
三嶋夫妻はもっと淫らに愛し合いたい 〜揺れる想い、溺れる蜜夜〜
著者:桜月海羽
イラスト:rera
発売日:2021年 1月29日
定価:630円+税
最愛の夫である彰史との幸せな新婚生活を送っている美紅は、毎日が幸せに満ちていた。順風満帆な日々を過ごしていたある日、彰史の短期出張が決まり、少しの間離れ離れになることに……。心身共に寂しい時間を過ごした美紅は、帰ってきた夫との久しぶりの蜜夜を楽しみ、今まで以上に彼を求めるのだった。「まったく……。俺の奥さんは、どうしてこんなに可愛いんだ」。離れ離れの時間を経て、さらに愛の強さを深めた三嶋夫婦。しかし、彼が出張で着ていたシャツに赤い口紅が付いているのを見つけてしまって――!?
【人物紹介】
三嶋美紅(みしま みく)
主婦の傍ら、カフェの店員として働いている新妻。
彰史のことが大好きで結婚してからも愛を深め続けている。
一人暮らしの経験がないため、彰史の出張をとても寂しく思っている。
三嶋彰史(みしま あきふみ)
大手食品メーカーの企画部課長をしている美紅の夫。
素直で純粋な美紅に対して、深い愛情を注いでいる。
紳士的な性格だが、美紅に対して危害を加える人間には容赦しない。
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【試し読み】
今日まで、彰史とは数え切れないくらい抱き合い、その数だけ生まれたままの姿やあられもない痴態をさらしてきた。
美紅の秘密とお互いの本音を打ち明け合ってからは、休日には昼夜問わず彼から求められることも増えた。それによって、朝の光が射し込む寝室のベッドや、ベランダのガラス越しに真上に昇る太陽を見ながらリビングの片隅で抱かれたことも、一度や二度ではない。
にもかかわらず、美紅にとって〝一緒にお風呂に入る〟という行為は、なぜか未だに羞恥に包まれるのだ。
「わからないな」
おかしそうに笑う彰史が、湯船に入ってくる。彼は、美紅がどぎまぎしている間に身体も洗い終えたらしく、逞しい肢体を盗み見るようにしていた美紅を後ろから抱きすくめた。
「今さら、そんなに恥ずかしがることもないだろう?」
美紅の身体ならもう隅々まで見ているのに……と背後から耳元に唇を寄せられて低く囁かれ、鼓動が大きく跳ね上がる。
同時に、彰史との様々な情事の記憶が脳裏を駆け抜けていき、素直な身体が震えてしまいそうだった。
「美紅?」
耳殻に柔らかなものが触れ、ちゅっと音が鳴る。やけに響いた気がしたのは、バスルームのせいか彼との距離が近過ぎるせいか、よくわからなかった。
その間にも、彰史は美紅の左耳の周辺にくちづけ、何度も何度もキスを繰り返してくる。
程なくして剥き出しになっているうなじにも彼の唇が落ち、羽がふわりと触れたようなくすぐったさに首を竦めた。
甘い予感が、美紅の心をそっと包む。
羞恥はまだ捨て切れていないのに、これまでに彰史にじっくりと可愛がられてきた身体は甘美な期待で満ちていく。純真無垢だった美紅の身体は、彼の色に染まり切っている気さえした。
「彰史さん……」
「ん?」
「くすぐったいよ……っ」
「じゃあ、くすぐったくなければいい?」
後ろから顎を掬われ、振り向かせられる。次の瞬間には当たり前のように唇を奪われ、美紅は顔だけで振り返ったまま彰史のキスを受け入れた。
最初は美紅の唇を食むように、柔和なくちづけが与えられる。美紅も瞼を閉じ、素直に彼に応えた。
ちゅっ、ちゅっ……と湿った音が響き、次第に力がこもる。それを合図にするかのように、彰史の舌が美紅の唇を割開いた。
