再会した御曹司との契約結婚後、気づいたら溺愛妻になっていました

書籍情報

再会した御曹司との契約結婚後、気づいたら溺愛妻になっていました

著者:水田歩
イラスト:石田惠美
発売日:2025年 8月29日
定価:620円+税

 

叔父が経営する工場で事務として働く膳場和香。
赤字工場を自分一人でなんとかしようと極限まで頑張ってやりくりしていたのだが、どうにもうまくいかない日々が続いていた。
覚悟を決めた和香の前に現れたのは、中学生時代の親友である朝比奈宏輝だったーー!!
彼はなんと朝比奈コーポレーション専務になっていて……?
しかも、中学生時代に交わした『三十歳になったとき、お互いに独身だったら結婚しようね』という約束を覚えていた!
約束を持ち出され、融資と引き換えに契約結婚することになった和香だったがーー。
「悪いけど、寝かせてあげない」
結婚の条件には、夜を共にすることも含まれていてーー!?



【人物紹介】

膳場和香(ぜんば わか)
叔父の経営する工場にて事務を務める30歳。
一生懸命に頑張る性格な一方、頑張りすぎてしまう側面も。
中学生の頃、親友ともいえる宏輝と『三十歳になったとき、お互いに独身だったら結婚しようね』という約束をしておりーー?

朝比奈宏輝(あさひな こうき)
朝比奈コーポレーション専務の30歳。
穏やかに見えて策略家。
和香の家の工場が困窮していることを知り、融資と引き換えとして契約結婚を申し込んでーー!?

