三嶋夫妻はもっと淫らに愛し合いたい ~隠せぬ愛執、誘惑の蜜情~
著者:桜月海羽
イラスト:rera
発売日:2023年 3月31日
定価:620円+税
完成した新居に引っ越してきたばかりで
環境の変化や、様々な困難があるものの相変わらず仲睦まじい三嶋夫妻。
両親たちや友人を新居に招待し、おもてなしをしたり
引っ越しに伴い勤務地が変わった美紅だが新店舗の仕事も新生活も楽しんでいた。
三度目の結婚記念日を迎えた二人は家でささやかなお祝いをしつつ
本格的な妊活ではないが、子どもを持つことを考えていた……。
「今夜からは、つけずにするよ?」
同意を込めた美紅の返答と一緒に漏れた吐息は少しだけ熱くて――。
【人物紹介】
三嶋美紅(みしま みく)
カフェ『フルール』2号店のパートスタッフでもあり兼業主婦。
努力家で天真爛漫。素直で喜怒哀楽がわかりやすい性格。
三嶋彰史(みしま あきふみ)
大手食品メーカー『シブサワ堂』企画部課長。
仕事人間で真面目な性格だが、今は美紅のことが最優先。
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【試し読み】
彰史はこの上下セットの下着を気に入ったようで、美紅は定期的に身につけていたのだが、夫婦の情事が減ったことによって彼に披露する機会はめっきり減っていた。
「彰史さんも気に入ってくれてるよね?」
「ああ。美紅はなにを着ていても可愛いが、こういうデザインのものが一番似合っているからね。もちろん、セクシーなやつも好きだけど」
「もう……」
クスッと笑った彼に、美紅は恥じらいながらもつられてしまう。
どちらからともなく顔を近づけ、触れるだけのキスを交わした。
唇を重ねたまま、彰史の手が膨らみを撫でる。丸く張りのある形をたどるようにゆっくり、時には揉むようにして、じっくりと柔らかさを堪能している。
じれったい触れ方のせいで、快感には程遠い。にもかかわらず、期待が膨らんでいく美紅の身体は正直で、布越しに微かに刺激されていた先端が疼き始めた。
「ここ、少しずつ硬くなってきたね」
楽しげな声に羞恥を感じ、同時に下腹部がじんと疼く。
彼は、プレゼントを開封するようにブラのリボンを解くと、背中に回した手で器用にホックを外し、ルームウェアごと下着を取り払った。
豊満な乳房に、静かに主張し始めた蕾。悩ましいほど色っぽい身体が、彰史の眼前にさらされる。
大きな手が柔らかな胸を揉みしだき、手のひらで突起をくすぐるように刺激された。
「んっ……! ァッ、っ……」
はっきりとした快感が芽生え始める。疼きが明確な欲へと変わり、もっと強い刺激を欲してしまう。
吐息交じりの声が甘くなるまではあっという間で、美紅は彼に組み敷かれたままピクンッと身体を跳ねさせた。
ゆったりと揉んでいた手に力が込められ、彰史の手の動きに合わせて双丘の形が変わる。
目の前の淫靡な光景は、美紅の視覚を侵すようだった。
「あっ……! もっと……」
「もう我慢できない?」
揶揄されたような声音に、下肢がキュンキュンとすぼまる。
早く、もっと、触れてほしい。
そんな気持ちばかりが大きくなって、美紅は小さく頷いた。
「今日はいつにも増して積極的だね」
「だって……」
ふたりにとっては久しぶりのセックスで、今夜からは避妊しなくて、彼とのキスや与えられる愛撫が気持ちよくて……。積み重なったそれらに興奮しないはずがない。