彼の舌先が美紅の舌を捉え、くすぐるように触れてくる。むず痒いような感覚に背筋がゾクゾクすると、ねっとりと歯列を舐め上げられた。
彰史の舌が美紅の口内で暴れ回れば回るほど、美紅の唇の隙間から漏れる甘い吐息が大きくなっていく。それに呼応するように募っていく愛欲は、もう隠せそうになかった。
「なんだか、とろけてしまいそうな顔だね」
満足げに瞳を緩めた彼が、ふっと柔らかな笑みを零す。その双眸の奥には、肉食獣にも似た光が宿り、雄臭い雰囲気を漂わせていた。
「あんっ!」
顎を押し上げていた彰史の左手が離れたかと思うと、唐突に骨張った両手でたわわな胸を掴まれ、その先端の薄桃色の果実を摘まみ上げられた。
ビリッとした刺激が送られ、まだ柔らかかったはずの突起が急激に硬さを持ち始める。
引っ張られた小さな粒をクリクリと捏ねられ、電流のような痺れが下半身に向かって走り抜けていく。美紅の下肢には、自然と力がこもった。
「はっ、ぁん、ッ……あっ、んんっ……」
大きな乳房を揉む手のひらが蕾をかすめ、再びキュッと摘ままれる。甘い痺れと鋭い刺激を順番に注入され、下腹部に疼きを感じて太ももをこすり合わせるようにした。
彰史が右手を下ろし、美紅のウエストラインをなぞる。胸を愛でる左手はそのままに、腰の辺りでは右手が這い回り、美紅はとろけてしまいそうな思考を必死に保とうとしていた。
「こっちも触ってほしい?」
直後、低く淫蕩な声音で落とされたのは、甘美な悪魔の誘惑。
ゆったりとした手つきで内ももを撫でられたかと思うと、骨張った右手の指先が美紅の足の付け根辺りをツツッ……とたどった。美紅は、堕ちていく身体につられて思わず頷いてしまいそうになったが、なんとか理性を働かせて首を左右に振った。
「んっ、だめ……ここじゃ、いや……」
下肢に与えられるくすぐったさと、胸に送り込まれ続けている愛撫。その両方に翻弄されそうな中でも頷けなかったのは、バスルームでの行為がどれだけ恥ずかしいものなのかを知っているから。
明るい空間で、身体の小さなホクロまで安易に見られること。淫靡な音も声も驚くほど反響し、鼓膜をも犯されてしまうこと。それでも、快楽に逆らえずに達してしまうこと。
あられもない姿をさらすのはベッドの中にいても恥ずかしくてたまらないが、美紅にとって羞恥を感じる最たる場所はバスルームだった。
「でも、美紅の身体はもっと気持ちよくなりたいみたいだよ?」
「ふぁっ……」
柔毛をふんわりと弄んだ彼の指先が、秘められた蕾にそっと触れる。ただそれだけのことなのに、美紅の腰が小さく跳ねた。
「ここ、もっと触ってほしくないか? 美紅が気持ちよくなれるように、優しく引っ掻いたり、ちょっと強めにこすったりして、いっぱいいじってあげるよ?」
「……ッ」
意地悪で淫靡な声が、美紅の鼓膜と心をいたずらにくすぐってくる。
「……ああ、上手に想像できたみたいだね?」
楽しげな声音で図星を突かれて、思考が沸騰してしまいそうだった。はしたなさを指摘されて頭がおかしくなりそうなのに、貪欲な身体は想像させられた快感を待ちわびている。
ともすれば、今すぐに自ら口にしてしまいそうなほど、美紅は切羽詰まり始めていた。
バスルームでの行為は、恥ずかしくてたまらないとわかっているのに……。節くれだった指先が幼気な蜜芯をかすめるたびに、それすらもどうでもよくなっていく。
いっそのこと強引にしてくれたら……なんて考えてみても、そうならないことはわかっている。
彰史はきっと、美紅が素直に求めるまでこれ以上の刺激を与えてはくれない。
程なくして、美紅は熱い吐息を零し、いつの間にか自身の胸元に落としていた視線を彼に向けるため、おもむろに振り向いて唇を動かした。
