
借金のカタに極道妻として娶られました!? ~若頭の旦那様に極上愛撫で蕩けさせられる~
著者:おうぎまちこ
イラスト:小島ちな
発売日:2025年 10月24日
定価:710円+税
入社して三年目になる春先。母が亡くなり、天涯孤独となった桜ヶ峰兎羽。
喪に服して少しした頃、母が多額の借金をしていたことが発覚し、借金取りから高額な金額を請求されてしまう!?
困っていたところを助けてくれたのは、がっちり鍛えた体躯の持ち主・龍宮寺辰牙だった。
彼はなんと龍宮寺組の若頭であり、しかも兎羽が組長の孫娘だと言ってきてーー!?
強引な辰牙に連れられて、兎羽は彼の家に行くことになるのだが……。
「俺と結婚してくれないか?」
借金取り相手に堂々としている姿を気に入ったという辰牙から突然のプロポーズが待っていた!?
しかも、結婚すれば借金を立て替えてくれると言われ、借金のカタに契約結婚することになった兎羽だったが……?
【人物紹介】
桜ヶ峰兎羽(さくらがみね とわ)
一般企業勤務の会社員。25歳。
母子家庭で育ち、ほとんど親不在で生活してきたため家事が得意。
母が病で亡くなり天涯孤独の身になったところ……?
龍宮寺辰牙(りゅうぐうじ しんが)
龍宮寺組の若頭。33歳。
がっちり鍛えた体躯、青い龍の入れ墨が特徴的。
締めるところはきちんと締め、組員からの信頼も熱く、カリスマ性と愛嬌を持ち合わせている。
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*取り扱いサイトは、各書店に掲載され次第、更新されます。
【試し読み】
思い立ったが吉日だ。
近くにある鍋に湯を沸かしつつ、フライパンに油を敷いて火を焚いた。
辰牙が立ち上がって手元を覗いてくる。
「ん? 良い香りだな。お嬢様、料理をしているのか?」
「ええ、座っていてもらって大丈夫ですよ」
卵の焼ける香ばしい香りと味噌のコクのある香りが周囲に漂い始める。
そうして、白い皿に卵焼きを載せ、黒漆の椀に味噌汁を注いだ。近くに御膳があったので皿を載せると、ちゃぶ台へと運ぶ。
「はい、できました。簡単なものでごめんなさい」
すると、辰牙が目を爛々と輝かせて告げてくる。
「簡単なものって、こんなにすぐに作れるのか? すごいな」
「ええっと、ありがとうございます」
料理をするのなんて当たり前の行為だと思っていたので、褒められて驚いてしまう。
なんだかむずがゆい気持ちになりながら、座布団の上にそっと正座すると、料理を眺める。
「白ご飯と味噌汁に卵焼き、和食は最高だよな」
辰牙が箸を取ると、意外と優雅な箸遣いで食事をはじめた。
(もう少しガツガツしそうなタイプだと思っていたけど、箸遣いが上品だわ)
兎羽はそこでハッとする。せっかく作ったのだから、食事をしよう。箸を持つと、白飯を食す。次に出汁の香りが漂う味噌汁を飲むと、コクのある味が喉にしんみり染みる。そしてふわふわの卵焼きを口に含むと、まろやかな醤油と砂糖のハーモニーが拡がっていき、我ながら美味しかった。
辰牙が少年のような笑みを向けてくる。
「お嬢様、最高に美味い。卵焼きなんか、口の中で蕩けてきたぜ。ありがとう」
「どういたしまして」
兎羽が箸を置く。
辰牙からの視線を感じた。
「どうしたんですか?」
「いいや、悪くないなと思って」
「悪くないとは……?」
その時、突然、兎羽の手をぎゅっと握りしめてくるではないか。
「急に何を……!」
男性に手を握られるのは初めてだ。耐性がなくて、頬が赤らんでいくのを感じる。
辰牙が兎羽のことをまっすぐに見つめてくる。
柔和な垂れ眼を見ていると、心臓がドキドキして落ち着かなくなってきた。
「迎えに行った時もさ、威勢良かったな。さすが組長の孫娘、堂々としているところを気に入った。ひとめ惚れした」
「え?」
「しかも料理も上手いときた、こんな素晴らしい女性は初めてだ」
「え? え?」
彼が持ち上げた私の手に、ちゅっと口づけてきた。
「な……」
「俺と結婚してくれないか?」
突然の辰牙からプロポーズ。
兎羽の目が真ん丸に見開かれる。
しばらく開いた口が塞がらなかったが……正気に戻った。
「そんなの勿論お断りです、どうして見ず知らずの貴方と結婚なんて、急に……」
「どうしてだ? 俺と結婚したら、ひとまず一千万は立て替えてやるぞ」
「え?」
突然の申し出に、兎羽はますます目を見開いた。
そもそもそんな大金を持っていそうな雰囲気はないのだが、暴力団員というのは稼げるのだろうか?