美紅を見つめる彰史だって、余裕そうにしているが、瞳には獰猛な熱が灯っていた。
「うん、わかっているよ。俺だって、早く美紅のナカに入りたい」
あけすけな言い方に、頬がボッと熱くなる。けれど、羞恥よりも期待が大きくなったのだから、どうしようもないのはどちらも同じだ。
「じゃあ、早く……しよ?」
恥ずかしさよりも愛おしさが勝り、一瞬たじろぎながらも誘惑の言葉を紡いでいた。
彰史がハッと息を吐き、艶めかしいほどの色香を孕んだ目を細める。
「……本当に誘惑上手な奥さんだね」
満足げな声を聞きながら彼の首に腕を回せば、小さな実をキュッと摘ままれた。
「あんっ!」
キスをねだって抱き着いたつもりだったのに、予期せぬ刺激に背中が弓なりになる。
彰史は満足そうに唇の端を持ち上げ、そのまま美紅の腕からすり抜けるようにして幼気な薄桃色の蕾に舌を這わせた。
美紅の唇からは甘い声が飛び出し、快楽に心を奪われる。
突起の先端をこすられ、しごくようにも揉まれ、痛くない程度につねられて。度重なる愛撫に、喜悦が膨らんでいった。
「もう硬くなった。美紅の身体は本当に素直で可愛いね」
「やっ……ぁんっ、あっ」
褒められているのだとしても、やっぱりいやらしいと言われている気がして恥ずかしい。
「こうして舐めてあげると、すぐに主張するところがいじらしくていいね」
彼の熱っぽい吐息が触れる。
そんな淡い感覚にすら反応する肢体がわずかに跳ねると、彰史はますます手に力を入れて乳房を揉みしだき、舌で弄んでいた蕾をちゅうっと吸い上げた。
甘い痺れが広がっていく。
可憐な粒を丹念に吸い、根元から先端をくまなくねぶり、舌先で全体をくすぐって。美紅の弱点をしっかりと愛で、確実な愉悦を押し込んでくる。
それに翻弄される美紅は、行き場を失くしていた手で彼の頭を掻き抱いた。
「ひゃあっ……」
直後、敏感な蕾をいたぶるように歯が立てられ、カリッと甘噛みされた。
根元を噛んだまま舐められてしまえば、じんじんとした痺れが美紅を襲う。
甘切ない刺激が気持ちよくて、けれどすぐに物足りなくなってしまう。無意識に膝をすり合わせると、彰史が左手でショートパンツを脱がせた。
ショーツ越しの秘部に、節くれだった指先が触れる。秘裂に合わせて軽く上下に動かされれば、クチュッ……と艶めかしい水音が響いた。
「もう濡れているね。……ここ、このまま弄ろうか」
上下させていた指が上の方で止まり、そこをクルクルと撫で始める。
「アッ、ふっ……ん、ッ」
布越しにいじくられるともどかしくてたまらず、つい腰が揺れてしまった。
「あき、ふみさっ……! 直接、がいい……ッ」
甘い吐息と喘ぎの合間に訴えれば、彰史が満足そうに瞳をたわませる。
「いいよ。でも、俺は今、両手も口も塞がっているから、自分で紐を解いて脚を開いて」
なんて意地悪な命令だろうか。
そう思う思考とは裏腹に、彼の頭を抱いていた手は徐々に下へと向かう。
彰史が満足そうに笑っていることには気づかないふりをして、ショーツの左右で結んである紐に指をかけた。
まずは右側、次いで左側。羞恥と愛欲がせめぎ合ったのは一瞬のことで、紐を解いてしまえば期待はさらに大きくなる。
たじろぎながらも自ら脚を大きく広げれば、シーツの上にはただの布と化したショーツが残り、美紅は彼の下ではしたない格好になって見せた。
彰史が身体を起こし、美紅の秘所に視線を落とす。
「美紅のいやらしいところがしっかり見えるよ。すごくそそられる」
