地味な治癒係の私が、淫魔の呪い!?で堅物騎士様に熱烈求愛されています!

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地味な治癒係の私が、淫魔の呪い!?で堅物騎士様に熱烈求愛されています!


著者:星見うさぎ
イラスト:鈴ノ助
発売日:2023年 1月26日
定価:620円+税

王宮治癒士のマリシュカは、罪人の護送任務を請け負った騎士団と一緒に森に入っていた。
だが、強い魔物が出現し、騎士団は総出でそちらへと向かうことに。
一人、騎士団の帰りを待っていたマリシュカは啜り泣く声につられ森の奥へと呼ばれる。
そこにいた美女の悩みを聞いていたのだが、実は淫魔だった彼女に呪いをかけられてしまい――!?
その場から逃げ出したマリシュカの前にゼルモ・ウィリンガム副騎士団長が現れる。
超絶女嫌いで笑わない氷の堅物副騎士団長様と言われる彼だが、マリシュカに触れると明らかに様子がおかしくなり……?
「……君は意外と柔らかいな。それにいい匂いがする」
やけに熱っぽい眼差しを受けながら、マリシュカはゼルモにキスをされて――!?

【人物紹介】

マリシュカ・マクニール
王宮に所属する治癒士。
真面目で素直だが自己肯定感が低い。
森の奥で淫魔の呪いをかけられてしまい――!?

ゼルモ・ウィリンガム
騎士団の副団長。
非常に真面目な性格をしている。
「超絶女嫌いで笑わない氷の堅物副騎士団長様」と言われているが……?