「そうしたら、残りは利子だけだろう? 借金の返済はしやすいし、何より借金取りから護衛もしやすいぞ?」
かなり良い条件を提案されているのは分かる。
だけど……。
「今話したでしょう? 出会ったばかりの人と結婚だなんて無理よ、無理」
「だったら、どうする? その借金、返せるのか?」
兎羽はギクリとなった。
「それはそうですけれど、見ず知らずの貴方に迷惑をかけるなんて出来なくて」
「迷惑かけあうのが夫婦じゃないか?」
「そんなの……ちゃんと自立したものどうしが結婚して夫婦になるべきで……」
「見た目は派手だが、真面目なのは分かった」
辰牙は兎羽の手をなかなか離そうとはしなかった。
「それに、あまりにも貴方にメリットがなさすぎませんか? 私は貴方にあげられるものが何もなくて」
「ああ、そんなの……あるだろう?」
「え?」
彼の手が彼女の頬に添えられる。
かと思えば、彼の唇が近づいてくると、彼女の唇の端にそっと触れた。
「な、な、な……」
「あんたの飯も美味かったが、あんた自身も美味そうだ」
「何を言って……え? ひゃあっ……」
突然、畳の上で押し倒されてしまう。
「ちょっと、こんな場所で、やめっ……」
柔らかな重みを感じる。気づいた時には、辰牙が兎羽に覆い被さってきていた。
「ちょっと、待って……んっ……」
覆い被さってきた辰牙が、兎羽の首筋に喰いついてくる。
倒れた時にはだけた裾から、大きな掌が割り入ってくると、太腿を円を描くように撫で擦られた。抵抗しようとすると、浴衣が乱れてしまい、胸もはだけてしまった。
「んっ、やめてっ……」
「毎晩こうやって俺に身体を提供してくれたら、それで良い」
辰牙が獣のように口を開けると、乳房の膨らみを痕が残るほど強く吸い上げてきた。
「やあっ……ん」
「ああ、着のみ着のまま来たから、下着をつけてないのか」
「……っ」
下着は脱衣場に洗って干してきたばかりだ。
指摘されてしまい、羞恥で頬が赤らんでいく。
「それは……だって、下着の替えがなくって……!」
「まあ、何もないならないでちょうど良いさ」
辰牙のごつごつ太い指が割れ目にくちゅりと触れてきた。
「きゃっ、待って……」
「待ってやっても良いが、お前が待てるのか?」
「何を言って……んんっ……」
彼の長い指が花弁の間をぬるぬると蠢いた。
「肌を吸って脚を撫でていただけのつもりだったが、お嬢様のここはもうこんなに蕩けてるぞ」
彼が指を持ち上げると、指先が愛蜜で濡れてしまっていた。
濡れていることを指摘されてしまい、恥ずかしくなって俯く。
すると、彼の指が秘核に触れてきた。
「ほら、もっと気持ちよくしてやるから」
「え? あっ……待ってっ……やんっ、そこ、そんなにしないでっ……」
彼の指が彼女の芽を弄りはじめた。潰されたり摘ままれたりしていると、腰が勝手に浮いて両脚をしきりに動かした。弄られると、どんどん愛液が溢れ続け、だんだんと頭の中が白くなっていく。子犬のようにはっはっと息を漏らした。
「いやっ、ひっ、あっ、はっ……」
「ああ、ほら、そろそろイって良いぞ」
彼の指使いがたちまち早くなると、全身を浮遊感が襲ってきた。
「ああっ……!」
