婚約破棄され酔っ払った結果、美形辺境伯の溺愛に捕まりました!?

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婚約破棄され酔っ払った結果、美形辺境伯の溺愛に捕まりました!?

著者:小山内慧夢
イラスト:Shikiri
発売日:2025年 9月19日
定価:620円+税

キッケルト男爵令嬢ヘンリエッタは、ある日、婚約者から婚約解消を言い渡されてしまう。
婚約者からの無礼な態度に腹を立てた彼女は酒場でやけ酒を飲み、一人の男性に絡んでいた。
その夜、ヘンリエッタは美形の青年と一夜を共にする淫らな夢を見るのだが、それはやけにリアルな夢でーー?
「ふ……、君のほうがずっと綺麗だ」
翌朝、目覚めたヘンリエッタの前にいたのは夢に出てきた青年だった!?
バーレント・スフレイヴェルと名乗った彼は、なんと貴族令嬢たちの憧れのムノグ辺境伯でーー!!
しかも、バーレントはヘンリエッタに結婚を申し込んできて……!?

【人物紹介】

ヘンリエッタ・キッケルト
キッケルト男爵家の令嬢。
素っ頓狂な一面もあるが、家族思いで情に厚い。
婚約破棄され、やけ酒を飲んでいたところ、一人の男性と出会うのだが……?

バーレント・スフレイヴェル
ムノグ辺境伯閣下。
物静かで冷静な性格をしているが、なぜかヘンリエッタのことはよく構う。
ヘンリエッタと一夜を共にしたのち、彼女に求婚を申し込んでーー!?

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*取り扱いサイトは、各書店に掲載され次第、更新されます。

【試し読み】

「ん、あぁ……、うふふ……」
 例えようもないほどの気持ち良さに、ヘンリエッタは顎を反らし声を上げた。
 気持ちよくて、身体から喜びが溢れてしまいそうだ。
 薄目を開けると、天蓋の裏が見えた。
 薄暗い室内そして身体を柔らかく受け止めるベッドの感触。
 覚えのあるシーツの肌触りから、ヘンリエッタは自分が寝ているとわかった。
(ああ、わたし眠っているのね……夢の中って気持ちいいわ……)
 普段は感じたことのない浮遊感と開放感は、恐らく飲酒によるものだろう。
 初めて入ったが、あの酒場は当たりだと笑みを浮かべる。
 不意に胸の突起を摘ままれ、全身に痺れが走った。
「ひ、あぁんっ」
 腰がベッドから浮き上がると、それを追うようにして大きな手がヘンリエッタを掴む。
「こら、逃げないで」
 低く心地よく響く声に薄目を開けると、金色の瞳と目が合った。
 鈍い光を放つその瞳はヘンリエッタの心の奥を覗き込むように見つめている。
「綺麗……」
「ふ……、君のほうがずっと綺麗だ」
 金の瞳が細められ、整った顔が近付いてくる。
 したことがなくても、これは口付けの合図だとわかったヘンリエッタは胸をときめかせながら薄く唇を開いた。
 挨拶として頬に口付けを受けることはあっても、異性と唇同士を合わせるのは初めてのこと。
 心臓が胸を突き破ってしまいそうなほど激しい動悸を抑えながら、ヘンリエッタはキスを味わう。
 同程度の柔らかいこの同士が触れ合い、緩く擦り合わされるのが、こんなにも心地良いとは思わなかったヘンリエッタは、甘く下唇を食まれて「なんてこと……」と驚嘆する。
「キスは嫌だったかな?」
 僅かに眉を顰めて男が距離を取る。
 すると男の全容が確認でき、ヘンリエッタは再び驚嘆した。
「そうではなくて、顔が……良すぎませんか?」
 ヘンリエッタに覆い被さるようにした男は銀灰色の髪を後ろで緩くまとめている。
 意志が強そうな眉の下には鈍く輝く金色の瞳があり、ヘンリエッタを見つめていた。
「お褒めに預かり恐悦至極――君のお気に召したのならよかった」
 すっと高い鼻梁がヘンリエッタのそれに当たらないよう傾けられ、再び唇が重なる。
 瞼を閉じてキスを受け止めると、舌で唇の合わせめをなぞられる。
 チロチロと動く舌に思わず笑うと、歯列を割って入り込まれた。
「ほあ……、ぁあん……」
 逃げ惑う舌を絡めとられ、擦り付けられると口内からジワリと快感が身体中に染み出していく。
 それは甘い痺れとなり、ヘンリエッタの皮膚や腹の奥を敏感に作り変えるようだった。
「こういうことは初めてなのだろう? 本当にするのか?」
 ちゅうと吸い付いた唇が離れ、男がそう言うとヘンリエッタは子供のように頬を膨らませる。
「やだ、やめないで! もっとしましょう……あなたと触れ合うのは、とても気持ちいいんだもの」
「しかし、酔って事を為しては後悔する――」
 男の口調に止めるべきだという雰囲気を感じ取ったヘンリエッタは、腕を伸ばして強引に彼の首を引くと自分から噛みつくように唇を重ねた。
 がちりと歯が当たったが構わずそのまま口付ける。
 エルンストが相手のときはそんなにしたいと思わず極力避けていたことが、この男にならしてほしいし、したいと思うことが不思議だった。
 馴れないながらも先ほどのキスで感じた快感を追うように舌を動かす。
「……ぷは! 後悔なんてしないわ。最低の男から解放され、最高の男が目の前にいるのよ……きゃ!」
 放している途中でひょいと抱き上げられたヘンリエッタは男の膝に乗せられてしまう。
「そう? ならば遠慮はしないから、覚悟するといい」
 男は口角を上げるとヘンリエッタに口付けた。
(夢とはいえ……なんてリアルなの……)
 夢には自分の願望が反映されると聞いたことがある。
 それを思い出したヘンリエッタは目の前の男が自分の理想で、このように口付けしてほしいと思っていたのかと思うと顔が熱くなるのを感じた。
 その顔は酒場で偶然隣に座った男性のもので、彼も親切で優しい低い声をしていたと思い出す。
(まあ、難しいことは起きたら考えるわ。今はこの少し淫らな夢を見ていたい……)
 ヘンリエッタは自分からも積極的に舌を絡め、口付けに応じた。