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【試し読み】

「は、……マリシュカ」
「え、え、ゼルモ様?」
 吐息交じりに名前を呼ばれ戸惑う。
 ゼルモ様の様子がなんだかおかしい。
 そういえば、密着している体も熱い気がする。
 ちょ、ちょっと待って、まさか……。
「マリシュカ」
 もう一度呼ばれるものの、今顔を上げてはまずい気がする。そう思い無視しようとしていたけれど、不意に顎の先を摘ままれ、上を向かされた。
 そして気が付いた時には頬にゼルモ様の唇が触れていた。
「ひええええ!」
 これは! また理性ぶっ飛んでますよね!? なんで!?
「君は甘い匂いがするな……」
「気のせいですううう!」
 森での時と同じように、首元に顔を埋められ、悲鳴のような声で叫ぶ。
 あの時はラシード団長が来てくれたからなんとかなった。だけど、今この場所はゼルモ様の自室であり、今は職務も終わっている時間だ。
 よほどのことがなければ騎士としての呼び出しもなく、誰も来ないに違いない。
 ということは……絶体絶命だと言うことである。
「マリシュカ……俺に触れられるのは嫌か?」
「くっ」
 そりゃ嫌です! と叫んでしまいたかったけれど、ためらってしまう。
 なぜならば、ゼルモ様の様子がおかしいのは呪いのせいであり、つまり私のせいなのだから。
 おまけに質の悪いことに、こうして正気じゃない間の振る舞いのこともゼルモ様は忘れずに記憶にとどめているということが分かっている。
 さらにいえば、森でのことを考えると、私が拒絶したからと言って理性の飛んでいるゼルモ様がやめてくれるとは限らない。
 つまり、私が拒絶したうえでゼルモ様が卑猥な触れ合いを続けた場合、正気に戻った時にゼルモ様は恐らく、死ぬほど自分を責めることがとても容易に想像できてしまうわけで……!
(それは絶対にダメ!)
 尊敬するゼルモ様に、そのような感情を抱かせるなど自分で自分を許せそうにない……!
 働かない頭で必死に考えて考えて……腹をくくった。
 もとより覚悟を決めていたはずでしょう、マリシュカ・マクニール!
 心の中で自分を鼓舞した私は、私を抱きすくめるゼルモ様の背中にそっと腕を回した。
「い、嫌じゃ、ありません……! むしろ、そう、とってもとっても、嬉しいなぁ……!」
 うう、とんでもない棒読みになってしまったわ……!
 これではさすがに本音じゃないとバレてしまったかもしれない。
 そんな私の葛藤をよそに、ゼルモ様はホッと安堵の息をついた。
「よかった。君に拒絶されたら死にたくなるところだった」
 くっそー! 甘い言葉と見せかけてちょっと不穏!
 その『死にたくなる』がどこまでにかかっている気持ちなのかが分からない。
 こんな風にして私に触れて、我に返った時に逆に死にたくならない? 大丈夫?
 とはいえ、今この状況でこれ以上の正解が見つからない。
 と、とりあえずはゼルモ様が嬉しそうにしているからこれでいいかな……? まあ嬉しそうにしていること自体が呪いのせいなんだろうけど……。
 ゼルモ様には申し訳ないけれど、私に触れたことにたいするショックはなんとか飲み込んでほしい。これは事故ってことで!
 ふいに、ゼルモ様の手が私の腰をするりと撫でた。突然の感覚に背中がぞくぞくして思わず体が震える。
 もうこうなったら、どれだけ考えてもゼルモ様の気持ちの動きは私などには分からないのだから……私は深く考えることをやめた。
 そう、呪いのせいでゼルモ様の行動がどんなにおかしなものだとしても、せめてゼルモ様が嫌がる私を無理に触ったなどと決して責任を感じないように……罪悪感を抱かないように……呪いのせいで私達の間に起きることは、むしろ私にとってはとんでもなくラッキーで役得なのだと振る舞うのだ。
 そこまで考えて、それは案外、とても簡単なことじゃないだろうかと気付いてしまった。
 だってこうして触れられることに、罪悪感と戸惑いは覚えても、実際のところ、言い聞かせるまでもなく、嫌だという気持ちは一切分かないのだから。
 そのことに思い当り、一気に心臓がはねた。
(私……まさか、本当に嬉しいと感じている……?)
 カッと頭に血がのぼる。
「マリシュカ? 恥ずかしいのか? 顔が赤いな」
「い、言わないでくださいぃ……!」
 しかもとんでもなく声が甘い気がするんですけど!?
 恥ずかしさのあまり両手で顔を隠したけれど、その手を片方ゼルモ様にとられ、はがされる。びくりと震えてしまいながら、思わず見たゼルモ様の顔は、まるで蕩けるような崩れた表情になっていて。