兎羽の全身に快感の波が駆け上がると同時に、甘い痺れで全身がびくびくと戦慄いた。
とろとろに溢れた愛蜜が乱れた浴衣を濡らす。
「はあ……はあ……」
肩で息をする兎羽に向かって、辰牙が意気揚々と告げてくる。
「俺と結婚したら、毎晩こんな風に気持ちよくなれるぞ? どうだ」
兎羽は瞳に涙を潤ませながら抗議する。
「嫌よ、人の身体を勝手に弄ばないで」
彼から伸びてくる手に抵抗していたら、もみくちゃになった。
彼の浴衣がはだける。
「そうか……だが、お前に残された道は二つしかない」
「二つ?」
辰牙の首筋から胸板にかけて覗くのは――青い龍の入れ墨。
兎羽の背筋をゾクリとした感覚が駆け上がる。
先程といい、ただのふざけた年上男性ではなく……。
(本物のヤクザなんだわ……)
彼の口腔内の八重歯が、獲物を狙う獣の鋭い牙に見えた。
「そうだ、風俗で不特定多数の男とこういうことをするか、俺と結婚して俺からだけこういうことをされるか? どちらか選べ」
有無をいわさぬ二択を突きつけられる。
「そんなの……さっきのチンピラと同じ脅迫よ」
兎羽は自身の矜持にかけて相手を睨みつけた。
「今まで特定の女を傍に置いてなかった俺が、お前を嫁にするって言っているんだ。随分優しいと思うがな?」
猶予を与えてやっていると言わんばかりの不敵な笑み。
辰牙のそこはかとなく漂う色香に抗えないような錯覚に陥ってしまい、兎羽はそんな自分に腹が立って、唇をきゅっと噛み締めた。
「どっちが良い選択か分かるだろう? さあ、お前が選べ」
「……っ……」
ドクンドクン。
兎羽の鼓動がおかしな音を立てる。
風俗店で働くとなると、辰牙の言った通りになる可能性がある。
性行為が楽しいから、たくさんの男性と経験してみたいと話す友人も確かにいた。
だが、兎羽は性に奔放なタイプではない。
どちらかといえば、一人の男性と添い遂げたいタイプだ。
だとすれば、知り合ったばかりの人物である彼とだけ、こういった行為になる方がマシではないか?
辰牙のように粗野なタイプの男性じゃなくて、もっと物腰優雅な王子様みたいに上品なタイプの男性の方が好みだが、背に腹は代えられない。
「どっちも嫌だけど……いいわ、貴方がそんなに言うなら、私は貴方の妻になるわ」
辰牙が舌なめずりした。
「賢明な判断だ」
「……年上だからって、そんな上から目線の旦那は嫌だわ」
「ツンツンして可愛いな、俺の嫁さんは」
辰牙が頬にちゅっと口づけてきたものだから、兎羽は顔を真っ赤にして抗議した。
「ふざけないで」
「ふざけてないさ、俺なりの愛の挨拶だよ。さて、一応聞いておくが……初めてだろう?」
「そ、それは……だって、誰とも付き合ったことないんだから……」
「ああ、そうか、そりゃあ悪いことをした」
「へ? あ? んんっ……」
「初めてだったら、男女の絡みが、どれだけ良いか教えてやるよ」
「そんなの頼んで……ひゃあっ……」
両脚の間に、生温かで太い何かがぬるりと押し当てられる。
「何っ……ひっ……」
押し当てられたものが何か理解した途端、羞恥が一気に駆け抜けてきた。熱くて太い肉の裏筋が擦りつけられると、くちゅりと水音が鳴る。
(これ……この人の……!?)