(……少し淫ら、なんてとんでもない!)
 ヘンリエッタは自分の妄想力のいやらしさに混乱している。
 彼女の考えでは、夢とは己の記憶と知識に基づく反芻だと理解していたのに、この夢はそんなものではなかった。
 男の身体など知らないのに、妙に存在感がある――いや、あり過ぎる。
 見た目はそれなりに想像がつくのでともかく、感触や体臭まで感じるのはやりすぎではないか。
 それに荒い息遣いや滴る汗までばっちりと再現されているとは何事か。
(わたしってこんなに淫らだったのかしら……?)
 夢だからと大胆になっていた自覚はあれど、ここまでとは思っていなかったヘンリエッタは顔を赤らめて、己の下腹に顔を埋めようとしている男の頭を掴んだ。
「うん? どうした」
「あの……これは、ちょっとぉ……」
 女性として最も秘するべき脚のあわいを、自分から豪快に開いているのはまだ理解できる。
 男が指で秘裂をあやすたびに勝手に開いてしまったのだ。
 しかし男がそこに顔を伏せていったいなにをしようとしているのか。
 自分の夢なのに理解できなくて、ヘンリエッタは混乱していた。
「恥ずかしがることはない、皆していることだ」
「そ、そうなの?」
 男の言葉にヘンリエッタはホッとする。
 ならば、この知識もどこかで耳にしたことがあったのかもしれない――自分が忘れているだけで。
(夢だもの、そんなに理詰めで考えなくてもいいわよね)
 そう結論付けたヘンリエッタは、ひとまず男が与えてくれる快楽を全身で享受することにした。
 抵抗をやめたことで、男は安堵したのか何度目かの口付けをヘンリエッタに仕掛ける。
 啄むように、そして淫らに舌を搦めて。
 経験がないヘンリエッタにも、男が相当のテクニシャンだということはわかった。
 触れるところすべてが気持ちいいなんて、きっと経験値が高いのだ。
(わたしは女性にとってそういう男性が望ましいと考えていたのかしら)
 確かに安心感はある。
 閨の作法を教えてもらったときも『夫のすることに抵抗しない』と言われたのは、初心者同士の事故を防ぐためなのだろう。
 互いに主張しあったらそこで言い争いになってしまうかもしれない。
(でも、それでいいのかしら)
 ヘリエッタは胸を優しく揉まれながら考える。
 愛を確かめ合う行為なのに、ただ享受するだけでいいのか――いや、よくない。
 どちらか一方の主張や意見が通るなんて、健全ではない。
 それに、相手の反応がなければきっと男性だって不安なはず。
(そうよ、それに今は夢を見ているのだし)
 本番ではこうはいかないだろうから、せめて夢の中では。
 そう考えたヘンリエッタは、自分の気持ちを素直にさらけ出し、男を受け入れた。
 長く節くれだった指が蜜で蕩けたヘンリエッタの秘裂を撫で、その上にある突起をクルクルと刺激する。
「ひ、あぁ……っ! あぁん!」
 もっともっとと催促するように勝手に腰が浮き上がってしまうヘンリエッタを見て目を細めると、男はおもむろに花芽の根本を指で摘まむ。
「あっ、あぁ……っ! だめぇ……っ」
「駄目? やめようか?」
 探るように囁かれると、ヘンリエッタは首をブンブンと左右に振って上半身を捩る。
「やめないでェ……っ、でも駄目なの……っ、あ、ふ……!」
 自分が支離滅裂なことを言っているのがわかっているのかそうでないのか、ヘンリエッタの瞳を蕩けさせたままビク! と腰を震わせて喉を引き攣らせた。
 男がヘンリエッタの赤く熟れた肉芽に口付けたのだ。
「あ、ああ、いっ、ひぅう――!」
 熱い舌でチロチロと擽られると、腰が跳ねる。
 なにがどうなっているのかわからないまま、ヘンリエッタは高みに上り詰め、ジュ、と軽く吸われてあっけなく極まった。
「――あ、ああ、は……っ、うぁ……っ」
「ふ……、可愛らしいね。気持ちよかった?」
 男の低い声は力の抜けたヘンリエッタの肉といい骨といい全身に染み渡るようで、息も絶え絶えにやっと頷く。
「き、きもちい……っ」
