
冷徹上司の秘めた性癖を暴いたら、超絶溺愛で蕩けさせられました
著者:小日向江麻
イラスト:南国ばなな
発売日:2026年 5月29日
定価:720円+税
人事本部に務めている小野里未久の武器は、凛として美しいと言われる「声」。
しかし、密かに憧れている上司・堤遼輔にだけは何やら嫌われてしまっているようで……。
普段から仕事に厳しい冷徹な堤ではあるが、未久のことをやたら避けている彼の態度に傷ついていた。
そんなある夜、彼が落としたイヤホンを拾い上げると、そこから流れていたのは自分の声だった!?
しかも、堤はなんと重度の声フェチだという!
「嫌ってなんていません。むしろ好きだから――」
未久の声が好きすぎて、避けてしまう「好き避け」をしていたらしい堤。
彼の本心を知った未久にある名案が浮かぶ――お付き合いすれば声に慣れて避けなくなるのではないか、と。
そうして交際を始めた二人だったが、大好きな未久の声に堤は理性を保てるはずもなく――……!
【人物紹介】
小野里未久(おのざと みく)
人事本部に所属する27歳。真面目で仕事熱心。
可愛らしい容姿にハキハキした性格で、自他共に認められている美声の持ち主。
上司である堤に密かに憧れているが、どうやら彼からは嫌われているようで……?
堤遼輔(つつみ りょうすけ)
コンプライアンス推進室課長を務める31歳。
仕事は出来るが、無口で無愛想。実は重度の声フェチでもある。
未久のことを避けているのには何やら理由があるらしく――!?
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【試し読み】
『よかったら、小野里さんがひとりでしているときの声が聞きたいです』
堤さんのお願いは、私の想像の斜め上を行くものだった。
ひとりでする――つまり、自慰しているときの声を聞きたい、という希望。彼はすかさず『無理強いはしません、気が進まなかったら断ってください』と言い添えたけれど、私は勢い込んで『大丈夫です』と答えた。
電話越しにこういう、性的なやり取りをするのは初めてだ。それでも断らなかったのは、私自身が性に対して比較的柔軟な考え方を持っていることと、彼の要望を聞き入れることが、関係を深める最短ルートなのでは……という下心が働いたからだ。
経験がないので緊張はするけれど、嫌悪感はゼロだ。それで堤さんとの距離がぐっと縮まるならよろこんで応えたいくらい。
「その前に……呼び方、なんですけど」
控えめに堤さんが切り出す。
「あなたに呼ばれると否応なしに高ぶってしまうんですが、その呼ばれ方だとどうしてもオフィスでの情景を思い浮かべてしまって、罪悪感が湧くんです」
「あ……そうですよね。気が付かなくてすみません」
『堤課長』――だなんて、いかにも上下関係を思わせる呼び方だ。恋人同士のメローな雰囲気には似つかわしくない。
「では、遼輔さんってお呼びしても……?」
「っ……は、はい。わ……私の名前、知っていたんですね」
「好きな人の名前ですから」
彼は私が下の名前を把握していたことにおどろいているみたいだ。社内では苗字でしか呼ぶことがないし、部署も違うため確認する機会もないと思っていたらしい。
もちろん、ほかの上司の下の名前までは覚えていないことのほうが多いけれど――憧れの人なのだから、特別だ。
「なかなか刺激が強いですが……光栄です」
さらっと肯定すると、照れながらもよろこんでくれているようだった。私としても、名前で呼べるのは気を許してもらっているようでうれしい。思わずにやけてしまう。
「遼輔さん……今夜は、私の声を聞いて、いっぱいドキドキしてくださいね……?」
「……はい」
恥ずかしさもあって、ささやくようなトーンで言うと、彼がごく、と喉を鳴らしたのがわかった。
デートを重ねたり、もっと深くコミュニケーションを取ったりする前に、こういうことをするのは展開が早すぎるかもしれないけど、私たちの場合は順序が逆だ。まず、遼輔さんが私の声にある程度慣れてもらわなければ、彼にとっての負担が大きくなる。
これは大切な通過儀礼。私は自分にそう言い聞かせながら、パジャマの上着にそっと触れる。
「ええと……まずは、パジャマのボタンを外して、む……胸を触っていきますっ……」
始め方がいまいちよくわからないけれど、状況がわからないと遼輔さんも返答のしようがないだろうから、ひとつひとつ動作を言葉にしていくことにする。前開きのパジャマのボタンを上から順に外していくと、隙間からふたつの膨らみが顔を出す。
