦る。
 高級な座布団が美桜の蜜で濡れてしまった頃に、涼真はやにわに親指でピンッと美桜の肉芽を弾いた。

「あんンっ!」

 ビクッと体を震わせ、美桜が甘ったるい声を上げる。

「いやらしい声。……可愛いな」

 胸元で涼真の声が聞こえたかと思うと、彼は唇の位置を次第に下方にずらし、胸の谷間、腹部、下腹部……と顔の場所を変えてキスをする。
 そして美桜の太腿を大きく開かせると、膨らんだ肉芽にねっとりと舌を絡ませた。

「ぁふ……っ、ン、んぅ……っ」

 敏感な場所を夫に舐められ、美桜は早くも体をビクビクと痙攣させて涼真の頭を押さえる。

「ココも卑猥に膨らんで、可愛いよ、美桜」
「やぁ……っ」

 以前ホテルの鏡で自身のそこを見せつけられてから、多分普通の女性よりも陰核が大きいのだと気づいてしまった。
 恥部を美しい夫にしゃぶられ、美桜はハァハァと呼吸を荒げて快楽に耽溺する。

「んく……っ、ン、ん……っぁ」

 美桜の蜜洞を暴く指が二本に増えた。くち……と入り口を拡げて涼真の太く長い指が潜り込み、ぐちゅっぐちゅっと蜜を攪拌させながら前後する。
 同時に彼は美桜の勃起した陰核を口に含み、たっぷりと唾液をまぶした舌で執拗に舐め回してきた。

「あぁああぁ……っ、あんん……っ、ン、んーっ、ぁ、そこ……っ、ぁ、あ……っ」

 雌のペニスとも言うべく場所に涼真が口淫をし、美桜はこの上なく昂ぶっていた。内側からは指で刺激され、耳にヌチュヌチュという音が届いて酷く淫猥な気持ちになる。
 涼真の口の中で美桜の陰核は精一杯勃起し、先端の亀頭に似た小さな尖りを舌で舐められてビクビクと震えた。

「はぁああ……っ、あぁああっ、も、ダメ……っ、ぁ、あぁああっ!!」

 美桜が限界の声を上げると、涼真は顔を前後に振り立てて美桜の陰核を強く吸い上げた。指を蜜洞の最奥に押しつけ、下りてきた子宮口近くをぐぅっと圧迫して妻を追い立てる。

「んぉ……っ、ン! んぅーっ、ぁ、――――あ、…………あぁ……っ」

 こみ上げた悦楽が限界を超え、美桜はビクンビクンッと激しく体を痙攣させて達き狂う。深窓の令嬢が獣のような声を上げ、本能のままに善がった。
 美桜がピクピクと震えたまま動けなくなってから、涼真は愛蜜にまみれた口を離し、舌でべろりと口の周りを舐め回し妖艶に笑う。
 その目には愛する妻を達かせたという達成感があり、彼の下腹部はスラックスの下でこの上なく張り詰めている。
 今すぐにも犯してやりたい――。
 そんな顔をしていた涼真だが、不意に手を伸ばして花を一輪手に取った。
 そして花鋏を右手に、無造作にパツンと茎だけを切り落とす。

「あ……っ」

 火照って敏感になった美桜の肌の上に、白いマムが置かれた。
 涼真は同じ行動を何回も繰り返し、美桜を花で飾り立てる。真っ白な肌を花で彩るだけでなく、彼女の黒髪にも花を挿した。

「美しい……。俺だけの花だ」

 できあがった『作品』を見て涼真は陶酔して呟き、ポケットから取りだしたスマホで妻を撮影した。
 頬を上気させ、トロンとした目で涼真を見る美桜は、濡れた唇で微かに微笑んだ。
(涼真さんが喜んでくれている……。私は彼の『作品』になれた……)
 やがて涼真は自分のネクタイを外し、それで美桜の両手首を縛めた。
 けれど痛くない程度の縛り方だったので、美桜も恐怖を覚える事はない。あくまでこれは夫婦の営みの一環だと分かっているので、さして混乱する事もなかった。
 強いて言えば着物を着崩される事も、花を使われる事も、普通のセックスとしてはあり得ない。
 だが美桜は自分と涼真という夫婦の間でなら、何があってもそれが『普通』だと思うようにしていた。
 他人のセックスなど知らない。涼真がどんな性癖を持っていて、それが世間的にどうなのかも知らない。おまけに美桜の陰核の大きさだって、多分普通とは違うのだろう。
 ならば〝普通のセックスはどうであるか〟など気にせず、ありのままの涼真を受け入れたいと思った。

「涼真……さん」

 シャツのボタンを数個外し、ベルトを外した涼真はスラックスの前を寛げ、大きく勃起した肉棒を美桜に見せつけた。

「美桜、これを舐められるか?」

 彼は美桜の顔を跨ぎ、頬に屹立を押しつけてくる。

「ぁ……」

 直接触れた事はないが、こんなに熱い物だと思わなかった。
 顔を傾けると、涼真のそれに唇が触れる。彼の最たる部分が愛おしくて、美桜は唇を尖らせて小さくキスをした。
 それが涼真の心に火をつけたのか、彼は美桜の唇に亀頭を押しつけてくる。
「舐められるか?」と問われたが、涼真だっていつも美桜の恥部を舐めている。できない訳はないと思った。言葉で返事をする代わりに、美桜は唇をすぼめてチュッと先端にキスをする。
 それからおずおずと、舌で滑らかな亀頭を舐め回した。舌の平らな部分で撫でるように、夫の弱点を丁寧に愛する。
 どうすれば涼真が喜んでくれるかは分からないが、気持ちを込めてペロペロと何度も舐めた。
 先端にある小さな孔から何かしょっぱい物が漏れ出ていて、美桜はそれを舐めては自身の唾液と絡め、ゴクンと嚥下する。
(涼真さんの味……)
 いつも涼真に舐められて奉仕されているからか、自分から同じ事ができるのが堪らなく嬉しかった。
 技術も何もないが、美桜はただ愛情を込めて涼真の先端を舐めた。口に含むという概念すらなく、ただ子猫がミルクを舐めるようにペロペロと舌を動かす。