 こんなに気持ちいいのか、これが性交かと納得し荒い息をつくヘンリエッタの身体が俄かに緊張を帯びる。
 これまで秘裂の襞を撫でていた男の指が、その先端をぬくりと中に侵入させたのだ。
「え、……あっ?」
 そんなところにどうしてと思うヘンリエッタとは真逆に、秘裂は易々と男の指を呑みこむ。
 クチクチと蜜が混ぜられるような微かな水音が羞恥を発生させ、ヘンリエッタは男を制止しようと口を開くが、制止ではなく嬌声が漏れた。
「ひぁんっ!」
 男の指が蜜洞の中のとても感じるところに触れたのだ。
 そこはヘンリエッタ本人だって触れたことのない、まるで神経がむき出しになっているようなところで、制御できない声が上がってしまった。
「ここだね」
 ヘンリエッタの感じる所を探り当てたことが嬉しいのか、男は金の瞳を細め舌で唇を舐めた。
 その獣のような仕草にヘンリエッタの心臓は大きく高鳴る。
「あっ、あの……性交はさっき終わったのでは?」
 まだこれ以上やることがあるのか、不思議に思ったヘンリエッタが尋ねると、男は僅かに目を見開く。
 驚いたようだ。
「さっき……ああ、あれは前戯のひとつだよ。本番はこれからだ。君の慎ましいここを十分に解してから、これを入れる――君は随分と箱入り娘のようだな。恐ろしいならこのあたりでやめておくか?」
 男は動きを止め、自分のトラウザーズの股間を指し示す。そこは通常よりも膨らんでおり、ヘンリエッタに『入れる』なにかを隠し持っていると知れた。
 小刻みに動かしていた指が止まったことで、彼の中に再び躊躇いが生じたことを知ったヘンリエッタはこの夢が終わってしまうのではないかという恐れを感じて慌てて弁解する。
「いいえ、そんなことはないの! お願いやめないで……っ、きっともうこんなことはないんだから――わたしも誰かに求められていると思わせて」
 口にしてから『ああ、そうなのか』と思った。
 こんな淫らな夢を見るのは、きっと自分がエルンストにとってもう情欲を催す相手ではなくなったからだと理解したための反動かもしれない。
 婚約破棄されたとなれば、その噂は周囲に広まるだろう。
 カフェのような人目のあるところで起きたことだから目撃者もいるだろうし、大層面白おかしく語られるに違いない。
 そうなればヘンリエッタの婚活市場での相場は下落する。
 いい条件での婚姻は望めないかもしれないのだ。
「頼まれるようなことではないな。言われずとも、私はもう後には引けない。君が欲しくて堪らない」
 男はヘンリエッタに顔を近付けて口付けをすると、指の動きを再開する。
 唇を合わせながら時折喘ぐヘンリエッタを間近で見た。
 あられもなく官能を受け止めるヘンリエッタは男の様子を具に観測することは出来なかったがそれでも、楽しんでいたような気配をそこかしこに感じることができた。
 何度か軽く達したヘンリエッタは大きく胸を上下させる。男がおもむろに身体を離したせいで余裕が生まれたのだ。
 激しく動いたわけではないがずっと快感を与えられ続けたことで、ずいぶんと疲弊している。
(性交って……っ、こんなに疲れることなのね……っ)
 夢の中とはいえ、目が覚めたら疲労困憊に違いないと微かに笑うと、男が目聡く見つけた。
「気分は悪くなさそうだな」
「ええ、なんだか身も心もふわふわしているし……あなたがすごく男前に見えるわ」
 正直隣に座ったとはいえ、ヘンリエッタの意識は酒にのみ向けられていたため、隣の男の容姿をぼんやりとしか覚えていないのだ。
 ただ目が美しい金色だったことと、整った顔立ちだったことは覚えている。
 ヘンリエッタの言葉が予想外だったのか、男は目を見開いたあと、耐え切れずに吹きだす。
「ははっ、面と向かってそんなことを言われたのは初めてだ」
「まあ、こんなに素敵なのに……あなたの近くにいた女性はみんな見る目がないのね」
 思ったままのことを口にすると、男はさらに大きく笑う。
「あぁ、おかしい。君はなんて楽しい人なんだ。俄然やる気が出てきたぞ」