「もっと、触って……? たくさん、気持ちよくしてほしいの……」
こくん、と生唾を飲み込んだ音が響き、生々しさが増す。
羞恥に染まった頬を隠すように俯こうとした瞬間、彰史の指先がまだ柔らかさを残している姫粒をピンと弾き、美紅は喉を仰け反らせてしまった。
「アッ……!」
「ちゃんと言えたご褒美だ。まずは、ここでイかせてあげる」
言い終わるよりも早く、彼は中指の腹で花芯をクリクリと捏ね、包皮を剥いていく。器用な指先からは的確な愉悦が送り込まれ、あっという間に花芽が顔を出した。
美紅の身体はピクピクと跳ね、浴槽の中の湯が大きく揺れる。
彰史の右手は硬いしこりをいじくり、左手は豊満な双丘を弄び続けていた。
大きな手からはみ出るほどの乳房が形を変える様は、いやらしい光景だった。手のひらでその先端を転がされるたび、焦れたような刺激が募っていく。
一方で、嬲られ続けている蜜粒はぷっくりと膨れ、蜜口からはとろりとした体液が零れ始めていた。
「あっ、あんっ……! ふぁっ、んんっ……ァッ!」
不意に、尖り切ったしこりをキュッと摘ままれ、二本の指でこすり合わせるようにしていたぶられた。一番敏感な部分をそんな風にされては、ひとたまりもない。
「ひっ……! ッ、ぁ、ああぁぁぁっ――」
為す術もなく喜悦の階段を駆け上がった美紅は、彼の手によって達してしまった。
熱を帯びた身体も、ぼんやりと靄がかかったような脳も、重く気だるい。全身の力が抜けた美紅を見て、彰史が眉を下げた。
「少し逆上せたか」
「ん……へいき、だよ……」
微かな笑みを浮かべていても、あまり説得力はなかったかもしれない。倒れるほどではないが、湯に浸かったまま果てた身体は脱力し、美紅の表情と同じようにふにゃっとしていた。
彼が後ろから抱きしめてくれていなければ、湯船に沈んでしまっていたかもしれない。
「そうは見えないけど」
「本当に、大丈夫だから……」
「じゃあ、少し身体を冷まそうか」
乱れた呼吸を整えようとする美紅に、彰史が唇を寄せる。額や瞼にくちづけられたかと思うと、彼は美紅の身体を支えるようにしながら立ち上がった。
彰史によって立たされた美紅だが、膝が小さく震えている。彼は、そのことに気づいているようで、浴槽の淵に美紅を腰掛けさせた。
「美紅、ちゃんと座っていて」
美紅が彰史の言葉を噛み砕くよりも早く、再び湯に浸かった彼が美紅の下肢に顔を埋めてきた。
薄い茂みにくちづけられ、淫悦と熱気で赤く染まっていた頬がさらに熱くなる。
その直後、赤い舌が伸びてきたのが見え、柔毛の奥に隠れている突起に触れた。美紅の腰がビクンと跳ね、意図せずに両脚が閉じそうになる。
けれど、彰史の頭がそこにあるせいで、彼の舌を受け入れることしかできなかった。
「ひっ……やぁっ、アッ……」
蜜を垂らすあわいから陰核にかけて、ねっとりと舐め上げられる。淫靡な水音が下肢から響き、バスルーム内に反響した。
硬く尖らせた舌が秘芯を捉え、しこりの付け根をクルリとたどる。そのまま秘芽全体を舐められると、柔襞がきゅうきゅうと収縮した。
指とは違う、鋭く甘い刺激。熱を持った舌は、美紅の弱いところだけを的確に責め、じっくりといじくってくる。
ついでとばかりに、ひくつく蜜口から二本の指が差し込まれた。骨張った指が、轟く肉壁をかき分けるようにこすりながら指が奥を目指そうとする。
「あっ、ぅんっ、んんっ……ああっ」
最初は羞恥を抱いていたはずだったのに、喜悦を与えられ続けていたせいで、美紅の姫洞はすでにグズグズに濡れている。
熱を持った媚肉は節くれだった指に甘えるように絡みつき、さらなる快楽をねだった。