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【試し読み】
 

 ドアを閉めるやいなや、朝比奈君はひょいと私を抱え上げた。そのまますたすたと奥に進んでいく。
「あ、さひな君……っ」
 緊張のあまり、声が上擦ってしまう。
「宏輝」
「……こう、き、さん?」
 呼び捨てもどうかと思い『さん』付けしてみたら、夫になった人は残念そうな顔をしてみせた。もしかして、呼び捨てで呼んで欲しかったのだろうか。どうして? 私達、『夫婦』という名の他人であって、恋人同士ではないよね? 彼の一挙手一投足にどんな意味があるのか、探ろうとしてしまう。
「さん付けはナシ、ただの宏輝で。……これも契約にしておけばよかったな」
 苦笑めいた、でも親しげな微笑みを向けてくれる。しかし、彼の双眸だけは違った。経験値の低い私にも、欲情している目だとわかる。彼は『親友』ではなく『男』の顔になっていた。……もしかしたら、私に興奮してくれているの? こんなかっこいい人が、なんで? 嬉しいというより、戸惑いのほうが大きい。
「和香」
 名前で呼ばれ、胸がキュンとなった。これは彼と知り合ってから初めてだ。
「これから君を抱く」
 あらためて宣言される。
「やっぱり、スるんだ……?」
 セックスつきの結婚をすることが、あなたに融資を受ける条件だと解ってはいる。ただ、再会してから結婚まであっというまで、現実だと思っていなかった。
 無意識に呟いてしまったけれど、しっかり聞かれていたみたい。
「嫌?」
 自分より背の高い男性が首を少し傾げて上目遣いしてくるのって、なんてあざと可愛い。きゅん死できる。
「朝比奈君、絶対に自分の魅力をわかってやってるでしょ」
 軽く睨めば、どんどん彼の顔が近くに迫ってきた。視界いっぱいになり、彼の顔がぼやけたときに、ちゅ……と音がする。同時に、唇に柔らかいものが触れた感触。まじまじと彼を見つめてしまったら嬉しそうな声で囁かれた。
「今日二度目のキスだね」
 一回目は教会での誓いのキス。私達が知り合ってからのトータルでも、三回目である。ポーッとした私がリアクションを返せないでいると、彼はニヤリと笑いかけてきた。悪い顔もかっこいいって、イケメンは得だ。
「決めた。これから『朝比奈君』て呼ばれるたびに、キスする。場所は俺が決める。ああ、和香に拒否権はないよ」
 宣言されて、私は慌てふためく。
「え、朝比奈君、それ無理!」
「はい、アウト」
 今度は唇で唇をふにふにと挟まれる。……気持ちいい。
「和香」
 うっとりと見上げれば、彼は真剣な表情を浮かべていた。私も真面目な顔をする。
「俺とセックスするのは嫌?」
 この期に及んで聞いてくれるんだ。やっぱり、彼は優しい。きゅん、と体のどこかが甘く疼いた。
 ……ふと、思う。ここで『イヤ』と言ったら、セックスしないのかな。だとすると私達の結婚は、彼にとってなんの旨みもない契約になってしまう。そもそも、融資と引き換えにうちの工場への優先発注権、くらいでは朝比奈君のメリットにならないのでは? お金を貸してもらえて、朝比奈君みたいなイケメンでお金持ちの男性と結婚できるなんて。どう考えても、私しか得をしていない。
「和香?」
 うながされて口にした言葉は。
「……嫌じゃない……」
 むしろ、あなたのほうが反応しないのでは? 私の体、たるんでるよ? 口を開く前に朝比奈君が私をベッドにおろした。タキシードを脱ぎながら私を見おろしてくる。タイを緩める手つきが格好いい。ボタンを外したワイシャツのあいまから、くっきりと浮き上がった筋肉を見せつけられた。てっきり細いだけだと思っていたのに、鍛えている! 艶めかしい姿から目が離せない。こくんと喉が勝手に動く。朝比奈君はベッドに上がってくると、私にまたがりキスできそうなくらいまで顔を寄せてきた。
「あの、シャワー……」
 喉に声が絡んで、変な声しか出ない。ああ、私。緊張しているだけではなくて、期待しているんだ。
「あとで一緒に入るから大丈夫」
 極上の笑みを向けられてポーっとなっていると、聞きずてならないことを言われる。彼の顔をあらためて見つめ、ドキッとなった。
「洗ってあげる。隅々まで、ね」
 いつのまにか猛獣が忍び寄ってきていた。
「ウエディングドレス姿の和香を抱けるのなんて、一生に一度しかないから」
 きゅん。確かにそうだ。彼はこのさきウエディングドレス姿の花嫁をいくらでも抱ける。けれど私がタキシード姿の彼に抱かれるのも、『新妻』である私が抱かれるのも、一生で一度だけ。
「ねえ和香」
 耳元で囁かれ、体にゾクリとしたものが走る。……家族以外の男性に名前を呼ばれると腰にクるなんて、知らなかった。
「和香、お願いだ。宏輝って呼んで欲しい」