 男はヘンリエッタの見えないところでなにやらごそごそした後に、ベッドにあったクッションをヘンリエッタの腰の下に挟む。
 そして揃えられていたヘンリエッタの膝を割ると、蜜でしとどに濡れたあわいにひたりと固くなったものをあてがう。
「あっ?」
 驚いて声を上げるヘンリエッタの頬を手の甲でなぞると、男は安心させるように頬を緩めた。
「痛い思いや嫌な思いはさせない――ただ、違和感はあるだろう。私は君を気持ちよくさせたい」
 信じてほしいと金の瞳が言った気がして、ヘンリエッタは頷くと、男の腕に触れた。
「これまでずっと優しかったあなたのことを信じているわ」
 夢の中であるという思いがヘンリエッタから余計な力みを取り去り、自然体になっていたことが功を奏したのだろう。
 男の雄茎は体格に見合った随分と立派なものだったが、秘裂に侵入した切っ先はヘンリエッタに痛みをもたらすことはなかった。
「ん、んぅう、ぁあ……っ」
「……大丈夫か」
 何度も確かめながらゆっくりと腰が進められるごとに、違和感は増した。
 だがミリミリと隘路を広げるのは、この逞しく美しい男なのだと思うと、ヘンリエッタの胸の内に溢れるのは痛みではなく悦びだった。
「あぁ……っ、素敵……、これが男女の営みというものなのね……」
 痛みではなく、昂った感情による涙がヘンリエッタの青い瞳から零れ落ちる。
 男が言ったように確かな違和感があり、蜜洞の中にみっちりと詰まった男根は、少し動いただけでもあらぬところが裂けてしまいそうだった。
 しかし挿入が成った男は無理に動こうとはせず、ヘンリエッタの蜜洞が馴染むまで根気よく待ってくれた。
 その間も甘く口付けたり、胸を愛撫したりまるでじゃれるように笑い合う。
 徐々にヘンリエッタの違和感は薄れ、それと同時に痛痒感が生まれる。
 もぞもぞと身動ぎすると、それに気付いた男がゆっくりと腰を動かし始めた。
 一瞬ギクリと身を強張らせたが、男はあくまでヘンリエッタを悦ばせるために動く。
 キスの雨を降らせながら、指を挿入したときに見つけたヘンリエッタの気持ちいいところを切っ先で探り丹念に捏ねるようにすると、徐々に変化が見られた。
 ヘンリエッタの声に艶が混じり、感じ入ったように声が鼻から抜ける。
「……ここがいい?」
 耳に吹き込むように低く囁かれると、ヘンリエッタはくすぐったくて肩を竦める。
「ひゃ! ふふ……、あん、そこ……とても素敵……」
 顎を反らして素直に告げると、中に収められた先端がぐりぐりと腹側を突き上げるように動いた。
「あ、はぁん……っ! いい、とても……っ、あ、溶けちゃいそう……っ」
 いいところを刺激された蜜洞がキュウと締まると、雄芯がピクリと反応したのに気付く。
(あ、あら……?)
 不思議に思ったヘンリエッタが意識して隘路を締めると、やはり先ほどと同じように男の陽物が動いた。
(そうか……、男の人はこうされると気持ちいいのだわ)
 気付きを得たヘンリエッタが蜜洞を締めると、男は口許を緩めて鼻先にキスをした。
「あん」
「……悪い子だ、こんな悪戯をして。私が本気になったらどうするつもりだ?」
 男の金色の瞳が怪しい光を纏うと、ヘンリエッタの蜜洞は意図せずキュンキュンと男を締め付ける。
「はぁ、わからないわ……どうなってしまうの?」
 気持ち良さが身体から溢れてしまいそうで、ヘンリエッタは熱い吐息を漏らす。
 一連の言動には他意はない。
 ヘンリエッタは本当にわからないのだ。
 夢の中に揺蕩い、気持ち良いことを甘受しているだけなのだから。
 ――だから、自分の一言が男の気持ちを揺さぶってしまったなどと、これっぽっちも想像していない。
 男の瞳に強い光が宿ったことに驚いたヘンリエッタが「え」と思う間に、腰を強く引き寄せられ穿たれる。
「きゃあ! あ、ふぁあっ」
「ひどくはしない……だが、もっと強い快感を覚悟してくれ」

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