
断罪予定の悪役令嬢ですが、ヤンデレ悪魔の激重こじらせ愛に堕とされました!
著者:星見うさぎ
イラスト:園見亜季
発売日:2026年 5月29日
定価:720円+税
ある日、イザベラ・ノルステラ公爵令嬢は婚約者である殿下が婚約破棄の話をしているところに遭遇してしまう。
しかも婚約破棄後、イザベラを国外追放させ、どうやら聖女と結ばれるつもりらしい――。
殿下に恋心を抱いていたイザベラだったが、そんな気持ちもついぞ消えた。
自身の破滅が決まったからこそ、殿下と聖女の二人も同じように破滅させると決意したイザベラ。
それから三日後、彼女は自室で悪魔召喚の儀式を行うことに。
失敗したかと思われた召喚だったが、無事にノクスと名乗る悪魔の召喚に成功する。
イザベラは自身の願いと、その対価として自分の命全てを賭けることをノクスに契約するが……?
なぜか、ノクスはイザベラの純潔も望んできた――!?
「お前のことはこの俺が存分に愛してやるよ」
愛されたかったイザベラの心は、ノクスの淫靡な愛撫に堕とされてしまう――……!!
さらに、ノクスの正体にはとある秘密があって――?
【人物紹介】
イザベラ・ノルステラ
公爵令嬢で、殿下の婚約者。
苛烈で気が強い反面、愛情深い性格をしている。
自身が断罪されることを知り、復讐のため悪魔召喚を行うのだが――?
ノクス
イザベラが召喚した悪魔。
ヤンデレで腹黒ながらも、イザベラのことは常に気にかけている。
イザベラは悪魔だと信じて疑っていないが、その正体は実は……?
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【試し読み】
「──なんてことがあったの! ほんっとうにムカつくわ!」
私が怒りを爆発させ、愚痴を吐くのを聞いてくれているのは……ノクスだ。
彼は意地悪そうに口の端を吊り上げて笑った。
「はは、なかなか面白いな」
「なんにも面白くないわよ!」
ノクスは夜になるとどこからともなく私の寝室に現れるようになった。
そうして聞いてくれるのだ。
「今日は何があった?」と。
最近では少し、ルーカス殿下やチェルシーのムカつく行いが楽しみにすらなってきている。
なぜなら。その理由はノクスが私に今日の話を毎日聞いてくれる理由ともつながる。
召喚した次の夜にノクスが再び現れた時、私は少し驚いた。
契約は済んだし、「味見」をされた時に「全てを捧げるのは契約完了の時」と言われていたので、次にノクスが現れるのはその時がきたら、なのだと思っていたから。
驚く私にノクスが初めて今日何があったか聞いてきた時には戸惑いすらした。なぜそんなことを聞かれるのか分からなかったから。
しかしノクスはそんな私に向かってうっそりと笑って言ったのだ。
「契約内容と契約理由に関わることは契約の遂行内容へ影響を与える。具体的に言えば……お前が嫌な思いをすればするほど、お前が破滅させたがっている王子と聖女の迎える地獄具合が増す」
「そうなの!?」
「俺の気分が、可愛い可愛い契約主のお前が傷つけられるほど、もっとやってやりたくなるからな」
「さすが、悪魔……」
なんて最高なのかしら!?
私にこんなにも寄り添ってくれるような契約になるとは思いもしなかった。
ノクスはそうやって私の話を聞いてくれた後……私に触れるのだ。
「お前は本当に可愛いな」
「ふっ、ん……」
ノクスは甘く囁きながら、私の耳朶を唇で柔らかく食む。そのまま耳をゆっくり舐められると、背中がゾクゾクし始める。
最近は毎晩のように触れられて……ノクスの声が甘く低くなっただけで、期待で体が疼くようになってしまった。
私……どんどんはしたない体になってしまっている気がするわ。
ノクスは吐息交じりに笑いながら、私の首筋に顔を埋め、舌を這わせる。その手は夜着の裾をまくりあげ、私の太ももをなぞるように撫でている。
私は知っている。ルーカス殿下とチェルシーはすでにこういう行為に及んでいる。
殿下があれほど愚かになってしまったのは、色を知ってしまったからではないかと疑った時もあったほど、あの二人はあからさまだった。もう空気が違う。態度も違う。お互いに触れる距離感も全く違う。なんならチェルシーはちょっとそういうことを匂わせることを実際にあちこちで口にしていた。
お茶会などではもう少しはっきりそういう話をしているとも小耳にはさんだ。私はチェルシーがいるお茶会には決して呼ばれないので、どんな風に話しているのかは知らないけれど。
一応まだ自分の婚約者である存在と嫌いな女の性事情なんて知りたくもないわね。
私がどれほど嫌悪感を抱いたか。
王族らしからぬ愚行。自覚に欠けすぎている! そうルーカス殿下に憤りも感じたけれど、それ以上に私の嫌悪の矛先は同じ女であるチェルシーに向かった。
令嬢ともあろうものが、あまりにも下品! 貞操観念というものがないのかしら?
