禁断の情事はエリート同期の一途な溺愛に溢れていて

書籍情報

禁断の情事はエリート同期の一途な溺愛に溢れていて


著者:小日向江麻
イラスト:逆月酒乱
発売日:2022年 11月25日
定価:630円+税

総務主任として大手食品会社で働く千聖にはある悩みがあった。
それは、社内恋愛の末、三年前に結婚した夫が不倫をしていることである。
夫との不仲を悟られないよう、仕事ではより一層心を閉ざし、周りに見えない壁を張っている千聖。
結婚記念日の当日、ドタキャンされた千聖に温かい言葉をかけてくれたのは、同期の志貴だった。
彼の優しさに触れた千聖は、予約していたレストランに彼を誘うのだが……。
「塚越を愛する権利がほしい。俺なら、絶対に泣かせない」
明かされた志貴の熱い想いに、千聖の心は大きく揺れ動いて――。

【人物紹介】

神崎千聖(かんざき ちさと)
大手食品会社の総務部で働く27歳。
真面目な性格で部下に厳しく、『総務の能面さん』と影で呼ばれている。
夫の不倫に悩んでおり、周囲には心を閉ざしていたのだが……?

菅原志貴(すがわら しき)
販売推進部主任の27歳。千聖とは同期である。
明るくリーダーシップもあり、仕事ができる次期係長候補。
異性にもモテるが、好きな人に一途なタイプ。

