年下御曹司は再会した初恋相手への溢れる執着溺愛を手加減しない

書籍情報

年下御曹司は再会した初恋相手への溢れる執着溺愛を手加減しない


著者:桜旗とうか
イラスト:小島きいち
発売日:2023年 1月12日
定価:630円+税

久隆繊維に勤務する今岡明純は、取引先でのプレゼン帰り、ご機嫌でファミレスに足を運んでいた。
店内で大勢の女性陣に囲まれていた一人の男性が、突然、明純の知り合いかのように声をかけてきて――?
彼の様子から助けてほしいというサインを受け取った明純は、彼の子犬のような雰囲気に見捨てることができず、話を合わせてしまう。
女性陣から助け出したあと、彼の恋人役として一緒に席に着くことになった明純だったが、服飾の話で盛り上がり、思いの外楽しいひとときを過ごすことに……。
ファミレスを出る際に、子どもからジュースをかけられた明純はそのまま彼から今日のお礼としてスーツを一式をプレゼントされたのだが――!?
初対面の相手に遠慮する明純に向かって、彼は一つの約束を持ちかけた。
「奇跡だと言うのなら、……次また会うことがあれば僕の恋人になってください」
一週間後、取引先のヒロヤマホールディングスに「ファミレスの彼」が現れ、再会を果たす明純。
その上、神内悠矢と名乗る彼はヒロヤマホールディングスの御曹司でもあった――!?
約束通り悠矢と恋人になった明純は、デートのあとホテルに向かうと、彼のまっすぐな気持ちを伝えられて――。
熱い眼差しを受け、溺れるほどに激しい一夜が過ぎていく。
悠矢から過去に会ったことがある、と告げられた明純は真実を確かめようとするのだが、どこで出会ったのかはどうしても知られたくないようで――?



【人物紹介】

今岡明純(いまおか あすみ)
久隆繊維の営業部に勤務する27歳。
大抵のことははっきりと表現する思い切りの良い性格である。
過去に悠矢とどこかで会ったことがあるらしいのだが……?

神内悠矢(かみうち ゆうや)
ヒロヤマホールディングスの御曹司であり、営業部所属の25歳。
端正な顔立ちと柔らかな物腰から女性にモテるが恋愛には興味がない。
唯一、明純にだけは隠しきれないほどの執着心を見せる。

