一夜限りのつもりが、極上専務に淫らな本能剥き出しで捕らわれました

書籍情報

一夜限りのつもりが、極上専務に淫らな本能剥き出しで捕らわれました


著者:北条歩来
イラスト:園見亜季
発売日:2023年 2月9日
定価:630円+税

専務秘書として日々真面目に働く鈴森美央は、実は生粋の手フェチである。
上司かつ専務取締役でもある藤堂礼人の手を日々拝んでは、仕事の糧にしているのだった……!?
だが、彼女の想いは藤堂の手だけに向けられているわけではなく、彼の仕事ぶりや人格に尊敬と憧憬、そして恋心までも生まれていた。
そんなある日のこと、藤堂からお見合いをする予定があると伝えられる美央。
想いを伝えることなく失恋してしまった彼女だったが、縁談の前日、遂に告白することを決意。
だが、藤堂から返ってきたのはお見合い話が架空だったという話で――!?
美央の想いを受け、彼女に隣にいてほしいと伝えた藤堂の言葉に、美央は都合のいい恋人役を任されたとばかりに思っているが――?
それでも、藤堂のものになりたい。そう願う彼女の手を取る藤堂。
「そんなに美味しそうにして……俺の指が気に入った?」
大好きな彼の手に、指に、乱れ愛されていく――。



【人物紹介】

鈴森美央(すずもり みお)
大手アパレルメーカーで専務秘書として勤務する28歳。
温厚で几帳面でありながら、時々大胆な一面も見せる。
実は手フェチで、礼人の手が世界一美しいと思っている偏愛者で――?

藤堂礼人(とうどう あやと)
33歳の若さで専務取締役になった実力者。美央の上司。
基本的に仕事最優先で恋愛は二の次。
だが、美央のことについては何かと気にかける一途さを持ち合わせている。
美央には嫉妬や独占欲をむき出しにすることも。