盛りのついた獣のようにルーカス殿下を求めて、およそまともな人間とは思えない。
ああ、汚らわしい、汚らわしい、汚らわしい……こんなにも相応しくない者なのに、どうして聖女の力は失われてしまわないのか。
けれど、今となっては複雑だ。
だって──。
「やっ、ノクス、そこはっ、ぁんっ!」
「ああ、ここが気持ちいいのか。素直で可愛いな」
ノクスは楽し気に笑い、私の閉じられた秘部の入り口を指先で何度も往復し、ぐちゅぐちゅとわざと水音を立ててかき混ぜるように動かす。
濡れたそこに、今にもそのまま指が入っていってしまいそうで、そのこと自体にもゾクゾクしてしまう。
──だって、この行為が、こんなにも快感をともなうだなんて、知らなかった……。
最初の一歩を踏み外してしまったことについては相変わらず罵る心を止められないけれど、一度それを知ってしまったあと、何度も繰り返していく気持ちは……ノクスとの触れ合いを知ったことで、少し理解できてしまったのだ。
私もノクスの手に……溺れてしまいそうだから。
けれどやはり、相手を選ぶべきだったとは思う。
なぜ婚約者のいる身で他の女の体に溺れてしまったのか。何度考えても許せはしない。
「イザベラ。また何か他のことを考えているな? あーあ、本当に悪い子だ」
「え? ひゃっ、んんっ!」
ノクスは私の夜着を下からたくしあげ、首元まで捲り上げると、そのまま私の胸を口に含み、ツンと尖った先端を甘噛みする。今にも強く噛まれそうでドキドキしているのか、さらなる刺激を期待してドキドキしているのか、もはや自分でも分からない。
「仕方ない。そんなに余裕なら、俺のこと以外考えられないようにもっと良くしてやろう」
ノクスはにやりと笑うと、私の体をくるりとあっという間にひっくり返した。
お尻を向けるような形になった私の背後から覆いかぶさるように体を密着させたノクスはそのまま右手を前に回し、胸をやわやわと触ってくる。
なんだかこの触り方、すごくえっちだわ……!
「ふ、ん……」
わざとらしく優しい手つきで薄い夜着越しに何度も胸を揉まれていると、徐々に力が抜けてくる。
だけどそのままベッドに伏せてしまいそうになった私の腰を胸に触れるのとは反対の手で支えながら、ノクスは意地悪そうに耳元で囁いた。
「ちゃんと力を入れて腰を上げておけよ。足をついていられなくなったらお仕置きだ」
お、お仕置き……!?
どんなことをされちゃうんだろうって、怖いような、ちょっと期待しちゃうような不思議な気持ちで、反射的にどきりと心臓が高鳴ってしまう。
……私、なんだかノクスのせいで軽く変態になってしまっていないかしら?
「イザベラ、集中して」
「ぁっ!」
柔く触れるだけだった手が胸先を掠める。とっくに過敏になっていたそこから甘い刺激が走り、思わず声が漏れた。
こんな声……恥ずかしい……! 何度触れられても、自分の反応に戸惑ってしまう。
それくらい、ノクスに快感を与えられていて。
どんどん主張の強くなる突起をノクスが指でカリカリと引っ掻くように何度も擦ってくる。がくがくと膝が震えるけれど、腰が支えられたままで動けないままで。覆いかぶさった状態のノクスの少し荒くなった息が耳元にかかり、この美しい悪魔は今私の体に触れて興奮しているんだと思うと、お腹の奥がきゅんと疼いた。
「ひゃんっ、あぁっ」
「ああ、イザベラ。お前の声には中毒性があるな。ずっと聞いていたくなる」
「っあ……」
いつの間にか、お尻に固いものが当たっている。これは……ノクスの?