 甘美な、悪魔の誘いにも似た囁き。私は催眠術にかかったみたいに繰り返す。
「こう、き」
 夫の名前を呼ぶと感動するなんて、思ってもみなかった。この人と、私は今からセックスするんだ。
「和香も『期待してる』って顔している」
「言わないで」
 バレているのが恥ずかしくて、顔を背けた。
「ひあっ」
 首すじに熱く滑ったものがあてられたので、変な声が出た。舐められている!
「反応いいね。嬉しい」
 リップ音が何度も何度も耳元で聞こえる。そのたびにうなじのあちこちと耳の裏や付け根に刺激が生まれる。濡れて、熱くて柔らかいものの感覚に集中してしまう。つい、吐息と一緒に、変な声が出た。
「はぁん」
 くるりとうつ伏せにされた。
 コリコリと、彼の歯のエナメル質が私の耳の硬いところを噛む。痛くないので、これは甘噛みというのだろう。力が入らなくなっていた私は、枕に顔を伏せた。背中をいやらしく撫でられる。
「あっ」
 ビクビクと体が跳ねて、声が出てしまう。
 ジーッという音がして、背中が空気に触れた。ファスナーを探られていたんだ。プチプチという音がし始めたので、ビスチェのホックが外されたのを知る。胸が解放されたら、また背中を撫でられた。首の後ろに吸いつかれる。ぞくぞくするので、つい声を上げてしまう。
「んっ、うぅ……」
「首が性感帯? それとも背中かな」
 低く掠れた声が訊ねてきたけれど、いっぱいいっぱいな私は喘ぐような声しか出せない。
「わ、わかんない……」
「これから探していこう、たっぷりと時間があるからね」
 広げられたボディスの隙間から、手が忍び込んできて胸に触れる。
「ん……!」
 敏感な所を掠ったので、思わず声がでる。
「先端、尖ってる」
 そう、みたい。なんで触れられてもいないのに、勃ち上がってるの? 弄られたことでかえってどれくらい硬いのかわかってしまった。まるで木の実みたい。触られてまもないのに。
「和香も興奮してた?」
「……てことは、朝比奈君も?」
「もちろん」
 よかった。ほう……と、力を抜いた所で、じゅうううと吸われる音が背中でした。
「あ、ん」
 つい、背中をくねらせてしまう。
「奥様はわざとキスされたがっているし?」
「あ」
 しまった。
「さて、お仕置きのキスはどこにシようかな」
 楽しそうな声に疑問を呈す。
「あ、の。今のじゃないの?」
「違うかもしれないし、そうかもしれない。場所も回数も俺が決めるから」
「そんな……!」
 抗議しようとしたら、ちゅ、ちゅ、と背中にキスの雨が降ってきて、都度私は体をはねさせてしまう。
「ぁ……!」
「可愛い」
 吐息が当たり、跳ねた背中を舐められながら、前に回された腕で左の乳首を刺激され、右のふくらみを指で弄られる。腕で左の尖りをころころと転がされたり潰されたり。右は乳輪にゆっくり円を描かれ、指の腹で乳蕾を撫でられた。体に満ちていく甘い感覚に、恍惚となる。
「あんっ……」
 自分で触れたときにはそんなでもなかったのに、どうして今はこんなに気持ちいいの。胸の、別々の場所に与えられた刺激が、脳や脚の合間のいやらしい所にまで快感となって届く。気持ちよくて、つい胸を張り出してしまう。朝日奈く……、宏輝の腕や指がわかっているよと言いたげに、乳嘴により強い快感を与えてくれる。
 宏輝は右手でドレスの裾をまくりあげた。くるぶしから脛、膝の裏、太ももまでを、手のひらが何度も往復しながら撫であげてくる。花びらに触れられているような動きなのに、なんでもないはずの場所までゾクゾクする。
「あッ、ぁぁ……」
 どこもかしこも敏感になっていて、無意識に声が出る。
 彼の手が太腿の中ほどに到着した。ストッキングの縁からショーツの股際まで、素肌の部分がある。宏輝はそこをいやらしく撫でていく。
「ガーターベルトって最高にエロいよな」
 あなたこそ。
 『エッチのことなんて考えていません、ビジネスのことしか頭にありません』という風情のクールビューティが卑猥な言葉を口にすると、ギャップで艶かしさが倍増する。
「和香もそう思うだろ?」
 宏輝の声が背中に響いて、私はビクビク反応してしまう。
「もしかして、俺の声で感じてくれてる? 嬉しいな」
 明らかに反応を楽しんでいるとわかる声で囁かれる。彼のキスは徐々に下がっていき、お尻の山に到達した。右に左に、ちゅ、ちゅ、というリップ音が聞こえてくる。私は喘ぎながら抗議をする。
「……や、そんなとこ……キスしちゃだめ……」
 だからシャワーしたいって言ったのに。
「可愛いよ、和香のお尻」
「くっ、口つけながら、言わないでぇ」
 ちょうど、宏輝のキスが尾てい骨を掠めたので、私はビクビクとのたうってしまう。
「敏感すぎ。そんなんで、ここ触っちゃうとどうなるんだろうね?」
 お尻の割れ目をつーとなぞってきた彼の指に、ショーツのクロッチ部分をふに、と押される。