眇めた目が強烈なほどの色香を纏い、愉しげな笑みを向けられる。淫蕩な言葉に脳がクラクラと揺れ、待ち切れなくて喉がゴクッと鳴った。
「いい子にはご褒美をあげないといけないね」
甘美な響きに鼓膜をくすぐられ、美紅の胸の奥が高鳴る。
刹那、長い指が無防備なあわいをたどり、薄い柔毛をかき分けて敏感な芽を捕らえた。
「ひぅっ……!?」
鋭い刺激に声が引き攣り、喉が仰け反る。
そこがどれだけ弱い部分なのかを知っている彼は、小さな突起を撫でるようにクルクルと転がし、最初から容赦なく美紅を追い立てた。
甘やかな法悦を追うように、美紅の腰が揺れる。
彰史は、左手で乳房とその先端を、唇と舌ではもう片方の胸と突起をいじくり、脆弱な粒をすべて可愛がる。
右手の人差し指で秘芯を上下にこすられ、じっくりと左右に撫ぜ、押すようにして指先で弾かれて……。美紅がたまらずに腰を躍らせれば気持ちいいところに絶妙な甘い痺れが与えられ、愉悦は風船のように膨らんでいった。
蜜口からは雫が零れ、まるで誘惑するようにひくついている。
悶える美紅を見つめる彼は、蜜粒をいじる指を人差し指から親指に変えると、我慢できないとでも言うように中指を蜜路に突き立てた。
「あぁっ……!」
途端、内壁が収縮する。
まるで異物の侵入を拒んでいるようでもあったが、彰史は美紅の身体が悦んでいることを知っている。それを証明するがごとく、間髪を容れずに人差し指も差し挿れた。
美紅の声がいっそう甲高くなり、肌が総毛立つような感覚に包まれる。
双丘の小さな果実を指で転がされ、舌でねぶられて。割れ目を飾るツンと尖った蜜芯は、右手の親指で捏ね回されて。秘孔は、二本の指で撹拌するようにこすり上げられている。
彼は、美紅のすべての可憐な粒を余すことなくいたぶり、隘路をくまなくかき混ぜて蹂躙し、寸分違わぬ淫悦を押し込んできた。
ぐちゅっ、チュクッ……と飛び散る音が、美紅の鼓膜も侵していく。
「んぅっ、ッ……はあっ、あんっ……も、だめっ……」
「イっていいよ。ちゃんと見ていてあげるから」
腰をのたうたせる美紅に、甘い誘惑が与えられる。
直後、胸の突起を摘まみ上げられた。さらには、もう片方の実をちゅうぅっ……と吸い上げられ、柔襞を掻きむしりながら秘玉を押し潰された。
「ああぁぁぁっ……!」
喉を大きく仰け反らせた美紅の肢体が、ビクビクと痙攣する。蠢動する内壁から彰史が指を抜くと、透明な愛蜜がシーツに飛び散った。
「上手にイけたね。気持ちよかった?」
美紅が肩で息をしながら、うっとりとしたように微笑む。快感に塗れた表情に、彼が喉を大きく上下させた。
「ん、あっ……」
「ここ、今度は舐めようか」
ぬかるみに浅く挿れた指を上に向かわせ、蜜核をくすぐられる。
熟れた粒が震え、美紅の心は甘い期待で満ちたが、すぐに首を横に振った。
「もう……彰史さんが欲しい……」
彰史を見つめる美紅の言葉に、彼が目を見張る。
「今日の美紅は本当に誘惑が上手くて……俺が持ちそうにないよ」
困り顔で微笑みながらもルームウェアに手をかけた彰史は、長袖のTシャツとズボンを脱いだ。
ボクサーパンツに包まれたそこは、くっきりとした形で欲を主張している。
「……ッ」
美紅が反射的に息を呑むと、彼がうっすらと笑みを浮かべた。
「そんなに物欲しそうにされると、結構クるな」
余裕がないのはお互い様で、劣情に満ちた視線を絡ませたあとでキスを交わす。
その間に彰史がボクサーパンツを脱ぎ捨て、美紅の膝裏に手をかけて脚を大きく開いた。
