
呪われ辺境伯に嫁がされた貧乏令嬢ですが、淫獣愛欲から逃げられません!
著者:春瀬湖子
イラスト:浅島ヨシユキ
発売日:2026年 8月28日
定価:720円+税
結婚適齢期を過ぎた貧乏伯爵家の令嬢クラーラ。
彼女は、姉とは正反対の地味な容姿と家の貧しさから婚約者探しに難航していた。
ある夜会で、辺境伯家の嫡男ヴァルが王女から魔獣に呪われたことを理由に婚約破棄されているところを目撃してしまい――?
クラーラは王女の横暴な態度に思わず声を上げてしまうのだが……!
ヴァルもまた爵位継承のため結婚相手を必要としており、クラーラはヴァルと結婚することに。
獣になる呪いを受けたヴァルだったが、その呪いとは夜になると本能が抑えられなくなるというものだった!?
「……本当に、いいのか? これがその、俺たちの初夜になるが」
ヴァルの呪いを前向きに受け止めたクラーラは、夫婦として協力し合うことを決意するのだが……?
【人物紹介】
クラーラ・マルム
貧乏伯爵令嬢。
行き遅れなことを気にしているが、正義感があり真っ直ぐな性格。
ある夜会で、魔獣の呪いを受けたヴァルと結婚することになって――?
ヴァル・アッペル
辺境伯家の一人息子。
常識人であり、堅物で真面目な性格をしている。
夜になると獣になる呪いを受けていると言われているが実は……?
●電子書籍 購入サイト
| Amazon | コミックシーモア | Renta! |
| honto | 楽天ブックス | 紀伊國屋書店 |
| DMM | ブックパス | Book Live |
| ReaderStore | ebook japan | BOOKWALKER |
*取り扱いサイトは、各書店に掲載され次第、更新されます。
【試し読み】
「呪いって」
「……まるで獣のように、本能と欲求を抑えられなくなるのです」
両手で顔を覆い、俯くように背を丸めている。
魔獣戦の最前線で戦う誰よりも強い辺境伯の彼が、まるで子供のように震えるその姿に胸が痛む。彼は今、本能と理性の狭間で苦しんでいるのだろう。人間だって野生動物。彼の言う本能と欲求とは、種としての生存本能──つまりは、生殖本能だ。
(夜は性欲が強まって獣のように昂ぶってしまうってことなんだわ)
嘆き苦しみながら高まる欲求に毎夜耐えなければいけないというのは、想像しただけでもあまりにも辛い──が、そもそも我慢する必要はあるのだろうかと首を傾げる。
「むしろ都合がいいのでは?」
「……は?」
「この世には営みたくてもなかなか体が反応しない男性もいらっしゃると聞きますし。それがないというのは、後継者を求められる当主とその妻である私にとっては、むしろいいことかと思います」
「いい、こと?」
(あっ、さすがにいいことは失言だったかも!)
彼の父君はこの魔獣によって殉職しているのだ。そして彼自身も、自分の気持ちとは裏腹に無理やり欲望をむき出しにされている。あまりにも失礼なことを言ってしまったと一気に血の気が引いた私だったが、そんな私とは対照にぽかんとした彼が震える声を発した。
「そんな風に、考えたことはなかった……」
「申し訳ございません! とても浅はかなことを」
「いや。君の発言内容は確かに理にかなっている。それにそう考えれば、この呪いも確かに悪くないのかもしれない」
「ほ、本当ですか?」
「だがその……その理論だと俺の欲求のために体を差し出すのは、妻である君ということになるのだが──」
「それはもちろん、私としても願ったり叶ったりですわ! だって妻のもっとも大事な役割は、跡継ぎを産むことですもの!」
どうぞ、とばかりに両手を広げると、彼に寝衣を破かれていたせいで露わになった胸がぽよんと揺れる。少し、いやかなり恥ずかしかったが、私は隠さずそのままにした。
(私が服を破かれたことに反応したら、きっとヴァル様は気にされるもの)