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【試し読み】

 運ばれた部屋は、開いた口を閉じるのも忘れるくらい豪奢な部屋だった。白を基調としたヨーロピアンテイスト。足下にはベージュのダマスク柄絨毯が敷かれ、アカンサス模様のソファや椅子が置かれている。大きな窓から見える夜景は絶景。
「すごい……」
 部屋に入って下ろされた私は、窓に張り付いてため息を漏らした。
 ハイクラスホテルから見える景色はこんなふうになっているんだ……。それに、室内も想像以上。壁に飾られているゴブラン織りのタペストリーにはテンションが上がった。
「喜んでもらえたならうれしいです」
 後ろからぎゅっと抱きしめられる腕にそっと触れる。やっぱり悠矢はほっそりとして見えるけど私とは全然違う。大きい。男性だ……と意識すると顔が勝手に熱くなった。
「あ、あのね、シャワー浴びたい。埃っぽいし」
「うん……僕はここで待っています。バスルームはその奥にありますので」
 少し名残惜しそうな気配を残して悠矢が離れていく。そして彼の示した方向へ、先ほど買った服の入った袋を持って向かった。
 彼が教えてくれたのは寝室の隣にあるバスルームだ。向かう途中で寝室を覗いてみると、大きなベッドがひとつ。そこに枕がふたつ乗っている。キングサイズというやつだろう。はじめて見たけど、本当に大きい。白いシーツとカバーが清潔感を演出している。手触りはきっと柔らかくてなめらかな触り心地なのだろうと想像できる。触りたい……。
 仕事柄、布を見るとついうずうずするが、いまは早くシャワーを浴びようとバスルームに向かった。景色が見える大きな窓が気恥ずかしさを誘う。少しもじもじしたあと、思い切って服を脱ぎシャワーを浴びた。とにかく工場でかぶってしまった埃を落とさなければと全身を洗う。石けんのいい香りに包まれて一度にんまりしたあと、はっと我に返って手早く入浴を済ませた。
 服は先ほど買ったワンピースだ。下着は彼が選んだセクシーな上下セット。
 彼はこういったものが好きなのだろうか。けっこう透けた下着だし、大胆で妖艶すぎる気がする。私に似合うのだろうかとドキドキしながら下着を身につけた。さらっとした生地で、着け心地が想像以上にいい。艶感も、手に取って見るよりずっと上品だ。
「素敵だけど……やっぱり恥ずかしい!」
 悶えたくなる羞恥心をかき消すようにワンピースを着る。メイクを直し、髪も乾かして軽く整えたあと鏡の前でくるりと一回転してから、ジャケットを手にバスルームを出た。
「悠矢、お待たせ」
 リビングスペースへ戻ると、彼が視線を上げる。そして、先ほどまで眺めていたスマホをぽとりと落とした。あれっ。動かなくなっちゃった。やっぱり変だったかな。
 じっと見つめてくる彼にどうしていいかわからなくて、スカートを意味もなく引っ張って直す素振りをしてみる。
「あの……悠矢?」
「明純さん、こっち来て」
 スマホを拾ってテーブルへ置いたあと彼が手招く。近づくと腕をぐいと引かれた。
「わ……っ!」
 身体が傾いて彼の腕の中へ倒れ込むと、そのままソファに組み敷かれる。
「さっき見たときもきれいだったけど、いまはもっときれいに見えますね」
 覆い被さってくる彼の手が頬をなぞって唇に触れる。心臓の音が耳の奥で反響しているのを感じながら、されるまま口を開くとそっと柔らかい感触が重なった。
「ん……っ」
 舌が差し込まれ、絡め取られる。クチュクチュと水音を立てながら彼の動きに応えていると、身体をそろりと撫でられた。びくっと身体が跳ねると、その隙に背中へ手を差し込まれてファスナーを引き下ろされる。
「悠……矢……」
「明純さん……すみません。もう我慢できそうになくて……いいですか?」