下肢が重なり、秘孔に熱を纏った芯が押し当てられる。そのまま腰を動かされ、蜜に塗れた秘裂と剛直がこすれた。
「んっ、あっ……ぅんっ」
ぷっくりとした先端が、敏感な萌芽を掠めては蜜口に戻る。そこから愛蜜を纏って上に向かい、再び姫核を押し上げるようにこすられる。
チュッ、ニチュッ……と淫靡なリズムが響き、快楽を求め合って腰を揺する。互いに下肢を押しつけ合うせいで淫悦が増し、美紅はすぐに耐え切れなくなった。
「ねっ……はやく、ッ……!」
彼の首に腕を回して唇を重ねれば、応えるように舌が搦められる。間を置かずして膨らんだ切っ先が蜜孔を押し開き、そのまま一気に貫かれた。
「ふぅぅ、んんっ……!」
唇を結んだままのせいで声を飲み込まれ、代わりに身体が大きく震える。
美紅が縋るように腕に力を込めれば、汗ばんだ肌同士がさきほどよりも密着した。
「一気に、ぜんぶ……なんて……」
「美紅があまりにも誘惑してくるから我慢できなかった」
ごめん、と囁く声には罪悪感なんていない。ただただ愉しげで、それでいて喜悦をこらえているようだった。
「動くよ」
なにも隔てずに打ち込まれた雄杭を、意図せずに締めつけてしまう。彰史がクッと息を噛み殺したのがわかって、蜜壁がきゅうぅっ……とすぼまった。
「んっ、ッ……うごいて……」
甘えた声で訴え、腰を強く押しつける。
その瞬間、彼が腰を引き、再び怒張を突き立てた。
骨ばった手に腰を押さえられ、最初から容赦なく下肢を打ちつけてくる。
きゅうきゅうと戦慄く柔壁をこすり、引っかくようにかき回し、奥を目がけてガツガツと穿たれる。
甘切ない快感は苦しさと紙一重で、眉を寄せてしまうのに……。蜜路に与えられる刺激は愉悦となって、美紅を翻弄しながらも甘やかす。
気持ちいいけれど、苦しい。苦しいのに、気持ちいい。
そんな感覚が全身を駆け巡り、高みへと誘われる。
しっとりと汗ばんだ肌に彰史の汗が落ち、どちらの体液かわからない雫が全身でかき混ぜられていく。
今日はどうしてか興奮が治まらなくて、早くも脳芯がじんじんと痺れ出す。
隔てるものがないことが、これほどまでに悦楽を増すのか。
それとも、互いを誘惑し合ったせいか。
考えようとしたものの、押し寄せてくる法悦を前にすれば答えなんてどうでもよくなって、揺すぶられるがまま下肢をぶつけ合った。
「アッ! あんっ、ふぁっ……ひぅ、ッ」
いつもよりも遥かに早い限界の訪れに、美紅の身体が上に逃げようとする。
けれど、彰史がそれを許すはずがなく、腰を掴んでいた手を肩に置き、いっそう熱杭で責め立てた。
律動が速まった分……それ以上に快感が膨れ上がり、美紅はイヤイヤをするように首を振る。彼は熱っぽい瞳を緩め、最奥をガツンッと抉った。
「ぅぁっ……!? ひっ、やあぁぁっ……!」
「はっ……ッ!」
美紅の視界が、チカチカと明滅する。
酩酊していた脳が状況を把握するよりも早く愉悦の海に沈み、腰をガクガクと震わせながら涙を零した。
達したのだと理解したのは、数秒後のこと。彰史に捕まっていた腕から力が抜け、くたりとシーツに落ちた。
「イくの、早かったね」
美紅の激しい呼吸音の合間に、意地悪な声が鼓膜をくすぐってくる。ゆるりと微笑む彼を、美紅はうつろな目で見上げるだけだった。
「でも、俺はまだなんだ。言っておくけど、今日は待ってあげないよ?」
「……ッ、あぅっ……ッ?」