花弁の間を熱塊が上下に動き始めた。
見れば、辰牙が腰を揺り動かしはじめているところだった。熱塊の裏側が蠢くと花弁が充血していくのを感じると同時にどんどん膨らんで真っ赤に色づいていく。
彼が腰を前後に揺り動かしながら、うっとりとした声音で告げてくる。
「俺は女には優しくしたい性質なんだ。ほら、痛くなくて気持ちが良いだけだろう?」
「やっ、やだっ、やめっ……」
やめてほしいと口では懇願していたが、彼の言った通り、粘膜を優しく肉棒で擦り上げられると、快感が強くて頭の芯がぼうっとしてくる。
「ああ、素直じゃないな。こんなに溢れているのに……」
「違う、好きでこんなになってるんじゃ……」
熱棒の付け根で花弁と芽を一緒に擦り上げられると、勝手に愛液が溢れてくる。
「どれ、もう少しだけ動かさせてもらうか」
「やっ、あっ、あっ、あ……」
彼が腰を揺り動かすのに合わせて、彼女の背がシーツに擦れる。
まるで交合しているかのように、ベッドがギシギシ軋むと同時に、愛液と熱棒とが擦れる音がぐちゅぐちゅ響いた。
「挿入前なのに、こんなに感じてくれると、やりがいがあるな……」
「……っあ、やめっ……何言って……んんっ……!」
両手で彼の身体を引き剥がそうとしたが、彼女の両手指に彼の両手指が絡んできて、動きを制されてしまう。
「せっかく気持ちが良さそうなんだ……俺から逃げないでくれよ」
「いや……だって……あっ、んっ……」
劣情を孕んだ声音で囁かれると、嫌なはずなのに、うまく抵抗できなくなる。
彼の胸板が近づいてくると、彼女の乳房をぐにゃりと潰す。彼が揺れ動くと、彼女の先端が擦れて気持ちが良かった。触れ合う肌同士に熱がこもって、互いの肌がじんわりと汗ばんでくる。
膨らんだ芽の上を熱棒の裏で擦られている内に、頭がぼんやりしてくる。
どんどん抵抗できなくなっていって、下腹が疼いて蜜が溢れ続け、水音がぐちゅぐちゅ響いた。
「ひあっ、あっ、あっ、は、あ……」
「もうイキそうなんだろう? 待ってくれよ、俺もそろそろ一緒にイきそうだからさ」
「いやっ、やだっ、あっ、あっ、あっ……んんっ……!」
嫌だと抵抗したが、相手からもたらされる快楽に、結局最後まで身体は言うことを聞いてくれなかった。
「ああっ……!」
下腹から脳髄にかけて気持ちが良さが一気に駆け抜けていく。
兎羽が全身を戦慄かせていると、辰牙の腰が少しだけ離れた。彼が付け根を持つとぐちゅぐちゅと上下に擦る。
「悪い、少しだけ肌を汚させてくれ」
先端から大量の白濁液が飛び出すと、彼女の腹部にかかった。熱い滴りが肌をゆっくりと滑り落ちていく。二人の荒い呼吸が室内に響き渡った。
「はあ……挿れなくても気持ちが良いもんだな」
辰牙が熱い吐息を吐きながら、兎羽の頬に口づけを落としてくる。
「どうだ? 結構激しくて疲れたのか?」
「……っ……はあ……」
兎羽が疲れて抵抗できないでいると、辰牙が彼女の耳朶を食んだ。
「なあ、ちゃんと夫婦になって繋がったら、もっと気持ちよくなれるぞ」
ぞくぞくした感覚が駆け上ったが、兎羽は顔を背けて抵抗した。
「そんなの、お断りなんだから……」
「強がって、可愛いな。俺の女房は……開発しがいがありそうだ」
何か言い返そうとしたが、初めて男性と身体を触れ合わせたからか、兎羽は疲れすぎて、うまく抵抗できなかった。
「美味しそうな兎が手に入ったな」
兎羽は辰牙の腕の中で眠りに就いた。
かくして、歪な夫婦関係が幕を開けたのだった。