 彼の上擦った声が耳元に落ちる。そろりとワンピースを下げられ、喉を上下させた。ドキドキと心臓がうるさい。レストランを予約してるんでしょとか出会って間もないから、とか言えば彼は止まってくれる気がする。だけど、劣情に染まる彼の顔を見てみたいと思った。期待に弾む胸の高鳴りに身を委ねたい。悠矢と肌を合わせてみたい好奇心が勝った。
「明純さん……」
 荒らげられた吐息とともに切なげな声で、急かすように名前を呼ばれる。
「……いいよ」
 声が少し震えた。緊張してるんだな、なんて人ごとのように考えたが、すぐに思考が停止した。耳に舌を這わされ、全身を甘く疼かせる電流のようなものが走った。
「んあ……っ」
 耳朶を食まれて吸われると、そこから熱が広がっていく。
「あっ……、あ、待って……それ、だめ……」
 逃げようとしてもそっと頭を押さえられて逃げ切れない。耳元でぬちぬちといやらしい水音が聞こえて、ますます身体を熱くする。
「明純さん、服脱ぎましょう」
 耳元に声が落とされ、身体の芯がぞくぞくと震えた。
 服から腕を抜かれて剥ぎ取られると、羞恥心に顔を背けた。悠矢のリクエストだったとはいえ、大胆な下着を身につけているのだ。彼は、どんな顔をして私を見ているのだろうか。おそるおそる彼を見上げると、じっと私の身体を見下ろしていた。息を詰めているのか動くこともなく視線が突き刺さる。そして、喉を上下させたのがわかった。
「きれいです……」
 少し掠れた声にドキリとした。視線が合うと、私の知っている悠矢とは違うギラついた目をしていて身体がすくみそうになる。怖い……?
 そういう感情ではないなと自問自答していると、首筋に甘く噛みつかれた。
「っん……」
「脱がせるのはもったいないな……」
 ブラを引き下げて乳房をあらわにされる。彼の手に揉みしだかれ、指先で先端を擦られると肉粒がすぐに硬くなった。
「明純さんとこんなことできるなんて、夢みたいです」
 うっとりと囁いて、彼が胸元へ顔を伏せる。尖る粒を口内に含まれ、吸い上げられると腰が勝手に浮き上がった。
「あ、ああっ……」
 舌先で弄ぶように転がされる刺激に頭が沸騰するように熱くなる。快感が全身を巡って、より敏感なところを意識させていく。
「悠、矢……あ、んっ……」
 膝を擦り合わせて熱を帯びる秘部から意識を逸らそうとした。こんなことでどうにかできるとは思っていないが、疼いてたまらない。
「……やっぱり外しましょうか」
「え……」
 背中のホックが緩み、ブラが剥がされる。とっさに胸元を隠そうとしたが、悠矢に手を掴まれ、そのままソファに押さえつけられた。
「脚も、閉じないで」
「! ま、待って……」
 膝を左右に割られ、彼が身体を滑り込ませてくる。
「悠……、あ……っ」
 再び胸元へ吸いつかれる。片方を手で刺激されながら、もう片方はねっとりとした感触が与えられ、身体をくねらせた。
「んっぅ……」
 ちゅっ、ちゅっと吸われるたび、恥ずかしいくらい腰が浮き上がる。油断しているとうっかり彼の身体に押しつけてしまいそうで必死にこらえた。
「悠矢、……胸ばっかり……」
「ほかのところも触ってほしい?」
 彼がジャケットを脱いでネクタイを緩めて解く。目が釘付けになった。シャツから覗く首筋や鎖骨から目が逸らせなくて、その下にある彼の身体を想像してしまう。私は、端麗な彼の雄の本性を垣間見たくて仕方がないのだ。
「……うん。触って、悠矢……」
 どこかうれしそうに目を細めて彼が微笑んだあと、身体を抱き上げられた。
「ここじゃ狭いので、ベッドへ行きましょうか」
「うん……」
 首筋に腕を掛けて彼にすり寄る。無防備に晒される首筋につい視線が向いてしまって、ドキドキする。ベッドへ運ばれるまでのわずかな間だったが、こんなにも男性の身体を想像して悶々としたのははじめてだ。私、いやらしいことばっかり考えてる……。
 恥ずかしくて顔を隠すように彼の胸元へさらにすり寄ると、こめかみにちゅっとキスをされ、程なくしてベッドへ下ろされた。
「明純さん……」