不確かな呪いというものに侵されながらも私のために抗い、今だって必死に葛藤してくれているのは彼の本質が誰よりも優しいからだ。そんな彼が一瞬でも呪いに負け私を傷つけたと感じたら、きっととても後悔するだろう。それこそ、もう二度と触れないと誓ってしまうくらいに。
(それは絶対ダメよ。だって今傷ついているのは間違いなくヴァル様だもの)
だからこそ、服くらいなんでもないとでも言うようにそのまま両手を広げたまま彼の反応を待つ。幸いにも彼の喉がごくりと動いたことに気づき、私の頬が安堵で緩んだ。
「……本当に、いいのか? これがその、俺たちの初夜になるが」
「構いません。えっと、ヴァル様が良ければですが」
「理性を失った俺に、乱暴にされるかもしれないんだぞ」
「大丈夫です、これでも嫁ぎ先がなければ畑を耕して生きていこうと思っていたくらいなんですよ。だから体は丈夫な方です」
ちらりと彼の方へ視線を向けると、先ほどは心配になるくらい青かった彼の顔に血色が戻っていることに気づく。そのことに私はホッと胸をなでおろした。
恐る恐る伸ばされる彼の手を取り自身の胸へ触れさせると、ギクリと彼の手が硬直する。
「どうぞ、お好きに触れてください」
「──ッ」
私の言葉を合図に彼の手がむにゅりと乳房を揉み始める。自ら触らせるのはやはり恥ずかしかったが、すぐに私はにこりと口角を上げた。
先ほどのような乱雑な手つきではなく、優しく包むように揉まれるとなんだかくすぐったい。だがそんなことを考えられたのは一瞬で、勢いよくのしかかられた私はあっという間に押し倒された。体に感じる彼の体重と、布越しでも感じるほどの熱にドキリと心臓が大きく跳ねる。
噛みつくように唇が重なると、そのまま強引に舌が口腔内へと入ってきた。貪るように激しく舌が蠢き私の口の中を動き回る。歯列がなぞられ上顎を舐められたと思ったら、私の舌を扱くように彼の舌が絡みつく。くちゅくちゅと音を立てながら強く吸われ、口腔内が蹂躙された。呼吸すらままならないくらい激しい口づけに、呼吸がどんどん荒くなっていく。
「んっ、は、はぁ……っ」
口の端から零れた唾液を拭う余裕すらなくして口づけの合間に酸素を吸う。荒い呼吸に合わせて胸が大きく上下すると、ふるふると揺れる胸を鷲掴むように握られた。
「っ」
痛いくらい強い力で揉まれ、乳房に彼の指が深く食い込む。反射的に『痛い』と口から出そうになったのを必死に堪えた。
(ダメ、もしそんな言葉を口にしたら、ヴァル様はきっと傷つくわ)
彼の手のひらの中でぐにゅりと形を変える乳房をじっと見下ろされる。彼の瞳がギラつき、仄暗く揺れていた。先ほどまでは会話だって成立していたが、夜も更に深まった今、彼の理性がどれほど残っているのかはわからない。それでも翌朝理性を取り戻した彼に記憶があったら──
そう思うと、絶対に拒絶を連想させるような言葉を言うわけにはいかなかった。
手が震えないように気を付けながらそっと彼の髪を撫でる。想像よりもずっと柔らかい髪質はふわふわの子犬のようにも思え、少しだけ緊張が解れた。
「っ、は、……う、はぁっ」
(呼吸が荒いわ。必死で堪えられているみたい)
ギリギリと乳房が握り込まれ、痛みで顔をしかめそうになる。表情を見られないようにとそっと頭を抱きかかえるように腕を動かすと、ピクリとヴァル様の肩が跳ねた。
「大丈夫です、大丈夫……好きに触れていいですから」
なだめるように右手で頭を、左手で背中を撫でながら首筋に感じる彼の呼吸に、私も喉を鳴らしてしまう。言い聞かせるようにそんな言葉を口にした瞬間、ガリッと乳輪を強く噛まれた。
「ぁあっ」
痛い。熱い。
嚙まれた箇所がヒリヒリと熱を持ち、ギュッと強く両目を瞑る。それでも彼が離れてしまわないように体を抱き締めていると、今度は噛まれた部分に熱い舌が這った。
「ひゃ、あうっ」
歯を立てた場所にゆったりと舌が這い、押し付けられる。そのまま強く吸われると、じぃんとした甘い痺れとともに熱が広がった。繰り返し何度も吸われると乳首がぽってりと腫れ上がり彼の唾液でてらてらと輝く。光を反射する先端がなんだかとても卑猥に見えて私の中の羞恥心を煽った。