「ははっ……美紅のナカ、もうとろけそうだよ」
興奮混じりの声と吐息が、敏感な尖りに触れる。それに反応した膣内がきゅうきゅうと戦慄き、奥へ奥へと促した。
彰史は、「こっちはもうパンパンに膨れているね」
と独り言のように零すと、小さな姫粒に歯を立てるようにして軽くつついたあと、ちゅうっ……と吸い上げた。
抽挿を繰り返す指が鉤状に曲げられ、下腹部の裏を撫でこすられる。そのまま押すように刺激されると、肉芽への愛撫もあいまって、美紅は瞬く間に高みに押し上げられた。
「……ッ⁉ ぅあっ……ッ、やあぁぁあっ……!」
強過ぎる法悦が押し寄せて、体内をうごめくように駆け抜ける。次の瞬間には、頂点から叩き落されるような感覚を抱いた。
腰が大きく跳ね、つま先が丸まる。息が詰まり、脳が一瞬白んだ気がした。
「上手にイけたね」
恍惚混じりの声で囁かれ、無意識のうちに瞼を閉じていた美紅の胸が甘い音を立てる。
気だるい身体を持て余しながら目を開けると、彰史が立ち上がったところだった。
ごくん、と美紅の喉が鳴る。視界を埋め尽くすのは、欲望のままの姿をした彼の逞しい雄芯だった。
雄の象徴は、凶暴さを感じるほどに猛々しく天を仰いでいる。
(彰史さんも、すごく興奮してくれてるんだ……)
自分だけが乱れていくのはいつも恥ずかしいが、彰史も欲情してくれているのだと思うと、嬉しさが胸を埋め尽くす。
これで気持ちよくしてもらえるんだ……と考えただけで、子宮がキュンと震えた。
「美紅、立てる?」
「うん……」
本当は、まだもう少しだけ休憩していたかった。けれど、それ以上に美紅の身体は彼を求めていた。
彰史に支えられるようにして立ち上がった美紅は、彼に指示されるままに震える脚に力を込めて壁に手をついた。
「後ろから、するの?」
「ああ。顔が見えなくて寂しいなら、あとで前からも挿れてあげる」
振り向いた美紅の疑問に、彰史がすべてを見透かすように答える。淫蕩な光が射した瞳は熱っぽく、もう待てないと言わんばかりに興奮しているのが伝わってくる。
美紅は、ますます彼の欲望を受け入れたくなり、自らわずかにお尻を突き出した。
「いい子だ」
子どもに言うような言葉なのに、その声音が微かにかすれていたせいで鼓動が高鳴る。ときめく胸が甘やかに震え、美紅はうっとりとしたように頬を綻ばせた。
彰史は、美紅の細いウエストを掴むと、自らの腰を揺らした。じっとりと濡れてとろけたあわいが、そそり勃つ陰茎によって撫でつけられる。
美紅もそれに応えるように動き、ふたりはお互いの下肢をこすり合わせていた。
「はぁ……んっ、ねぇ……早く……」
挿れて……と美紅が零せば、彰史が唇を吊り上げた。囁くような声もバスルームという場所が反響させるせいで大きくなり、美紅は自身の淫らさに頭がクラクラした。
「あんっ……ああっ!」
刹那、彼が両手にグッと力を込め、蜜壺に怒張を埋め込むように腰を押し進めた。
悦びをあらわにした花襞が、熱杭をぎゅうぎゅうと締めつける。彰史はその抵抗感を楽しむように柔壁を引っ掻き、ゆるゆると腰を回すようにしては最奥を目指した。
美紅の唇からは嬌声が漏れ、彼から与えられる感覚に恍惚の表情を浮かべていた。
あまり時間をかけることなく隘路を進む楔が、一番奥までたどり着く。そこをグリッと突き上げられて、美紅は喉を仰け反らせた。
「やっ……! あきふみさんの、おっき……」
予想以上の質量に美紅の脳芯がじんと痺れ、甘えたような声が落ちる。
「……ッ、美紅のナカも……いつもより、狭いよ……」
すると、背後から興奮した声音が届き、「俺の形、忘れた?」
なんて意地悪く尋ねられた。