「……いい子だな。ありがとう」

 涼真は美桜の頭を撫で、かすれた声で礼を言って腰を引く。
 そして避妊具をつける事なく、美桜の泥濘んだ秘部に彼女の唾液で濡れた先端を押しつけた。

「んぅ……っ」

 ぬるんっと蜜で亀頭が滑り、陰核を強く擦られ美桜が呻く。

「感じるか?」

 それに気づいた涼真は、ヌチヌチと腰を細かく揺らして亀頭で彼女の陰核をいじめた。小ぶりなペニスにも見える美桜の陰核は、巨大な肉棒に蹂躙され捏ねられている。

「っあぁあん……っ、ン、ぁ、やぁ……っ! ぃ、挿入て、くだ、さ……っ」

 腰を振り立てて美桜がねだると、涼真は彼女にキスをし微笑んだ。

「分かったよ。いやらしい俺の奥さん」

 低く艶やかな声に、美桜の顔がボッと燃えるかのように熱くなった。
 そして肉竿を手で支えた涼真は、ぐぷ……と先端を小さな蜜孔に押し込んだ。

「っあん……っ、ぁ、……ああ……」

 涼真の大きな肉竿がズブズブと美桜の中に埋まり、はち切れんばかりに膨張したそれが美桜の小さな肉孔を圧迫する。
 入り口の小さな粘膜を引き延ばされる感覚すら、今は気持ちいい。

「あぅ……あ、硬……い……」

 下腹部に熱棒を押し込められたようだ。それは熱く、硬く漲って美桜を苛む。

「ここ、だろう?」
「っひぁうっ!!」

 突如、涼真が美桜の陰核を指で摘まみ、その裏側を亀頭でぐりっと突き上げた。
 全身を雷のような強い淫激が突き抜けたかと思ったほどなのに、涼真は蜜をまぶした指でちゅこちゅこと美桜の陰核を扱き、腰を細やかに揺さぶる。

「っひぁ、あ、あーっ! あぁあっ、やぁあっ、それだめっ、あぁ、あっ」

 体を暴れさせ快楽を表現したいのに、両手を縛められていて上手くできない。結果、体の奥に熱が燻り、美桜は与えられる刺激に過剰に反応した。

「美桜……っ」

 妻の陰核を指で扱いたまま、涼真はずんずんと奥を突き上げて彼女を征服する。

「っあく……っ、ん、あ、あぁああっ、あーっ、ぉ……っ、かしく、な……っ」

 着物を中途半端に脱がされて花を載せられた美桜は、体を激しく前後に揺さぶられ凄まじい快楽に呑まれる。
 硬い亀頭にぐりぐりと最奥をいじめられるだけで、目の前が明滅して体が勝手に痙攣する。
 喘いでいるのだか泣いているのだか分からない声を上げ、美桜はのたうち回って何度も絶頂した。

「美桜、夫以外の男と外で二人きりで会ってはいけない。いいな?」

 押し殺した涼真の声がする。
 圧倒的な淫悦を体に刻み込まれたそれは、確かに〝お仕置き〟だった。
「悪い子には体に教える」という涼真の仕置きは、被虐的な美桜には実に効く。

「は……っ、ぃ、も、……しませ……っ」

「美桜は可愛くて美しい。男なら誰もが目を奪われる妖艶な美女だ。君はそんなつもりはなくても、君が微笑むだけで男は『自分に気がある』と思ってしまうかもしれない。それに夫を心配させるのは、妻としていけないだろう?」

「んーっ、は、はぃ……っ」

 脳の一部がジンと痺れ、涼真の肉棒と指、耳に入る言葉しか認識できない。
 膣奥からドロッと温かい蜜が溢れ、涼真の屹立と指を濡らしても、美桜は自覚できなかった。
 けれど涼真は違う。玉子の白身にも似たそれを指ですくい、美桜の目の前でネト……と伸ばしてみせる。

「美桜、こんなにトロついた蜜を垂らして、いやらしいな?」
「あ……っ、あーっ、ぁ……」

 顔を真っ赤にした美桜は、目を細め羞恥に悶える。
 しかし美桜はどれだけ涼真に攻められても、相手が愛する夫だからこそ「嫌だ」という感情を持たなかった。
 むしろ彼の手によって淫猥な自分をどんどん開発され、未知の自分に酔いしれている。

「気持ちよさそうな顔をしているな。あの華道家の先生に、君のいやらしい突起を舐めてもらうというのはどうだ?」

 ぷるん、と美桜の陰核を指で弾き、指で扱き上げて涼真が口先の嘘を言う。

「……っ、いやっ! 嫌です!」

 だが美桜はそれを想像しただけで、ゾッと全身を粟立てて拒絶を示した。

「あんなに仲よさそうにしていたのに、美桜の大好きな事をされるのは嫌なのか?」

 夫の意地悪な問いかけに、美桜は涙を零して首を振る。

「涼真さんじゃないと、嫌なんです……っ。お願い……っ、もうよその男性と二人きりになりませんから、そんな意地悪、二度と言わないで……っ」

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