(でも、気持ちいい……)
誰にも暴かれたことのなかった場所を晒され、脳の奥が熱く震える。ふる、と腰が自然と揺れ、愛撫されているのは乳房なのに、どうしてか下腹部の奥が熱を孕んだ。
噛みつかれ痛みを感じたその場所は、彼の大きく熱い舌が這うたびに甘い疼きを私の中へと刻んでいく。もっと深くに触れてほしくて堪らない。
「……すまない、こんな」
「今夜はずっと、私がお傍にいますから」
苦し気な呟きに胸が締め付けられる。そっと頭を持ち上げ彼の額に口づけると、さっきまで劣情を滾らせていた彼の瞳が僅かに潤んだことに気がついた。
彼は、どれだけの夜をひとりで耐えていたのだろう。
「痛みも全部、私が受け止めます」
だから大丈夫、と伝えるように両手で彼の頬を包むと、ポロリと彼の瞳から涙が滴る。
──会話ができたのは、それが最後だった。
私の言葉を合図にしたように、破れた寝衣を荒々しく脱がされる。あっという間に一糸纏わぬ姿にされた私は、そのままの勢いで足を大きく開かれた。
無理やり捻じ込まれることも覚悟したが、僅かに理性が残っていたのか、はたまたそれすらも本能だったのか。蜜口に最初に触れたのは舌だった。まだあまり解れてはいないソコを彼の舌が這う。舌先でつつくように浅い部分に触れ、全体を舐め上げるように舌が蠢くと、慎ましく閉じた花弁の合間からとろりと蜜が溢れた。
滲んだ愛液が舐められ、襞ごとしゃぶるように吸い付かれる。ぬちぬちと淫靡な音を響かせながら舌が挿れられ、彼の舌の感覚に慣れてきた頃に指が挿れられた。最初は彼のことを気遣う余裕が私にもあったはずなのに、彼からの愛撫が激しくなればなるほど私からも理性が奪われ言葉ではない声ばかりが口から溢れる。
「あっ、あぁ……ひんっ」
ぐちゅぐちゅとナカが掻き混ぜられ、彼の指の腹は膣壁を擦る。自分でも触れたことのない特別な場所に触れられて視界の奥がチカチカと瞬いた。抽挿の速度が増し、彼の指の動きに合わせて愛液が零れる。臀部へと滴る愛液を舐めとられ薄い皮膜が指で捲られると、ぷくりと突起した愛芽が露わになった。その敏感な尖りにヴァルの顔が近づき、噛まれるかと思わず息を吞む。だが、与えられたのは軽く歯を立てるだけの甘噛みだった。
「ひ、あ、アァアッ」
ビクンと大きく腰が跳ね、背中が思い切り仰け反る。足の指までピンと伸ばし体を駆け上がる快感を逃がそうとするが、腰が掴まれ逃がしてはもらえなかった。
達したばかりだというのに指と舌の愛撫を止める気はないらしく、彼の指が更に深くまで沈められる。じゅぷじゅぷと淫猥な音が恥ずかしくて堪らない。指と舌で何度達しても、胎の奥は疼くばかりで熱がどんどん蓄積される。それが苦しくて、指では届かない奥を彼のモノで擦ってほしかった。
挿れて、の一言でいい。ヴァル様が気づいているかはわからないが、さっきから太股には彼の雄がゴリゴリと擦りつけられているし、指と舌で散々解された今なら十分挿入できるだろう。解されず捻じ込まれることも覚悟していたのだから、初めての痛みにも耐える自信がある。それなのに永遠に続く怖いくらいの快感に慄き、だったらいっそこちらから誘えないかと思った、その時だった。
唐突に指が抜かれ、下腹部から顔を上げる。そして私の足の間に体を割り込ませたかと思ったら、ぬち、と蜜口に熱く硬いモノが触れた。
(あ……)
ドキリと痛いくらい心臓が高鳴り、ごくりと唾を呑む。反射的に両目を強く瞑った私だったが、いくら待っても想像していた痛みは来ない。
「?」
不思議に思いそっと僅かに片目を開けると、苦しそうに歪めたまま、どこか悲しそうに自身の唇に歯を立てているヴァルと目があった。夜が深まり呪いの色が濃くなってもなお、私への気遣いがあるのだろう。心配や、それこそ不安もあるのかもしれない。
「私なら大丈夫です」
ふっと自然に口角が緩み、自身の下半身へと手を伸ばす。自ら左右に広げるのは堪らなく恥ずかしかったが、欲しいという気持ちが私にもちゃんとあるのだと知ってほしかった。