美紅が慌てて首を横に振れば、彰史の唇が満足そうに持ち上げられる。彼がどんな顔をしているのかわからない美紅は、涙で滲む視界に壁を映したまま唇を動かした。
「っ、忘れて、ないよ……」
「じゃあ、離れている間にお互いが恋し過ぎたのかもしれないな」
彰史が優しい口調で零した言葉に、美紅は目を大きく見開いた。
寂しくて恋しくてたまらなかったのは自分だけだと思っていたのに、彼も同じように想ってくれていたのだと知って、心が喜びで震えてしまう。
この体勢では抱き着くことは叶わない代わりに、肢体を捩るようにして振り返った。
「ねっ……キス、して?」
桃色に染まった唇でねだれば、彰史の雄杭がビクンと震えた。
「ぁんっ……! やっ……また、おっきくなっ……」
「……今のは美紅が悪いよ」
言い終わると同時に美紅の唇が塞がれ、一気に舌が搦め取られる。くぐもった声が漏れ出ると、彼の左手が美紅の乳房を掴んで揉みしだいた。
「ふっ……うぅっ……」
美紅の口内を犯す舌が、思うように声を出させてはくれない。たわわな乳房とともに芯を持ったように硬い蕾を捏ねられ、酸素が足りなくなっていく気がした。
ぴたりとくっついていた結合部が離れ、屹立がギリギリまで引き抜かれる。丸みを帯びた先端が蜜口から抜けてしまいそうになったところで、今度は一気に最奥めがけて穿たれた。
不安定な体勢に焦れたように唇が離れ、今度はうなじや背中にキスが落ちてくる。
両手が美紅の双丘の頂を摘まみ、キュッと引っ張る。かと思えば、潰すようにグリグリといじくられ、自由になった美紅の唇からは甲高い声が飛び出した。
彰史の唇は滑らかな肌を吸い上げ、赤い痕をちりばめていく。まるで彼のものであると言いたげなほど何度も痕をつけられて、美紅はチリッとした痛みにも似た感覚に瞼を閉じた。
「ああっ、んんっ、アンッ……やあぁっ」
「はっ……すごく、気持ちいいな? でも……そんなに大きな声を出すと、隣に聞こえるかもしれないよ?」
嬉々とした声で指摘されて、美紅の肩が強張る。咄嗟に唇を噛みしめたけれど、彰史がそれを見透かすように胸を愛でていた右手を離し、美紅の下肢へと伸ばした。
「だっ、だめっ……あぁんっ!」
予想通りの場所にたどり着いた彼の指先が、真っ赤に腫れた蜜芯を捉える。いきなり押し潰すように弄ばれ、ビリビリとした刺激が背中を走り抜けた。
「ふぁっ! あぁっ、んっ、やぁあっ……」
イヤイヤをするように首を振って見せても、彰史の両手は止まらない。それどころか、彼は美紅の最奥を蹂躙する熱杭をますます激しく動かし、肉壁を掻きむしった。
次第に速くなっていく動きに合わせ、美紅も腰を一心不乱に踊らせる。肌がぶつかり合うほどに悦楽が募り、早くも高みが見え始めた。
彰史も余裕がないのか、彼らしくもなく律動に余裕がない。
出張の前日にも抱き合ったはずなのに、増幅していく蜜欲を抑えられない。離れていたせいか、お互いを強く求め合っていることが伝わってきて、嬌声が止まらないことなんてどうでもよくなってしまった。
「もっ……だめ、ッ……イっちゃ……」
「いいよ……! 俺も、もう持たないっ……!」
色香を纏った声が美紅の鼓膜をくすぐった直後、太く硬い切っ先で一番奥の窪みをグリグリといたぶられ、腰をガンガンと打ちつけられて――。
「ひぅっ、あぁっ……やっ、やあぁぁぁぁぁっ――!」
美紅は、泣き叫ぶように甲高い声を上げながら、愉悦に包まれた身体を大きく震わせて果てた。
「……ッ、ハッ……っ、くっ……!」
次いで、彰史も快楽をこらえるように奥歯を食いしばり、荒い吐息を零す。彼は、爆ぜる寸前で雄芯を引き抜き、美紅の背中からお尻にかけて白濁した欲望をぶちまけた。