いつだってノクスは私に触れるばかりで、慣れていない私はそこを気にする余裕もないままだった。
「ノクスの、当たってる……」
「これが気になるか? イザベラが可愛すぎるからこうなってるんだ」
後ろでカチャカチャと音がしたと思うと、硬く温かい昂りが、私の秘所に沿うようにピタリと触れる。
「安心しろ、中はまだお預けだ」
「ひゃあぁっ! んんっ……!?」
密着した体勢でノクスが腰を動かすと、私の割れ目をノクスの剛直がぐちゅぐちゅと音を立てて擦っていく。ああ、中からどんどん溢れてくる……!
動きを止めないまま、胸をいじっていたノクスの手が下へと這っていき、割れ目の上の方にある蜜豆を指で優しく引っ掻いていく。
「やだっ、これ、だめっ、あぁあっ」
「ああ、俺も気持ちいいよ、イザベラ」
そんなこと、言ってないのに……!
どんどん高まっていく快感から逃げたくて身を捩ろうとしても、力は入らないわノクスに覆いかぶさられているわでうまくいかない。
私の様子にノクスが腰の動きをさらに大きくして、そそり立つその先端が蜜口を舐るように割れ目をなぞって蜜豆をぐりっと掠めた瞬間、目の前で光がはじけるような感覚が走った。
「ああっ、んっ、んん……ゃああぁっ!」
甘い刺激が全身にビリビリと上って、頭が真っ白になる。
私……また、こんなにすぐに果ててしまったのね……。
だけど、それで終わりではなかった。
「んんっ!?」
蜜が溢れ、すっかりぬかるんだ私の中に、ノクスの指がぐぐっと浅く入り込む。
「や、今、イったばっかりなのにぃ……!」
「だが中はまだ期待しているみたいだな?」
そう囁かれると同時に、蜜口がくちゅりと水音を立てる。恥ずかしくて顔がカッと熱くなるけれど、ノクスはそんな私を面白がるように笑い、指をぐぷぷ……と奥に向かってゆっくりと進めていく。
「ひっ、んあぁっ」
「イザベラの熱で指が溶けそうだ」
必死に息をする私に、ノクスがキスをする。そのまま少し開いた唇の隙間からぬるりと舌が割り入ってきた。
くちゅくちゅと舌を絡め合いながらも、ノクスの指が私の蜜壺を中から弄び、肉襞を何度も擦っていく。
「俺が触れれば触れるほど、イザベラの色香が増していくのが困りものだな」
「あっ、あぁっ!」
いつの間にか一本だった指が二本に増やされ、ばらばらと動かされて。立ち上る快感はますます強くなるばかりでもう何も考えられなくなっていく。
あまりの気持ち良さに涙が流れてもノクスの手は私の中を淫らにかき回すのをやめず、何度も何度も達させられてしまったのだった。
やっとノクスの気が済む頃には指先さえも動かせなくなっていて。くたりと力の抜けた体をノクスが抱きかかえ、ベッドに横にならせてくれた。
髪を優しくすくように頭を撫でられて、瞬きを繰り返す度に瞼が重くなっていく。
チェルシーが現れて、ルーカス殿下の態度が冷たくなり始めてからの私は、ゆっくり眠れることがほとんどなかった。きっと不安に飲み込まれそうで、心が落ち着かなかったからだと思う。
それなのに、すごく眠い。
「お休み、イザベラ。いい夢を」
頭を優しく撫でられて、目が開けていられなくなる。
ノクスと出会ってから、私は安眠も取り戻していた。触れ合いによって疲れ切るから単純に体力がなくなっているともいえるけれど……。
とにかくぐっすり眠れるおかげで、最近は以前よりも肌にもツヤが出てきてとても調子がいいのだ。
今更健康になっていくなんてすごく皮肉なことよね。
それでも、残されたわずかな時間が辛いだけのものじゃないというのは、とても幸せなことに思えた。