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【試し読み】

「やっぱ塚越の笑った顔、すごくいい。好きだ」
 すると、菅原くんは大きな瞳を細めて優しく呟く。
「――全部俺のせいにしていいから。塚越は悪くない。だから……塚越がほしい」
「菅原、くんっ……」
 彼が、私の身体をゆっくりとベッドに押し倒す。
「いやだったら抵抗して、やめるから」
 これが最後の意思確認であると示すように、眼差しで問いかけられる。
 ここで「やっぱりできない」と素直に告げたとしても、彼は尊重してくれるだろう。敢えて言葉にして私に選ばせてくれるのは、菅原くんの優しさだ。
 正しくないのはわかってる。けど――私は彼を受け入れると決めていた。だから、この部屋までついてきたのだ。
 彼は私のブラウスのボタンに手を伸ばした。
「……ずっと思ってたけど、今日の服、可愛いよ」
 いちばん上のボタンを外す手を止めて、菅原くんが私の全身をなぞるように見つめる。
「あ、ありがとう……それなりのところに来るなら、と思ってっ……」
 大きめの襟がトレンドのオフホワイトのブラウスは、フェミニンな雰囲気が好みで購入したもの。それに、変形プリーツのロングスカートを合わせた。アイスブルーの色味は爽やかで、甘い感じもある。
「いつも暗めの服が多いよな?」
「うん、黒とか茶色とかが多いかも」
「普段も似合ってるけど……でも、こういう明るい感じのほうがもっと似合うよ。昔はこういうの、よく着てただろ」
「……うん」
 結婚してから、夫は暗めの色合いのものを私に着てほしがるようになった。黒は基本として、白よりはグレー、ベージュよりは茶、という感じに。
 多分、歳が離れているから、私が少しでも大人っぽく見えるようにしたいのだと思う。私は歳の割りに童顔なほうだから、となりに並んだときに違和感が生じないように、と。
 夫に釣り合う自分でいたかったから、私は別段反発もせずに受け入れたけれど、やっぱり自分の好みは明るい色の組み合わせだったりする。
 今夜のディナーにこの服を選んだのは、付き合いたてのころの気持ちに戻ってくれるかも、という期待があったからだ。彼の好みからは外れるけれど、かつてと同じような服装をすれば、愛し合っていた記憶も呼び覚まされるのでは、と考えたのだ。
 効果のほどは残念ながら立証できなかったけれど――夫と並ぶ機会もほぼなくなったわけだし、もう彼の要望に従い続ける必要もないのかもしれない。菅原くんに褒められてすっかり気をよくした私は、今後は自分の好みの服も増やしていこうと密かに決意した。
「それに髪も。前は染めてたのに、最近はやめたの?」
「……そうだね」
 前下がりのボブのシルエットをなぞるように、彼はボタンにかけていた手でするりと私の黒髪を撫でた。
 「カラーリングするのはやめてほしい」とはっきり言われたわけではないけれど、やはり年齢差を感じにくくさせるためなのか「千聖は黒いほうが似合うよ」とは繰り返し言われた。ヘアスタイルには強いこだわりがないのもあり、好きな人の要望には無条件に応えたかったのだ。 
「菅原くん、それにしてもよく見てるね」
 うちの会社は、営業部以外の女性については、ビジネスカジュアルの範疇であれば服装にも髪型にも大らかだ。だから、ほとんどの女子社員が思い思いのスタイルを楽しんでいるいるのに、部署の違う私がどんな装いをしているか、把握しているとは思わなかった。
「好きな人のことって気になるだろ。これで俺がちゃんと塚越のことを好きだったって、信じてくれる?」
 彼の顔が近づいてきて、額同士がこつんとぶつかる。
「うん。……って、別に信じてないわけじゃないよ」
 至近距離で私を見つめる真摯な瞳にドキドキしながら、私は笑って言った。
「信じてもらえなくても仕方がない状況かな、とは思うんだよ。俺がもし悪い男だったとして。塚越の事情を知ったら、前から好きだったふりをしてこんな風にベッドに連れ込もうって思うかもしれない」
「……それはまあ、確かに」
 その可能性がまったく頭を過らなかったわけじゃないけど、レストランでの、あのぞくぞくするくらいに真剣な眼差しは、とてもその場しのぎのうそとは思えない。仮にそうなら、菅原くんは俳優ばりの演技力を備えていることになる。