「ん、んっ……」
ためらいがちに、左側の膨らみを手のひらで持ち上げるようにして触れてみると、思っていたよりもくすぐったくて、吐息のような声がもれた。
「下着は身に着けてるんですか?」
「い、いえ……寝るときは着けてませんっ……」
訊かれていることに答えているだけなのに恥ずかしい。まるで、今の格好を細かく想像されているようで――そのせいで、膨らみに触れる指の感触が鋭敏になった気さえする。
「んんっ、ぁあ――」
ボールを包み込むような手つきで愛撫していると、手のひらに頂が触れて擦れる。そこから弾けた淡い悦びに、思わずため息のような喘ぎがこぼれる。
「……っ、すごく甘い声、出すんですね。もっと聞かせてください」
遼輔さんの声が興奮を帯びているのがわかった。オフィスでは決して感情を表に出さない彼の、焦れたような声がもっと聞きたくて、私は膨らみを下から支えながら、親指と人差し指で胸の蕾を摘んでやわやわと刺激をする。
「あ、ぅうっ……んんっ……」
遼輔さんに聞かれていると思うと、感覚が余計に敏感になっている気がする。指先がきゅっと先を扱くたびに、甘美な痺れが走って、意図せずとも艶めかしい声がこぼれてしまう。
「電話の向こうで小野里さんが乱れているのだと思うと、本当に……理性が飛びそうです」
おそらく本音なのだろう。それを裏付けるように、つぶやく声になにかを堪えるときのようなニュアンスがこもっている。
「触っているところ、どんな風になってますか?」
「っ……もう、先が尖って、指先で触ると……お腹の方まで疼いてきちゃいますっ……」
愛撫しているうちに、頂はぷっくりと膨らんで存在を主張していた。軽く圧し潰すみたいに触れたり、引っ張ったりするだけで、じわじわとした刺激が下腹部にまで響く。
「では、そちらも触ってみましょうか?」
「はいっ……んんっ……」
「そちら」とは、疼いている下腹部のことだろう。ウエストから右手を差し込んで、ショーツ越しにクロッチの部分をそっと撫でる。
「どうなってますか?」
「もう……濡れて、熱くなってますっ……」
私は頬が火照るのを感じながら正直に答えた。
――堪らなく恥ずかしい。身体の反応を自分自身で伝えなければいけないことも、その相手が遼輔さんであることも。
「いつもは、どうやっていじっているんですか?」
「し……下着の上から触って、そのあと直接……」
「普段通りしてみてください。あなたの声が快感に染まっていくところ、もっと聞きたいです」
「っ……わかり、ましたっ……」
指示通りに、ゆっくりとクロッチの上から秘裂をなぞった。すでに滑り気のある水分を含んだ生地が、指を動かすたびにくちくちと微かな音を立てる。
「んん、ぁぁっ……ふ、ぅうっ……んんんっ……」
「今、どんな風に触ってます?」
「下着の生地越しに、気持ちいいところを撫でてますっ……擦れて、いっぱい声出ちゃいますっ……あぁっ……」
生地の繊維が熱く潤んだ秘芽や入り口を刺激して、愉悦となって蓄積していく。鮮やかな快感を何度も味わいたくて、くり返し指を往復させる。
「……すごい。想像していたよりもずっと強烈な感覚ですよ。小野里さんの蕩けそうな声が頭に直接響いて、俺の方がおかしくなりそうだ……」
私がイヤホンを接続したタイミングで、おそらく遼輔さんもイヤホンに切り替えたのだろう。両耳から聞こえてくる、快感を訴える声は、きっと私が想像する何倍も彼の心を揺さぶっているに違いない。
そういえば、自分のことを『俺』と言うのを初めて聞いた気がする。取り繕うことができないくらい余裕がなくなっているということなのかも。
……そうだ。遼輔さんもハンズフリーなら――
「あのっ……わ、私だけっていうのも恥ずかしいので、いやじゃなければ、遼輔さんもしてください。……そのほうがもっと気持ちよくなれますよね……?」
恥ずかしさを盾に誘ってみたのは、それだけが理由じゃない。オフィスでは常に機械のように理路整然としている彼が乱れたときの声を聞いてみたい、という気持ちが頭を擡げたからだ。
「……はい。そうさせてもらいます」
少しの間のあと、電話の向こうから、上ずった遼輔さんの声に交じって衣擦れの音が聞こえてくる。
もしかして、ズボンの前を寛げたり、服を脱いだりしているのかな。……想像すると、もっとドキドキしてきちゃう。
遼輔さんの身体ってどんな感じなんだろう。背は高いし、見た目はスラッとしていて細身だけど、ジムに行くのが趣味だって言ってたから、意外と鍛えているのかも……?