「あ!」
 ぱっと脚を閉じてしまうまで、自分から腰を持ち上げて、しどけなく脚を広げていることにも気づいていなかった。
「こら、意地悪しない。……濡れていたね」
 冷静に指摘されて、全身から火が吹き出してしまいそう。触られた瞬間、宏輝の指が摩擦なく滑っていくのを感じてしまい、自分が蜜をこぼしていることに気づいた。仕方ないよ、エッチなんて正真正銘、初めてだもの。淫らな自分が恥ずかしくて、心の中で言い訳した。
「和香の内腿、すべすべして気持ちいい」
 うっとりした声が本当に気持ちよさそうで安心する。それから、じわじわと嬉しさが勝っていく。
 しばらく、お尻の山にかわるがわるにキスされて、男の人の手が自分の脚の間にあるという異常事態に甘んじていたのだけど。
 ……あれ。
 私がびっちりと閉めた太腿の間で、彼の一番長い指の爪先がやっと、敏感な所に届くくらい。脚のあいまの谷間は感じたくて準備し始めている。なのに、こしょこしょと動かれるだけ。これでは、内腿にいたずらな感覚だけ生まれるだけだ。……足りない。彼の手を挟んでいる脚をもじもじさせてしまう。すると、意地悪な声で訊ねられた。
「俺は和香の内腿の感触が気持ちよくていいんだけど。……自由に動けないから届かなくて、和香は物足りないんじゃないのか?」
 図星だった。恥ずかしくて枕を頭にかぶせる。すると尾てい骨に唇をつけたまま囁かれる。
「和香」
 とたんに跳ねてしまった。……こんなところが弱いんだと。彼にもバレたし、自分も認識させられる。
「観念して脚を広げてごらん、気持ちよくしてあげるよ」
 こくり。私の喉が鳴った。確かに、このまま生殺しは辛い。誘惑に負けた私はおずおずと、脚に込めていた力を抜いていく。
「いい子」
 同い年なのに。一瞬、悔しさがよぎり、朦朧としかけていた脳がしゃんとなる。枕から顔を出して、後ろを振り返り宏輝を睨みつける。
「子供扱い、しないで」
 いっぱいいっぱいだけど抗議してみた、のに。耳に侵入してきたのは、罠に小動物がかかるのを待っていた、肉食獣の声だった。
「しなくていいんだな?」
 舌なめずりをされてしまう。獰猛なまでに色っぽくて見惚れてしまったら、彼の唇が再び動いた。
「言質をとった」
 わ、私。早まった? お尻をぐいと抱き起こされて、四つん這いのような格好をさせられてしまう。
「さっきも言ったけど。今日は寝かさないよ」
 言葉とともに、ショーツのきわを舌がなぞっていく。
「ひん……」
 欲しい所じゃないのに。触れられた所から、じん……とヨくなってしまう。
「困ったな」
 カリ、とお尻を齧られた感覚とともに、ちっとも困ってなさそうな声が耳に入ってくる。
「和香が欲しくてたまらないのに。君をもっと焦らしてやりたい」
 クロッチの上から温かいものが押しつけられた。ぐにぐにされているうちに、ショーツ越しという感覚が薄れていく。湿っていて、軟体なのに意思があるように動く、モノ。ジンジンしていた秘処に与えられた快感に流されまいと、一生懸命考えて、思い至る。
「ん!」
 宏輝の舌に舐められている! だめだよ、朝にシャワー浴びてから十時間以上経ってるのに!
「……や、そんな処を舐めちゃだめぇ……」
 必死というには弱々しすぎる声で抵抗してみる。好きな人に汚いところを見られたくない! ……じゃなくて、単に汚いから! 羞恥心のおかげで快楽に専念できない。
「和香はそればっかりだ」
 ため息が、脚の割れ目に吹きかけられる。
「ぁん……!」
 力が入らなくて、上半身をベッドに投げ出してしまった。けれど、腰はがっちりと彼に掴まれていて、シーツにおろせない。私、すごくいやらしい姿勢だ。
「でもね、和香の体のどこを舐めても触ってもいいんだ。俺は君の夫だから」
 意地悪い声とともに、とうとう舌がクロッチのきわから入り込んできて、直接割れ目をなぞられた。
「きゃんっ」
 気持ちいい。一人エッチしたこともあるけれど、全然違う。宏輝の舌はタッチこそ柔らかい。でも、私のイイ処なんて知らないのに、グイグイと来る。……わずか手のひらに満たない場所なのに、どこを触れられるか予測がつかない。なのに、どうして。どこを触れられてもヨくなってしまうんだろう。
「ふぁ……ん」
 気持ちイイ、が溜まっていく。
「とりあえず、イッておこうか」
「あ。ぁ。あ……」
 初めての秘処への口淫に、私は蕩けていくしかない。
 一方で。なんで私、朝比奈君に抱かれているの? いまさらなことを考えてしまう。
「愛しているよ、俺の奥様」
 その言葉とともに、宏輝の猛攻が始まって。
 
 ……どんどん体をあばかれながら、私は彼と再会してからのことを思い出していた。

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