「だから、ください」
「──、ッ、クラ……、ラ……っ」
「んっ、あっ」
ぬぷ、とヴァルの切っ先が私の蜜口へと挿った瞬間、そのまま一気に深くまで貫かれる。
「う、ァアッ」
皮膚が裂ける鋭い痛みが走り、遅れて鈍い痛みが下半身に広がった。想像以上の痛みに思わず『痛い』と叫びそうになるが、その言葉だけは言うまいと必死に自身の唇を噛んで堪える。彼のことを、絶対に傷つけたくない。
「うっ、く」
「あぁっ、ひぐっ、ふぅ……っ」
彼からもどこか堪えるような息遣いが聞こえ、苦しそうに細められた視線が絡む。劣情で揺れる彼の瞳に、私の体がゾクリと震えた。無意識にキュウ、と膣が収縮し彼の剛直を締め付けてしまう。
「くっ」
息を呑んだヴァル様が僅かに顔を背けたのを見て、すぐさま動きたいのを私のために耐えてくれているのだと実感した。
(あぁ、これ以上苦しんでほしくないのに)
彼は呪いをその身に受けた時からたったひとりで耐えていたはずだ。その孤独で苦しい時間を上書きするように、私へとすべてぶつけてほしいと思った。
見ず知らずの、突然会話に割り込んだ無礼な令嬢である私を庇ってくれたあの背中が震えている。その少し弱々しい彼に、胸の奥がきゅんと苦しい。
「私は、大丈夫……ですから」
「ッ」
「動いて、いいですよ」
精一杯にこりと笑うと、痛いくらいに強く抱き締められる。全身で彼の熱と重さを感じていると、ゆっくりと彼の腰が動きだした。そして次第に速度を増す。
肌同士がぶつかる音がし、そのたびにナカが彼の剛直で抉られる。痛みも異物感も決して消えはしなかったが、抱き締められる腕の中は心地が良かった。
温かく、しなやかな筋肉に包まれると守られているような錯覚に陥る。心が気持ちよさを感じ取ったのか、痛いはずの行為に少しずつ他の感覚を拾い始めた。
「あっ、あん、はぁ……っ、ヴァル様、ヴァル様……!」
私も彼の背中に腕を回し、ぎゅうっと抱き締める。少し汗ばんだ肌がぴたりと触れあい、熱を分かち合った。もうどちらの体の方が熱いのかはわからない。
ごちゅごちゅと奥が彼の切っ先で何度も突かれ、ナカが何度も擦られる。彼が腰を引くたびに愛液が溢れ、粘液質な水音が部屋中に響いていた。子宮口の入り口に捻じ込むように切っ先が突き刺される。彼の猛りが私のナカを抉るたびに体が快感を拾い、自然と嬌声が溢れた。
「んんっ、あぁん、ひゃああっ」
ぱちゅんと深くまで腰を打ち付けられるとゾクゾクとした怖いくらいの快感が背筋を駆け、ヴァル様の体にしがみつく。弾けそうな熱に翻弄されるように両足を彼の腰に絡みつけると、腰の動きが激しくなった。
「グ、ウゥウ」
唸り声のようなくぐもった声にドキリとし、首筋がべろりと舐められる。
「あんっ、アッ、アッ」
いっそこのまま噛みつかれたいという衝動すら覚え、自分の感情がわからなくなった。その願いを察したのか、ガリッと鎖骨に歯が立てられた瞬間に蓄積した熱が一気に弾ける。視界の奥が白く染まり、パチパチと星が瞬いた。
キュウキュウとナカが収縮し、彼の剛直を扱くようにうねっているのが自分でもわかる。劣情をすべて注いでほしいと言わんばかりに根元から扱き絡まった襞に、ヴァル様も息を詰めた。
そして、びゅくりとナカで彼のモノが跳ね、そのまま胎の奥へと劣情が放たれる。火傷しそうなくらい熱い精液が長い時間注がれ、行為の終わりを察した。
(やっと、終わったの)
ぬぽ、と彼の雄が引き抜かれると、腕の拘束からも解放される。離れた熱に寂しさを感じていると、蜜口から愛液と精液が混じったものがボタボタと零れ落ちた。
「──っ、うん……っ」
溢れる感覚にゾクリと体を震わせ、思わず甲高い声が漏れる。拭くものはないかとベッドの上で四つん這いの姿勢に変えた瞬間、思い切り背中を押さえつけられギョッと目を見開く。
「……クラーラ……」
「え、もしかして理性が──」
「っ、すまない、もう少しだけ」
「ひぐっ」
まさか、と思った時には、そのまま後ろから再び貫かれた後だった。
「アッ、あぁあッ!」