 唇を啄まれ、口内へ舌が入ってくる。応えるように絡め合わせると、くちゅくちゅと水音を立てて唾液が混ざり合う。キスってこんなに気持ちよかったっけ。まるで熱に浮かされるように頭がぼうっとする。
「っ……んっぅ……」
 彼の手が身体を撫でながら下り、脚を割る。ショーツの隙間から指を差し入れられると、ぬるりと溢れた蜜で滑った。
「あ……、や……」
「……可愛い……」
 うっとりと彼が囁く。あまりの恥ずかしさに、きゅっとしがみつくとよしよしと頭を撫でられたあと、顔中にキスが降らされた。悠矢の仕草には優しさを感じる。ちゃんと私を見ていてくれる。この人になら身を預けて大丈夫だと思える。
 ぬるぬると秘裂をなぞっていた彼の指が、花芯を捉えた。
「っあ……あ、んっ……」
 くにくにと捏ねられ、爪先から快感が上がってくる。ビリビリと痺れるような刺激が全身に広がり、耐えきれずに身体をくねらせた。
「悠……、あ、あっ……」
「もっと乱れて」
 耳にキスをされ、舐められる。鼓膜を震わせる声が背筋を這い、身体から力が抜けていく。さらに肉芽を擦られると、下腹部が期待に疼いた。
「あ……っ、や……んっあ……」
 下肢がビクビクと震える。腰が揺れて刺激を求めるように彼の身体に押し当てた。
「んっ、あ……あ……や、悠矢……あ、っ……イっちゃ……あ……」
 快感が徐々に大きくなっていく。なにかが弾けそう、と思った直後、腰から下がぶるぶると震え、目の前が真っ白になった。
「明純さん……、大丈夫?」
 彼の声に、呆然とした意識が戻る。なにが起こったのか、まるで理解できなかったが瞬間的に軽い絶頂を味わったのだろう。
「ちょっとびっくりしただけ……」
「うん。……じゃあ、もう少し」
「え……」
 つぷりと蜜口から指が押し込まれる。
「っ……あ、あぁ……っ、悠矢……あっ……」
 敏感に痙攣する肉壁を押され、内側から灼けるような熱が溢れてくる。ぬちゅぬちゅと指を抜き差しされて腰が跳ね上がるたび、爪先から頭まで熱くなった。
「あ……っ、や……」
 彼の動きに合わせて、ねだるように腰を揺らめかせる。
「そのまま、僕に身を委ねていて」
 身体をずらし、彼が秘所へと顔を寄せて口をつける。
「んっあ……あ、っあ……」
 蜜口から舌を差し入れられ、ぬちぬちと舐められるじれったさに脚を暴れさせる。
「んっふ……あ、や……恥ずかし……」
 制止しようと彼の頭に触れたが、すぐに手を握られてしまう。指を絡めて繋がれ、彼の目がこちらを窺うように見つめてくる。
「蜜が溢れて止まらない……」
 ジュッと淫猥な音を立てて蜜を吸われると、恥ずかしくて逃げたくなった。
「そんなこと言わないで……」
 ぬめった舌が蜜を絡め取りながら、花芯を刺激されると緩やかに迫る快感に飲み込まれそうだ。肉芽を吸われるたびにじんじんと熱を帯びる。痛いくらいに敏感に膨らむ花芯を指先で擦られ、身体が大きく仰け反った。
「悠……矢……あ、ああっ……」
 彼の唇が絶頂を誘うようにさらに強く吸い上げると、下肢が激しく震えて達してしまう。一度絶頂へ押し上げられているせいか、びくん、びくんと身体の痙攣が治まらず、蜜口がじくじくと疼くように熱い。膣壁も下腹部も、より強い刺激を求めてきゅうきゅうと攣縮している。
「明純さん……もっと……」
 まるでキスをするように、悠矢はさらに秘部へ口をつけ、蜜を啜った。
「あっ、んっ……悠矢……もう……」
 これ以上焦らされたらおかしくなってしまう。早く熱を受け入れたいのに、彼は蜜孔に指を押し込んだ。
「まだ、だめ」
 内側をゆっくりかき回される。肉壁の敏感な場所を探り、ざらつく天井を擦られるとびりびりとした刺激が全身を駆け巡った。
「あ……っあ、んっぅ……」
「僕だけを感じていて。もっと、全身で……」
 甘くねだるような声で囁かれるだけで身体がぞくぞくと震え出す。
「あ、ああっ……」