 な、なにそれ! その顔! まるで本当に私のことが好きかのようじゃないの!
 呪い怖い。恐るべし。
 震えあがる気持ちも、ゼルモ様の手がさらに強く私を抱き寄せることですぐに考える余裕がなくなっていく。
 私、多分全身が心臓になってしまったかのごとくバクバクしているんだけれど、絶対ゼルモ様にも伝わっているよね……!?
 身を固めていたら、腰に触れていたゼルモ様の手が服の上を移動して、私の胸のふくらみをそっと包み込むように触れた。
(ひっ!)
 あ、あれー!? 抱きしめられた時から思っていたけど、疲労回復には握手だけでも効果があるんだよね……!?
 戸惑いながらも、そういえば部屋に入った時、思った以上に顔色が悪かった気もするな……と思い出す。
 ゼルモ様は騎士で、おまけに副団長。お仕事は当然大忙しだし、自分の訓練以外にも部下の騎士様の指導だったリ、逆にラシード団長のサポートなんかもしなくちゃいけないわけで。
 魔石の疲労回復効果が使えなくなった今、つまりはとんでもなくお疲れあそばしている……!?
 なるほど、だからしょっぱなからスキンシップが激しかったのかあ……!
 現実逃避にあれこれと考え続けていたけれど、ゼルモ様の手がやわやわと私の膨らみを揉み始めたことで一気に頭の中が緊張と混乱でいっぱいになる。
「っふ……!」
 やだあああ恥ずかしいいいい!
 こんな声が自分の口から出る日が来るとは!
 こんなの、私のことをカレンさんと比べて揶揄うばかり騎士様なら絶対に「マクニールのくせに(笑)」と馬鹿にすることだろう。
 だけれど、ゼルモ様はどこか熱い吐息を零しながら、うっとりと耳元で囁いた。
「マリシュカ、なんて可愛い声を出すんだ」
「っひいい……」
 触られた瞬間に堪えた悲鳴がついに漏れてしまった。
 だけど仕方ないよね!? こんなの初めてだし、想定外だしっ!
 ゼルモ様、本当にほんとーっに、呪いが解けた後に死にたくなったりしないだろうか!?
 そんなことを考えている間にも、ゼルモ様の大きくて熱い手は私の胸を触り続けている。
 森でも危うかったとはいえ、ここまで大胆に触られることは初めてで。羞恥にどうすればいいか分からないでいるうちに、その指が仕事着にしているワンピースの布越しにひっかけるようにして下着をずらし、そのまま指先がいつの間にかピンと張り詰めていた先端を掻くように触れた。
「あぁっ、ん……!」
 一瞬体の中心に電流が走るかのようにびりびりとした刺激を感じる。たまらずゼルモ様の腕に縋りつくと、その腕は私を支えるようにして抱え込んだ。
「マリシュカ、力が抜けたのか?」
「うう……!」
 確かに足ががくがくしていて力があまり入らない。恥ずかしすぎて顔を上げられないでいると、ゼルモ様はそのままの体勢で楽々と私を少し抱え上げ、移動し始めた。
 なに? と思った次の瞬間には、ゼルモ様はソファに座り、私はそんな彼の膝の上に座っていた。
「ゼ、ゼルモ様っ、この体勢はちょっと……!」
「嫌か?」
 私を覗き込む目が潤んでいるように見える。
 こんなのずるい! これで嫌だと言えるのは難なく男を振り回すことができようなとびきりの美女くらいですよ!
「い、嫌じゃありません」
 そう言うしかないじゃないの!
 そんな私の内心を知らないゼルモ様は、私を膝の上にのせたままぎゅっと抱きしめ、ハアッと息を吐く。まるで私の胸に顔を埋めるような体勢になった。
「ひゃあ……」
 胸元に熱くてぬめった感触を感じて思わず声を上げた。
 あれ!? いつのまにかワンピースの胸元のボタン外されてる!?
 慌てて視線を落とした私の目に飛び込んできたのは、大きく開かれた胸元と、なんとそこに舌を這わせているゼルモ様の姿だった。
 嘘でしょ!?
「まっ、待って……ひいっ」
 咄嗟に仰け反ろうとしたけれど、ゼルモ様の右手ががっちりと私の腰を掴んでいて、ほんの少しも距離を取れない!
 おまけに左手が私の胸を下から掬い上げるように揉み、そのついでとばかりにさらに胸元を大きく広げ、なんとなく下着も少しずつ引きおろしていっているような……。
 ダメだ。受け入れる覚悟はできた、と思ったけれど、これはキャパオーバーです……!
 とにかく一旦、一旦落ち着きたい!
 そう思っていやいやと腰をひねって逃れようとして──その動きで、自分のお尻がなにやら固いものをゴリッと擦りつけてしまった。