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【試し読み】

 いつのまにかこちらに来ていた藤堂が、不意に後ろから抱きしめてきた。一五九センチの美央をすっぽりと包み込む彼の背丈に圧倒されている間に、手にしていたタッパーがそっと抜き取られ、冷蔵庫に戻された。手の甲を指先で撫でられて、ゾクゾクと湧き上がってくる快感に、美央は肩をかすかに持ち上げる。
「空腹を満たすなら、食事より君がいい」
 静かで気品のある藤堂のストレートな言葉に鼓動が跳ねる。
「こういうデザイン、上品で好みだ」
「んっ……そう、なんです、ね……」
 フレンチネイルにした爪まで触れられると、電流のような甘い痺れが、下腹の奥まで疼かせる。
「君の持つ雰囲気も、毎朝出迎えてくれる笑顔もずっと前から好みだった」
「んんっ!」
 藤堂の声が近くなったかと思うと、耳朶が甘噛みされた。思わず声を漏らした美央は、両手を冷蔵庫のドアに突いて、不意の快感に耐える。
「念のために訊くけど、恋人はいないよね?」
「はい……おりません」
「そうだよな。たとえいるとしても、ほかの男を部屋に上げるようなことはしないとわかってる。君はとても真面目な人だから」
「あのっ、耳元でお話になるのは」
「耳が弱いの?」
 素直に頷くと、ふっと彼が笑ったような吐息がかかった。包容力を感じる低い声色は、なぜか従順にさせられる不思議な魅力がある。
「君のことがひとつ知れて嬉しいよ。優秀で上品で人当たりもいい俺の自慢の秘書は、本当は少し触れただけで感じてしまう、かわいいところがあるんだね」
 指先で耳の縁をなぞられて、肩を竦める。じわじわと迫るような粟立つ感覚に理性が乱されていく。
 ブラウスのボウタイリボンが解かれ、一番上のボタンだけ外された。鏡面のような黒い冷蔵庫のドアに美央が映る。
「専務、ここではちょっと……」
 ゆっくりと反転させられ、藤堂と向き合う。
 ここではというよりも、この状況に恋心が追いつきそうもないのだ。今まで散々妄想もしてきたし、淫らな行為を想像したこともある。今夜は自分から抱かれたいと言ったが、そんな覚悟などできていない。
 だが、藤堂は躊躇なくブラウスの裾を引き抜いて、左手を入れてきた。
「お望みはベッド? それともソファ?」
 やんわりとウエストのあたりを撫でた手で、ぐっと引き寄せられた。美央は動揺を隠せずに彼を見上げる。
「あぁ、一緒にシャワーを浴びながらでもいいね。どう?」
 妖艶な微笑みを見せながらネクタイを緩める藤堂が、手早くYシャツのボタンを二つ外す。色気のある彼の手の動きを見ているだけで、高鳴る鼓動も抑えきれない。
 美央が知る限りでは、藤堂にサディスティックさを感じたことはなかった。いたずらに耳元で囁き、肌を撫で、セックスのシチュエーションを言わせようとする姿は、妖艶というだけでは足りない。唇を舌先で濡らし、美央の返事を待っている。
(専務はどんなキスをするんだろう……)
 藤堂のすべてから視線が逸らせなくなった。
「さっきからなにを考えている?」
 クイ、と顎を指先で持ち上げられ、至近距離で妖しく光る藤堂の瞳に囚われた。
「……専務のことを」
「嬉しいね」
「専務は、どんな関係を望んでいるんですか?」
「恋人らしく、隠し事のない関係。君は?」
 そう言われると逆らえない。恋人なんて言葉にされたら、本気にしてしまいそうだ。
 今後いつまで続くともわからない曖昧な関係に、身体を結ぶ必要はないのかもしれない。もしかしたら、彼に愛してもらえるのは今夜限りなのではないだろうか。どんな関係を望んでいるかと訊かれても、彼が望む関係ではないことはたしかだ。それならもう、欲のままに彼を求めてしまいたい。
「美央?」
 黙ってしまった美央の顔を覗き込むような、彼の瞳と対峙した。
「……私も、専務を知りたいです」
「それから?」
「……専務に乱されたい、です」
「っ!」
 藤堂は一瞬驚いたように目を見開いたが、すぐに口角を持ち上げて余裕たっぷりに微笑み返してくる。
「今夜は君を深く知れそうだ」
 藤堂の端正な顔が迫ってくる。鼻先が当たる前に美央は目を閉じ、その時を待つ。