「言っておくけど、俺は本気だから。……塚越が想像してるよりも遥かに強い覚悟をもって、気持ちを伝えてる。だから真剣だし、塚崎のことがほしくてしょうがないんだ。それだけは信じて」
「……わかった」
 優しくて心地いい菅原くんの声に、小さく頷く。すると、触れ合っていた彼の額が遠ざかった。
 そうだ、既婚者の私と関係を持つということは、彼にだって覚悟が要ることに違いない。ただ遊びたいだけだとしたら、菅原くんほどの男性なら相手はいくらでもいるだろうし、私に手を出す必要はない。気まぐれにしては、あまりにリスクが高すぎる。
 ――菅原くんは、心から私と結ばれたいと思ってくれている。
 心に開いた風穴を埋めてくれる彼の優しさと、アルコールの高揚感とが、漠然と彼の期待に応えたいという気持ちにさせた。
「あ……」
 菅原くんの指先が、ブラウスの小さなボタンを外していく。
「隠さないで、見せて」
「っ……」
 胸元がはだけてキャミソールが覗くと、私は反射的に両手で胸を覆ってしまう。
「やっぱりいや?」
「いや、じゃないんだけど……あの……こういうの、久しぶり過ぎて……」
「恥ずかしい?」
 私が頷く。すると菅原くんは微かに声を立てて笑い、私の身体を抱き起した。
 そして、私の背後に回ってベッドの縁に腰掛けて、自身の脚の間に私を座らせた。
「これなら平気?」
「……うんっ……」
 背後から菅原くんに抱き締められている状況に激しくドキドキするけれど…この体勢のほうが幾分気が楽だった。
 夫との夜の生活がなくなってかなり経つ。彼ひとすじだった私は、その間当然ながら誰とも関係を持っていないから、行為自体が久しぶりで、頭のなかは真っ白。平たく言えば、身体にも所作にも自信がないのだ。
「塚越のきれいな身体がちゃんと見れないのが残念だけど」
「な、何言って……」
「誰だって好きな相手の裸くらい想像するだろ。そしたら、確かめたくなるし」
「んっ……」
 菅原くんはキャミソールの上から、私の両胸を包み込むように触れた。
 彼の大きな手では覆いつくされてしまう程度の大きさであるのが、急に不安になってくるけれど、温かい指先の感触に、つい吐息のような声がもれる。
「……柔らかくて気持ちいい。ふわふわ」
 耳元で、興奮を帯びた声音が響いてドキドキした。
「塚越も、気持ちいい?」
「ぁ、んっ……気持ち、いいよっ……」
 ふたつの膨らみをやわやわと捏ねる指先は、布越しでも徐々に私を高ぶらせていく。しばらく遊ぶように感触を楽しんだあと、その手はブラウスを脱がせ、キャミソール、さらにはスカートまでもを脱がせてしまう。私はあっと言う間に、ほぼ裸に近い格好にさせられてしまったわけだ。 
「服だけじゃなくて、下着も可愛い。……これも、今日のために選んだの?」
「そ、そうだよ」
 露になったブラやショーツのデザインを、横から顔を出して覗く菅原くん。下着を直視されるのが恥ずかしくて、私は視線から逃れるように俯く。
 黒地にレースの縁取りがされていて、中心にビジューのチャームが付いている大人っぽい雰囲気のブラは、夫の好みを汲んだものだ。
「ふーん。神崎課長を想って選んだんだって考えると、脱がせたくなるね」
「あっ、ちょっとっ……!」
 面白くなさそうに呟いた菅原くんは、言いながら私の背中のホックに指をかけて、躊躇いなく外してしまう。
「大丈夫。この位置だと残念ながら、あんまり見えないから」
「んんっ……」
 彼の両手が、今度は剥き出しの膨らみに触れ、さきほどそうしていたように柔く揉みしだきはじめる。指先の乾いた感触は、淡い快感となって皮膚の上を滑っていく。その感覚を追いかけるみたいに、軽くのけ反りながら心地よい痺れを享受した。
「――見えないけど、その分手のひらの感触で伝わってくるよ。心臓の音、俺に負けず劣らずすごいね」
「だ、だってっ……しょうがないじゃない」
 男の人と触れ合うのなんて本当に久しぶりなんだから、否応なしに緊張してしまうのだ。
 手のひらの下、時間の流れが二倍速になったみたいに細かなリズムを刻む胸の鼓動に、菅原くんが揶揄して言うものだから、私は拗ねて反論する。
「俺のこと、意識してくれてるってわかるからうれしい」
「んっ、ぁあっ……」
 菅原くんの声は確かに弾んでいる。焦らすみたいに輪郭を余すことなく捏ねたあと、不意に頂を撫でてくる。思わぬ鋭い刺激に、唇からあえかな音がこぼれ落ちる。
「塚越のそういう声、めちゃくちゃ可愛い」