頭のなかで、スーツを脱いだ彼の身体の想像が膨らんでいく。
……電話じゃなくて、実際にそういう触れ合いができる日が、早く来てくれたらいいのだけど。
「っ、はぁっ……く……」
ほどなくして、セクシーな吐息が鼓膜を刺激してくる。
――遼輔さん、電話の向こうで……触ってるんだ。
「んんっ、あぁっ……気持ちいいですかっ……?」
「はい……小野里さんの声を聞きながらなので、とてもっ……」
「うれしいですっ……私も気持ちいいですよっ……っ、あ、ぁあっ……」
彼の恍惚とした声と衣擦れの音が刺激になって、快感が増長していく。さらに熱を帯びていく秘部を夢中になって愛撫する。
「くちゅくちゅって音がこちらにも聞こえてきます」
「っ……い、言わないでくださいっ……」
いつしか水音はスマホを通しても聞こえてしまうほど大きくなっていたらしい。指摘されて羞恥が募るけれど、手を止めることができない。
「恥ずかしがってる声も素敵ですね。……かわいい、です」
ぼそっとささやくように落ちた一言で、心臓がどきんと跳ねる。
遼輔さんから直接「かわいい」なんて言われたの……初めてだ。
「んっ、あぁっ……ぁあっ……!」
照れくさいのと気持ちいいので、言葉を返せないままぐっしょりと濡れたクロッチのうえで指を往復させる。
「そろそろ直接触ったほうがいいかもしれないですね。下着、もうびしょびしょじゃないですか?」
「なんでわかるんですかっ……」
「聞いてればわかりますよ。それと、小野里さんの気持ちよさそうな声で」
音だけでこちらがどんな状態か見抜いてしまうなんて、遼輔さんはただ声フェチというだけじゃなくて、聴覚が敏感なのかもしれない。
「――中指、入れてみましょうか」
「っ、は、はいっ……」
パジャマのズボンを膝まで下ろして、両脚を大きく開く体勢で座り直したあと、片手でクロッチを片側に寄せた。剥き出しになった入り口に、中指の先をつぷりと押し込む。
「っあ……ナカ、熱いっ……」
熟れた果物のようにぐずぐずになっていたので、根元まですんなりと入った。期待を孕んで蕩け切った内壁が熱くて、思わずつぶやく。
「俺と同じように興奮してくれているんですね。うれしいですよ。……その指、俺の指だと思ってください。小野里さんのナカをゆっくり搔き混ぜて、出したり、押し込んだりしていきます」
「ふぁ、んんっ、ぁうっ……」
言われるがまま、膣内でゆっくりと中指を回したり、出し入れしたりする。この指が遼輔さんのものだったらと想像すると、お腹の奥が燃えるような感覚がして、入り口から愛蜜が湧き出てくる。
「どんな感じがしますか? 教えてください」
「擦れてるところ、気持ちよくてっ……腰が勝手に、びくって震えちゃいますっ……」
指が内壁に擦れるたびに切なくなって、腰が跳ねてしまう。呼吸を乱しながら答えると、彼はそんな姿が目に浮かぶとばかりに「そうですね」と言う。
「――とろとろに蕩けて、身体がぞくぞくしますね。……薬指も挿れてみましょうか」
「あ、あ――すごい、吸い込まれちゃうっ……」
少しずつ挿れようと思ったのに、ナカはすっかり潤っていて、するりと入ってしまった。埋め込まれた二本の指を、それまでと同じように動かし始める。
「んぁ、ぁあっ……もっと擦れるっ……」
「どんどん声が甘くなって……その声、頭の奥が痺れて……すごくいいですっ……」
「あっあっ、んんっ……やぁ、だめぇ、あぁっ……」
「だめって言う割りに、指は全然止まってませんよね?」
「っ……」
こちらの所作は水音で伝わっているので、ごまかすことはできない。いじわるな指摘に顔が熱くなり、なにも言い返せなくなる。
「咎めているわけじゃないです。それでいいんですよ。……もっとたくさん、感じてください」
遼輔さんの声が幾分優しく感じたのは、私が黙ったことを気遣ってくれたからなのかもしれない。微かに笑ったあと、彼が続ける。
「もっと違うところも触っていいんですよ? ……まだ触ってないでしょう。いちばん気持ちよくなれる場所」
違うところ。気持ちよくなれる場所。
もちろん、なにを示しているかはわかっている。私はそれを意図的に避けていたかもしれない。触れてしまったら、あっという間に高みに駆け上がってしまいそうな予感がして。
――でもそろそろ……決定的な刺激がほしい。
「ぁんんんっ……!」
二本の指でナカを擦りながら、人差し指で秘芽を突いてみる。すると、激しい悦楽が下腹部を貫いて、それまでよりも大きな嬌声がこぼれる。
「今までと反応が違いますね。すごくそそられますよ」
「あ、やぁ――すごく気持ちいいっ……」
鋭すぎる快感に、目の前がチカチカした。頼りない声で喚きながら、つい手を止める。
「手を止めないでください。ナカを擦りながら弱いところ、転がして」
すると、すぐに指示が飛んできた。遼輔さんは本当に声だけで私の動きを読んでいるのだからすごい。
私は耳元の声に従って、愛撫を再開させる。ナカから溢れてくる蜜が、出し入れの度にぐちゅぐちゅと重めの水音を立てる。潤いを纏った秘芽は滑りがよくなっていて、少し弾いただけでも下肢全体に響くような愉悦が走った。
「あぁ、これ本当にだめぇっ……んぁ、あぁっ……すごいぃいっ……!」