 しっとりした柔らかな感触が、一度だけ重なった。
「唇、柔らかいね。思っていた以上に好み」
 どんなことでもいい。彼に好かれていたい。藤堂を想う気持ちは本物だ。
「ん、は……ぁ」
 上と下を交互に食まれた唇から吐息が漏れた。
 想い続けた藤堂とのキスに、想いが心から溢れ出す。
(……好き……大好き。専務に愛されたい)
 秒を追うごとに染められる身体が火照ってきた。
 キスの合間にYシャツのボタンを腹のあたりまで外していた藤堂が、おもむろに美央の手を導く。
 自分よりも高い体温。女性とは異なる筋肉の厚み。彼の肌を知った指先が悦びに震える。
「……抱きついてもいいですか?」
「もちろん。おいで」
 彼の背中に両手を回してみる。すると、隙間なく抱きしめられて、呼吸まで奪うように唇が重ねられた。
 つま先立ちで必死に応えれば、彼も夢中で唇を食んでくる。
 猛烈なキスの雨に打たれて、早くも腰が砕けそうだ。唇を重ねただけなのに、身体の奥が疼いてたまらない。
 しばらくしてようやく解放されたものの、美央は抱きついたまま彼の胸元にくったりと顔を埋めた。乱された呼吸を整えようと息を吸えば、香水と彼の匂いが鼻孔を満たし、深く吸って自ら溺れていく。
「そんなに俺の匂いはいい?」
「はい……とっても」
「そう。では、気が済むまでどうぞ」
 包容力を感じる藤堂の匂いと、ウッディでセクシーな香水が合わさると、恋心を擽られるような、むずむずした気分になる。まるで、もっと好きになれと言われているよう。
 美央がそうしている間も、藤堂の手はブラウスの下でゆっくりと味わうように弄(まさぐ)ってくる。身体に火を点けられていくじれったさに身を捩ろうとしても、しっかりと抱きしめられていてほとんど自由はない。
「あ、んっ……」
 首筋にキスを落とされて甘く啼いてしまった。小さく笑ったような吐息が肌にかかって、また声が漏れる。
「かわいい声。キスは好き?」
「……はい」
「そう。俺も好きだよ」
 素直に答えれば、すかさず唇が重ねられた。薄く目を開けると長い睫毛で飾られた彼の瞳に捕らえられる。その柔和な微笑みと好きの二文字が子宮のあたりまで熱くさせ、隘路がにわかに疼いた。
 ちゅ、ちゅ、とキスの音が部屋に響き渡っている。美央の反応をうかがう上品なくちづけは、彼の余裕が現れているようだ。そのうちに息が上がって、美央は半端に唇を開いた。
 すかさず入ってきた熱い舌で、咥内が支配されていく。唾液を纏った舌を絡めてみると、気まぐれにきつく吸われて、脳天まで痺れるような快感に襲われた。
「ん、ふ……ぁ」
 キスをやめた藤堂が人差し指を咥内に挿し入れてきた。驚きと喜びが綯い交ぜになりながらも、魅惑的な指の動きに恍惚とし、ディープキスの要領で絡めてみせる。
(専務の指……もっと欲しい)
 本音はもっと淫らに、唇を窄めて吸いついてみたいが、そんなことをしたら引かれてしまうかもしれない。彼にだけは、偏愛のせいで嫌われたくない。
「そんなに美味しそうにして……俺の指が気に入った?」
「ん……」
 気に入ったどころか世界一だ。否定もせず小さく肯定して、舌を絡める。
 もしかしたら、手への執着に気づかれたかもしれない。
(専務は恋愛も百戦錬磨だろうけど……私みたいな人はいなかったかもしれない。手が好きだなんて、変だと思われそう)
 咥内を蹂躙されると少し苦しい。頬の内側や歯列、舌の裏側までなぞられるうちに潤んだ瞳で藤堂を見つめる。妖艶な笑みを浮かべた彼は、満足そうに指を引き抜いた。
「どこでなら抱かせてくれるの?」
 美央は淡い快感に溺れそうになりながら、藤堂に抱きつく。
「どこでもいいです。専務のものになれるなら……」
「そう」
 スーツのスカートが捲り上げられ、ストッキングの中に両手が入ってきた。臀部を揉みしだかれて、ショーツの中が濡れてきていることに気づく。
 過去にはひとりだけだが、セックスの経験はある。しかし、こんなイレギュラーな前戯はなかった。美央の知る行為は、少しキスをして服を脱がされて、胸に触れられて、適当なタイミングで挿入に至る、マニュアル通りの行為だった。