 熱っぽい吐息交じりの声は興奮を帯びていて、彼の本音であることを示している。
 右と左、それぞれの人差し指で胸の先を弾くように刺激されて、私はまたか細い嬌声をもらした。
「――可愛いし、そそられる。……ここ気持ちいい? ぷっくり勃ってるよ」
「っ……!」
 彼が指摘する通り、胸の先はもっと触れてほしいと訴えんばかりに、より強い刺激を待ちわびて勃ち上がっている。
「もっとよくしてあげる。俺に身体を預けて」
 緊張のあまり身を硬くしている私に、彼は自身の胸に凭れさせるよう優しく促した。ワイシャツ越しに感じる菅原くんの体温が、心音をさらに加速させる。
「ぁ、あっ……ふぅんっ……!」
「指で摘まれるの好き? もっと声聞かせてよ」
「んっ、んんっ……! ぁああっ……!」
 胸の先を、二本の指でふにふにと圧し潰しながら、彼は私の右耳に唇を這わせる。耳朶にちゅっと吸い付いて、下から上へ、シルエットを舌先でなぞるように舐め上げた。ぞくぞくするような快感が身体を駆け上がり、思わずぶるりと背を震わせる。
「あ――……やぁ、それだめぇっ……!」
「耳弱いんだね。ならなおさら、いっぱいしてあげる」
「し、らなっ、ぁ……! ふ、ぁあっ……!」
 耳を食みながら喋る菅原くん。吐息が耳朶に、耳孔にかかると、また甘い衝動が全身を波打った。
 「知らない」と答えたのは、恥ずかしさや照れではない。本当に意識したことがなかったのだ。
 夫はかつて言葉での愛情表現は豊かなほうだったけれど、セックスではいつも決まった場所にしか触れてこない。耳は、その範囲には入っていなかった。
「あんまりされたことないんだ。こんなに反応いいのに」
「っ……」
 私の新鮮なリアクションで菅原くんもそれを悟ったに違いない。
 彼は意外そうに呟きながら、ツンと尖った胸の先を愛撫しながら耳輪を甘噛みする。歯を立てられると、それまでとは異なる刺激に大きな声が出そうになって、すんでのところで堪えた。
「声我慢しないで。言ったよね、聞かせてって」
「でもっ……やっぱり恥ずかしいっ……」
 たった数時間前までただの同期だと思っていた彼に、こんな無防備な姿を晒しているうえに、はしたない声まで聞かせてしまっている。
 今夜は彼と過ごすと決めたものの、ふとした瞬間に「これは現実?」と疑う気持ちが顔を出すのは、どうしようもないことじゃないだろうか。
「俺が触って気持ちいいと思ってくれてるわけでしょ。ならやっぱり聞きたいな。……それに、声だけ我慢したって無駄だよ?」
 優しく言い聞かせるように告げたあと、彼の右手がするりと私の下肢に降りていく。そして、軽く私の両脚を開かせると、膝や太腿などを辿ってから黒いショーツに覆われた恥丘を撫でた。
「――もう濡れてる」
 自分でも何となく気付いてはいたけれど、改めて指摘されると顔から火が出そうになるほど恥ずかしい。そういう意味では、この情けない顔を見られない体勢でよかった、と思った。
「下着の上からでもわかるよ。上から撫でてるだけで、指先が吸い込まれそうなくらいとろとろだ」
「そんなこと言わないでっ……」
 いちばん外側のレースの生地にまで、快感の証が滲んでいた。ぬかるんだ入り口は布越しにほんの少し圧をかけるだけでも、奥へ奥へと指先を誘い込もうとする。
 ――こんなのまるで、ほしがっているみたい。はしたないって思われていないだろうか。羞恥心がさらに高まり、小さく叫ぶ。
「どうして? 気持ちよくするためにしてるんだから、これでいいんだよ。……もっと塚越に悦んでもらえるようにしないとね」
「ふぁ――……!」
 下着の下に滑り込んだ指先が、秘部をまさぐる。蜜に塗れた敏感な粘膜を掻き分けられると、下腹部に疼くような切ない感覚が訪れるとともに、くちゅりと卑猥な音が響いた。
「熱いね……」
「ん、ぁああっ……だ、めっ……!」
 蜜をまとった指で入り口の縁をゆるゆると掻き混ぜられると、お腹の奥がきゅんとする。彼はそれから、さらなる悦楽を呼び込むために、入り口の上側に位置する突起を優しく撫でた。
「ぁあああっ!」
「気持ちいいね。こっちも勃ってる」
「ん……ふぅ、んっ……あはぁっ、一緒に、しちゃ、だめっ……!」
 両手の指の腹で秘芽と胸の先を同時に刺激されると、いよいよ甘い嬌声が押さえられない。長い間忘れていた恍惚が呼び覚まされるような感じがする。