 おまけにその私の動きに合わせて、ゼルモ様が小さく呻いたのも聞こえてしまった。
 これはまさか……!?
 あ、ああ、ああああ!
 そのまさかですね! この部分はどう考えてもゼルモ様の股間部分で。
 つまりこれは、ゼルモ様の昂り……!
 気づいてしまえば、もう動けない。
「はあ……マリシュカ、意外と積極的だな……」
 ぎゃああ、誤解、誤解です! そんなつもりじゃなかったんです! その証拠に今私全く動いてませんよね!?
 あまりの恥ずかしさに泣きそうになりながら、そうではないのだと分かってほしくてゼルモ様と目を合わせる。
 それが全くの逆効果だとは気づかずに。
 アイスブルーの瞳と目が合って、息をのんだ。
 いつもの冷たい眼差しはどこにいったのか? と探したくなってしまう程に熱く潤んだ瞳の中に、私が映っている。
 呆けて、情けない顔をした私の顔が……。
「マリシュカ、やはり君は可愛いな」
「そ、そんなわけっ……ああっ」
 どう見ても間抜け面なのに、ゼルモ様は心底そう思っているかのように耳元に顔を寄せると囁いて、そのまま私の耳朶を食むように咥える。当然ながらそんなことをされたのは初めてで、くすぐったいのかなんなのか分からない感覚に震えた。
 そんな私の反応に気を良くしたのか、ゼルモ様はさらに私の耳の中に舌を伸ばし、無遠慮に舐めまわしてくる。ぴちゃぴちゃと鼓膜に直接響いているのを我慢しているうちに、下腹の奥の方がなんだかじんわり熱くなってきた。
「んっ、ゼルモ様、も、やめ……あぁっ」
 荒い息を吐いたゼルモ様は、さっき寛げた私のワンピースの胸元を下着ごとグイっと力ずくで引き下ろすと、まろびでた私の胸に吸い付いた。
 ちりっとそこに痛みが走り、思わず見るとゼルモ様の唇が離れたそこに赤い痕が残っている。
 こ、これはいわゆるキスマークでは……!?
 動揺する間もなく、今度はゼルモ様の厚い手がスカートの中に伸びてくる。太ももをひと撫でした熱い手のひらはそのまま遠慮もせずに奥へ進み、あっという間に下着の隙間から指を差し入れた。
「きゃあ、あ、あ……ゼルモ様っ」
 初めての強い快感に思わずゼルモ様の首に縋りつくように抱き着く。
「ああ、マリシュカ、ここが濡れている」
「ひっ」
 ゼルモ様は嬉しそうに囁いて、今まで誰にも触られたことのない秘所を指でぬるぬると繰り返し撫でる。その動きに合わせるように、奥の方からとろりと蜜が溢れてくるのが自分でも分かって。
「あっ、あ、や……」
「ここを撫でていると溢れてくるな」
「ひゃん! あぁっ……」
 ぬちゅ、と撫で上げた指がそのまま通りすぎて陰核に触れた瞬間、下腹部が甘く疼き思わず声が跳ねる。
 それが恥ずかしくて口を覆うと、ゼルモ様が嬉しそうにとろりと笑った。
「そうか、ここが気持ち良いんだな」
「や……待って、あ、あぁっ!」
 とんとんと指の腹で優しくタッチされ、声が止められない。そのままくにっと押したり優しくつぶすような動きを繰り返して与えられる快感に翻弄されていると、ゼルモ様はぬぷりと徐に指を挿し入れてきた。
「マリシュカ、可愛いな。君も、ここも。すごく吸い付いてくる」
「そ、そんなことっ……んああっ」
 味わうようにぬちぬちと指が動く。ゆっくりとそれを出し入れされて、抵抗も出来ずに甘い刺激に声を上げていると、段々と頭が真っ白になってきた。
「あ、ダメ、なんか変っ、変な感じがっ……」
「ああ、可愛いマリシュカ、達していい」
「やっ、あぁ、ん、だめぇっ!」
 止めようとしたのに、尚更嬉しそうに囁かれた次の瞬間、ゼルモ様の指の動きがぐぐっと早まる。そのまま上り詰めた私の中にぎゅうっと力が入り、そのままくったりと動けなくなってゼルモ様にしがみついた。
「マリシュカ……」
「えっ!? ひっ! あ、ああっ! だめっ! 今、今イったばっかりだからぁ!」
 挿し入れられたままの指がぐにぐにと中をかき混ぜるように押してくる。必死で抵抗しようとするけれど達したばかりでほとんど力が入らない……!
「やだあ……!」
 あまりの気持ち良さに苦しくなって、懇願するように必死にゼルモ様を見た。
 ……見るんじゃなかった……ゼルモ様はギラギラの目を細め、興奮を隠しもせずに笑っていた。
 誰!? 冷静で氷の副団長なゼルモ様はどこ!?
 そんな現実逃避も、ゼルモ様の指に激しく攻め立てられてすぐに出来なくなる。
「ああ、俺の与える快感に震える君はなんて可愛いんだろうな……!」

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