 しかし、藤堂の行為は違う。はだけてはいるものの、まだ脱がされてもいなければ、ベッドの上にさえいない。藤堂の肌に触れ、夢中でキスをして、匂いを楽しむことを許され、指をしゃぶらされて、見つめ合っただけだ。
(それだけで、もうこんなに……)
 藤堂を求めるばかりに陰部からは愛液が溢れ出している。
「……どこでもいいなら、俺の好きにする」
 こくんと頷いて答えるなり、手早くブラウスのボタンがすべて外された。
「あまり見ないでください……。恥ずかしいです」
 濃紫のレースで飾られたブラジャーが白肌に映える。両腕で胸元を隠す美央の隙をつくようにスカートが下ろされ、ストッキングまで脱がされて、あっという間にランジェリー姿になってしまった。
 ちらりと視線だけを戻せば、変わらずに観察するような藤堂と目が合った。許されるなら今すぐ暗くして、布団の中に逃げ込んでしまいたい。
「美央は誰のものになるの?」
 まっすぐに見つめられながら名前を呼ばれて、子宮の奥がぎゅっと締まるような感覚がした。
「専務です」
「だったら、すべてを見せてほしい」
 ブラジャーのホックが外されてカップが泳ぐ。躊躇いながらも隠していた両手を離すと、肩紐が滑り落ちた。
 あらわになった白くまろい乳房と勃ってしまった小さな粒に彼の視線を感じ、恥じらうほかない。
「綺麗だ……」
 感嘆した様子で呟く藤堂もベストを脱ぎ、ネクタイとYシャツを床に放った。
 鍛えられた腕には血管や筋が浮き、その体躯には無駄がない。長身の彼にこれ以上似合う体型はないだろう。
「あっ、んっ……はぁ、んんっ」
 下から掬い上げるように乳房を揉まれると、愛液がまたショーツを濡らす。
 藤堂の大きな手に包まれ、乳首がさらに硬く主張を始めた。思わず彼の肩を掴んで快感に抗う。
 すると、不意に横抱きにされた。
「きゃっ!」
 素肌と触れ合うのは心地いいが、美央は彼の上で抵抗を試みる。
「重いので、自分で歩きます」
「これのどこが重いの? 俺の筋力を舐められても困るな」
 片眉をキュッと上げて余裕の笑みを浮かべる彼は、言葉通りに悠々と室内を歩いていく。
「そんなつもりは」
「いいから、ちゃんと掴まって。キスしたくらいで感じちゃうようなかわいい子は、素直に甘えていなさい」
 具体的な身体の反応を指摘され、美央の肌がみるみるうちに紅潮する。自覚はなかったが、たしかに乳首はくっきりと勃ち、秘所はしとどに濡れていた。
 おとなしく彼の首に両手を回す。いわゆるお姫様抱っこは初体験だ。現実にこんなことをする男性はいないと思っていたので、自然にやってのける藤堂にキュンとさせられる。
 リビング横の寝室へと入っていく間も、端正な藤堂の顔立ちに釘付けだ。そっとベッドに横たえられるなり、藤堂が上になった。
「今夜は俺にすべてを見せて」
「……はい」
 美央はまっすぐな瞳で答えた。
 どんな関係だろうと、今夜は彼に抱かれると決めたのだ。忘れられない切ない夜になろうとも、愛しい憧れの人と一夜をともにした思い出は色あせないだろう。
 いつか藤堂に生涯を誓う相手が現れて、美央が不要になる時が来たとしても。
 後ろで髪をまとめていたシュシュが外された。彼がゆっくりと覆いかぶさり、枕に流れる美央の黒髪を指に絡める。
「あ、んっ」
 首筋に顔を埋めた彼の吐息が擽ったい。
「甘い匂いがするね。香水?」
「つけてない、ですっ……」
「じゃあ美央の匂いか。覚えておかないとな」
 耳元の美声に肌が粟立つ。弱いと知っていてそうするのは、彼の意地悪なところなのだろう。
「んっ、やぁ……」
 ぷっくりと勃った乳首にまで鼻先を寄せ、匂いを嗅ぎながら、藤堂が妖艶に微笑んだ。
 どんなに恥じらっても、彼は止めるそぶりはない。それどころかますますエスカレートしていく。
「乳首、舐めていい?」
 許可を求めるも、美央の同意を得る間もなく右をきつく吸われた。
「あぁっ!」
 熱い舌で転がされる様子をわざと見せつけられたら、また愛液で陰部がとろみを帯び、美央の腰がわずかに跳ねる。
「専務、だめっ……あ、やっ、んんぁっ」
 だめと言いながらも、藤堂の好きにされてもいいと思ってしまう。そんな美央の心を見透かしたように、彼は目を細めて蠱惑的な笑みを見せた。