 ぬちゅぬちゅと音を立てて中を弄られ、逃げようと腰を引いてもさらに深く指を押し込まれる。
「逃げたらだめですよ」
 彼の腕がしっかりと腰を掴んだ。
「あ……悠矢、待っ……」
 決して強い力ではないのに、わずかに身じろぐだけで精一杯なくらい身動きができなくなった。ぐちゅぐちゅと彼の指先が内壁を強く擦る。その感覚から逃げられず、脚をじたばたと藻掻かせた。
「ああっ……、っは、んっぅ……あっ、あ……っ」
「明純さんの中、すごいうねってる」
 揶揄するように言われて首を左右に振る。
「ち、違……」
「違わないですよ。……ほら」
 ぐっと膣壁を強く押し上げられた。子宮がきゅうっと引き攣り、蜜口が彼の指を締めつける。自分でも内側がうねって蠢いているのを感じて恥ずかしくなった。
「んああ……っ、あ、あっ……悠矢……意地悪、しないで……」
「明純さんのお願いなら聞いてあげたいけど……」
 胸元に顔を寄せ、先端を口に含まれる。強く吸い上げられると、背筋に電流が走った。
「ああ……っ、あ、や……っあ……」
「ここも尖って可愛いし……もっととろとろにしてあげたい」
 ふうっと彼が心を落ち着かせるように息を吐く。胸先の肉粒を舌で捏ねながら、上目遣いに私の様子を窺っているのがわかった。
「悠矢……っ」
「……だめ?」
 こんなふうに聞かれて、だめだと突っぱねられるわけがない。
「だめ……じゃない……」
 首を横に振るとうれしそうな笑顔を見せられた。こんなのずるい……。
 指を増やされ、膣壁を強く擦られる。弱い場所ばかりを狙うように何度も、私の反応が強くなる場所を押し上げられた。
「っは……ああっ、あ、そこ……んっ、ふ……」
「中、絡みついてくるみたい……」
 悠矢の唇から浅い吐息が漏れる。目が合うと、照れ隠しなのかすぐに唇を塞がれ、舌を差し込まれた。
「ん……っぅ、んん……っ」
「明純……さん……」
 熱に濡れる吐息が間近で触れ合い、引き合うように何度もキスを交わした。噛みつくようなキスと、膣内の弱い場所を刺激されると快感が増長していく。手足が甘く痺れて震え、悠矢の頭を夢中で抱きしめた。
「悠矢……あ、んっ……」
「……ねえ、明純さん」
 じゃれつくように首筋に顔を埋め、かぷりと肌を甘噛みされる。そのまま胸や脇腹にキスを落としながら、彼が身体をずらしていく。ドキドキしながらその様子を見下ろしていると、下腹部のあたりで動きがぴたりと止まった。
「ここ……」
 言いながら、膣壁を強く押し上げられる。
「あ、ああっ……、あ、やっ……」
 鎮まっていた快感を再び与えられて身悶えると、悠矢がそっと下腹にキスをした。ちゅうっと肌を吸い上げて跡を残し、何度も舐めていく。
「明純さんが気持ちよくなるときゅって締まってよくわかりますね。素直で可愛い。大好きです」
 子宮のあたりを何度も、愛おしむように舐め上げられると、直接触れられたわけでもないのにじんじんと熱を帯びていく。
「あ……や、なんか……変……」
「ここでたくさん感じてくださいね」
 ぐちゅぐちゅと音を立てて指を抜き差しされる。肉壁を押され、敏感な場所を擦られると腰が揺らめいた。
「ん……、明純さん、もっとおねだりして?」
 優しく甘えるような声に誘われて腰を浮かせると、悠矢がうれしそうに笑う。
「悠矢……、恥ずかし……」
「でもちゃんと応えてくれるじゃないですか。……もう、めちゃくちゃにしたくなる」
 低められた声にぞくりとしたのは、彼の言葉に期待したから。ちらりと向けられる視線が捕食者のようで、緊張と期待から鼓動がどんどん早くなっていく。
「……い、いいよ……?」
 ためらいながら、勇気を出して答えると一瞬悠矢が動きを止めた。
「明純……さんって……」
 彼が一度深呼吸する。そのあと、ごくりと喉を上下させたのがわかった。

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