かけられた言葉への理解が追いつかないままに、下肢が繋がったまま身体を翻される。
直後、美紅の腕を掴んだ彰史が腰を回し、蜜壁を撫でる熱刀の感覚に息を詰めた。
「やあぁっ……ッ」
「嫌じゃなくて、いい、だろう?」
背中に落とされた唇が、肌の上で悪戯に動く。
彼は、かぶりを振る美紅の蜜洞の動きを楽しんでいたが、すぐに「足りないな」とごちた。
「ひぁっ……ッ、アアッ……」
美紅の上半身が本人の意思とは関係なく起こされ、突き刺さったままの雄芯が深く突き立てられる。
「だめっ……ふか、ぃ……っ」
「クッ……! 美紅、今日は反応がよ過ぎるね……」
困るな、なんて、たいして困っていなさそうな声が耳朶を撫でる。
彰史の上に座る美紅は、後ろから回ってきた彼の腕にがっちりと腹部を固定されていて逃げられない。
絶頂を味わったばかりの身体には、苦悶のような刺激だった。
それなのに、ゆるりと腰を動かされれば、姫筒が嬉しそうにうごめいた。
屹立をきゅうきゅうと食いしばって離そうとはしない様は、まるでご馳走をおいしそうに頬張るようでもある。
「あっ、んっ……だめぇ……ぁ、ふっ……」
拒絶の声が甘ったるく響き、ちっとも抵抗しているとは思えない。
「だから……美紅の『だめ』は『いい』にしか聞こえないよ」
ゆったりと解すようだった動きが、次第に変わっていく。
淫道をねぶるようにこすり上げ、かと思えば捏ねるがごとく掻きむしって。奥処を愛でるようにグリグリと怒張を押しつけ、隘路全体をくまなく嬲る。
逃げようとしていた身体はいつしか彰史に委ねるようになり、それに気づいた彼が下腹部から肌を撫で上げるようにして豊満な双丘を掴んだ。
「ここも、もっと可愛がってあげようか」
ピンと尖った果実を両方とも摘まみ上げられ、同時に最奥を力強く穿たれて、美紅の喉が大きく仰け反る。
声にならない声が飛び出した時には、思考はグズグズに溶けて脳芯が白んでいた。
苦悶と淫悦がぐちゃぐちゃに混ざっていく。呼吸もままならないほどの激しさなのに、この先にあるものを身体が求めている。
充溢した楔で満たし尽くされた蜜窟は絶えず蠢動し、雄の欲を食い尽くすようにギュウギュウと締めつけてみせる。
程なくして、彰史の昂ぶりが膨張した。
いつもよりも鮮明な感覚に、美紅は息を呑みつつも快楽の沼に堕ちていく。
ガンガンと責め続けられた美紅の身体はもう限界寸前で、脚はガクガクと震えていた。
「もぅ……っ、あぁっ……」
「ハッ……」
背中に彰史の熱い息が当たり、美紅は髪を振り乱しながら首を振る。
激しい電流が流れていくような痺れに見舞われた肢体は、勝手に喜悦の頂点に向かって駆け上がっていく。
「俺も、もう……ッ」
快感を噛み殺すような声が聞こえたかと思うと、捏ね繰り回されていた蕾を押しつぶすようにされ、とどめとばかりに脆弱な最奥をガツンッ……と叩かれた。
「ぅ、ッ……ああぁぁぁっ――!」
美紅の全身が激しく痙攣し、蜜壁がぎゅうぅっ……と締まる。
「クッ、ぁっ……!」
直後に彼が胴震いし、美紅の肩に口元を埋めるようにした。
「ん、ぁ……」
奥処を目がけて飛沫が迸り、美紅はその感覚にうっとりと吐息交じりの声を漏らす。
「彰史、さんの……が……」
息も絶え絶えにそう零せば、彰史が美紅を振り向かせて唇を重ねる。彼は、数回唇を食むと顔を離し、そのまま美紅とともにベッドに横たわった。
呼吸も整わない間に、美紅は自身の腹部にそっと手を当てる。
「赤ちゃん……欲しいな……」
「ああ、そうだね」