「今夜はたくさん愛しあおう。俺のことも美央でいっぱいにして」
 やはり今夜限りなのだろう。だからこそ精一杯彼も尽くそうとしているのだ。
(思う存分愛して、専務の気が済むまで求められたい――)
 明日になれば、手を繋ぐことさえできなくなるかもしれない。どんなに憧れて愛していようとも、彼にとっては秘書でしかないのだから。
「あっん、あっ……!」
 丁寧に乳房が愛撫される間、美央は藤堂の手に触れた。今夜限りなら愛してやまない彼の手に一秒でも長く触れていたい。
「また俺の指を食べたくなった?」
「……はい」
 肯定するや否や、美央の口元に左手が差し出された。
「……あ、んぅ。専務……好きっ」
 先ほどまで乳首を嬲っていた人差し指に舌を這わせ、指の股も舐めて、中指も薬指も丁寧に愛でる。
(こんなに綺麗な手なのに、私の好きにさせられてるなんて……)
 藤堂の手指を愛でていると、自分の身体がどんどん淫らになっていく。ずっと秘めてきた偏愛が止まらない。舐めている顔をじっと見つめられると、背徳感でますます彼を求めてしまう。
「っ、んっ、あ、あぁ」
 すると、藤堂がショーツの横から指を忍ばせ、陰部を撫でてきた。グチュンといやらしい粘着質な音を立てて、美央の秘密が暴かれていく。
「もうこんなに濡らしてたのか。ここも硬くして……」
「んんっ!」
 指先が欲望に満ちた淫粒を掠める。それだけで隘路がきつく締まり、子宮のあたりが熱を持つ。内腿を震わせる美央の反応に、藤堂は妖艶な目元を細めた。
 幾度も胸を撃ち抜かれてきた表情は、美央をさらに快楽の淵へと追い詰めるよう。これから先、またこの好きな顔を見たら、今夜のことを思い出すのだろう。彼の愛撫の記憶をたどり、切なくひとりで行為に耽るのだ。
「んっ、んあっ……やっ、ああっ!」
「悦さそうだね」
 彼の五本の指すべてで秘所が撫でられて、言い表せない快感に甘えた声ばかりが漏れる。秘裂から淫粒まで満遍なく、手のひらも使った大胆な手技にますます愛液が溢れ、彼の手を濡らす。
 するりとショーツも脱がされて、一糸纏わぬ姿にさせられた。恥ずかしさのあまり両膝を合わせようとするも、藤堂が身体を入れて阻んでくる。
「やっ、……見ないでっ、あ、んんっ」
 陰唇まで広げられ、美しい指が秘裂の浅いところで蜜を纏う。くちゅくちゅと音を立てる蜜壺が藤堂の瞳に晒され、美央は喘ぎながら顔を背けた。
 しかし、藤堂の指が咥内に挿し入れられる。
「舐めて」
 言われるままに美央は舌先を伸ばして指の腹を舐め、中指と薬指を口に含んだ。唾液を纏わせて吸いつけば、彼の指の形が感じられる。
「ん、やっ……あっ」
 彼の手を堪能していると、膣口にも藤堂の指が挿入された。ゆっくりと挿ってくる長い指は、容易に隘路の深いところまで届いてしまった。藤堂の指の感触を肉襞で感じて、締め付けが強くなる。
「っ、奥っ……やぁぁ!」
「奥が好き? これは?」
「あっ……んっあぁっ」
 右の肉襞を撫で回されると、咥内も右を探られ、親指で淫粒が押し潰されると、舌を指で挟み込まれる。
「喘いでないで、俺の指もしゃぶって」
 咥内でピストンされる指を、唇も使ってしゃぶる。すると、同じリズムで抽挿される隘路がさらに濡れていく。
(専務がこんなエッチだったなんて……)
 勤務中の紳士的な佇まいとは打って変わって、欲望をぶつけるかのようなサディスティックさに美央はますます心奪われた。
「んぅ、……んんっ!」
 上顎の一点をなぞられて、背筋をせり上がる快感に襲われる。すっかり涙目になった美央を、藤堂は嬉しそうに眺めながら、隘路の天井の弱点を攻め立てた。
「やっ……そこ、だめっ、あっ」
 舐めていた彼の手を握って、初めて感じる快感に抗う。このまま流されるのが怖くなるような感覚に、喘ぎながらも潤んだ瞳で藤堂を見つめた。
「専務、やだっ、だめっ」
 だが、どんなに懇願しても彼の愛撫は止まらない。両手で彼の手を押さえても、執拗にその一点を嬲ってくる。次第に水音が漏れ聞こえてきて、羞恥に全身が紅潮する。
「あっ、ひぁ……あぁんっ!!」

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