「一緒にしたほうが気持ちいいでしょ?」
「気持ちいい……」
 意識を乗っ取られそうなほど強烈な悦びが、私を素直にさせた。本音を口にしてしまったあと、はっと口を押さえると、彼はおかしそうに声を立てて笑った。
「正直に言えて偉いね。もっとしてあげるね」
「ふぁああっ……!」
 下着に差し込まれた手は、人差し指と薬指で入り口を大きく開き、中指の腹で秘裂を浅く掻き混ぜる。気まぐれに秘芽を嬲り、左右の胸の先端へと微弱な電流のような愉悦を絶えず送り込まれているうちに、潤いはどんどん増していった。
「ぱくぱくして、ほしそうにしてる。……挿れるよ」
「んんっ……!」
 宣言通りに、蜜を十分にまとわせた指先が膣内に挿入ってくる。内壁を擦りながら奥へ奥へと侵入する異物を、時間をかけて解した粘膜は思いのほかスムーズに受け入れた。
 おそらく菅原くんは、ずっと私を気遣ってくれていたのだと思う。私が男性と触れ合うのが久々であると知ったから、細かく反応を窺い、私の身体に負担をかけないようにしてくれたのだろう。
「なかがすごく熱くて火傷しそう……塚越、興奮してるだろ?」
「っ……だ、だってっ……」
 この状況でしないほうがおかしい。なぜなら菅原くんの手は、私の快感を煽るための動きしかしていないんだから。
「だからこんなに期待して、ぐちゃぐちゃになってるんだ」
「ぁあ――んぁああっ……!」
 中指を引き抜こうとしたのかと思いきや、今度は人差し指と一緒に突き入れられる。膣内を押し広げる二本の指が敏感な粘膜に擦れて、今日何度目かもわからない、はしたない声を上げてしまう。
「――擦っちゃ、だめぇっ……!」
「擦られると気持ちよくなっちゃうからだろ。……例えば、ここ、とか?」
「ぁあああっ……!!」
 激しい快感が下肢を揺さぶる。菅原くんは私が平静ではいられなくなる場所を突き止め、そこを何度も指の腹で刺激する。最初は指先でくすぐるように。次第に圧を強めて擦るような動きに変わると、思考は彼の指先の軌跡を辿るばかりになった。
 ――こんなの、気持ちよすぎて……おかしくなっちゃう……!
「だめ、だめっ……菅原くん、だめなのっ――……んぁあああっ……!!」
 心許なさで彼の太腿に手をつき、スラックスの生地をぎゅっと掴んでしまいながら、私は細かく身体を震わせて絶頂に達した。
 余韻を味わったあと、やや息を弾ませつつ彼の胸に身体を預ける。
「……イっちゃうくらいよかったんだ」
 揶揄するみたいに言われてから、下肢から彼の指が遠のいて、頬にキスされる。菅原くんの唇の感触と、夫とは違う彼の匂いにドキドキしながら、私は照れながらも頷いた。
「ご、ごめん……私ばっかり、その……盛り上がっちゃって」
 貪欲に快楽を追求するかのごとくな自分の反応が恥ずかしくて謝ると、耳元でふっと笑いがこぼれる音がした。
「何で謝るの。さっきも言ったけど、そのために気持ちよくしてるんだからいいんだって――それに、塚越ばっかりってわけじゃないしね」
「……え?」
「わかるだろ。好きな子とこういうことしてて、興奮しないわけないよね?」
 ぐっと彼が腰を押し付けてくる。お尻に感じる熱くて硬い感触は――彼の高ぶりのしるしだろう。
「っ……」
 屹立した逞しいものを意識すると、顔が熱くなる。
 ……こうなるってことは、私に触れながら欲情してくれたってことなんだよね?
「だからもっと塚越のことを気持ちよくしてイかせたいし、俺も……一緒に気持ちよくなりたい」
 ちゅっ、と音を立ててうなじにキスを落とした菅原くんは、もどかしそうに私の身体を抱き締め、背中に顔を埋める。熱い吐息に、ぞくぞくとした快感が走る。
「そろそろ顔が見たいな。……いい?」
「う……うんっ……」
 菅原くんは私の身体を反転させると、彼の身体を跨がせて向かい合う体勢に導いた。
 声だけだと余裕綽々だと感じていた彼は、意外にも瞳に本能的な欲望をまとわせていて、まるで獲物を目の前にした肉食獣にも似た鋭さがあった。
 ――その瞬間、彼に奪われたい。と思う。私を菅原くんのものにしてほしいという激しい衝動が湧き上がった。
 その衝動が膨らんで抑えきれなくなったとき、どちらともなくキスを交わした。奪い、奪われるみたいなキス。私も彼も、考えていることは同じように思えた。

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