腹黒策士な御曹司に絆され、滴るほどの執愛を。

書籍情報

腹黒策士な御曹司に絆され、滴るほどの執愛を。


著者:黒羽緋翠
イラスト:カトーナオ
発売日:2022年 2月25日
定価:630円+税

老舗下着メーカーの通販事業部員・玲菜と、彼女の上司・櫂は社員の間で噂のカップルだ。
実際はただの友人同士――本当は玲菜の片想いなのだが。
しかし、玲菜は元カレのせいで人間関係が破綻したというトラウマから、恋人になることは望んでいなかった。
現状維持が一番幸せのはず。そんな中、いつものように飲みに行ったバーで、櫂と飲み比べをすることになってしまい……泥酔した玲菜は櫂に介抱され、目を覚ますとホテルの一室にいた。
まさかの状況に慌てる玲菜に、さらに櫂はずっと好きだったと告白してきて!?
「俺の言葉だけを信じろ。それ以外はなにも考えなくていい」
流されるまま受けた想い人からの愛撫は、過去の傷に震える玲菜の身体を癒やすように優しく、感じたことのない程の劣情を煽って――……。

【人物紹介】

谷川玲菜(たにがわ れな)
過去のトラウマから人間関係を築くこと(特に恋愛関係)に関して臆病になってしまった。
本来はいじっぱりな性格。
実は櫂が初恋の相手でもある。

松下櫂(まつした かい)
玲菜の上司。
美丈夫なうえ、明るく気さくな性格なので非常に人気がある。
「本当に好きな女以外とつきあう気はない」と公言している。

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*取り扱いサイトは、各書店に掲載され次第、更新されます。

 

【試し読み】

「大事にかわいがってやるから安心してくれ」
 嬉しそうな顔をしながらそんなことを言ってくる櫂に、涙がこぼれそうになる
「でも……」
 玲菜の言葉を遮るようにくちづけられてしまい、ゆっくりと絡みつく舌先に翻弄されていく。いままでしたどんなキスよりも熱くて激しいのに、玲菜を蕩けさせるには十分だった。
(こんなキスなんて知らない……)
 怖くて逃げようとするが肉厚な舌に追いかけられて、いつのまにか捉えられる。それだけで精一杯なのに腰を抱きかかえられ、玲菜はびくりと身体を竦ませた。
「怖いって思うからつまらないかも」
「セックスに慣れてなきゃ、怖いのはあたりまえだ」
「だって……、その……」
「怖くてもいいんだ。ゆっくり慣れていけば」
(有吉くんは、いつまでたっても怖がるからつまんないって言ってたのに……)  
 櫂と元也の言うことがあまりにも違いすぎて、どちらが正しいのかすらもわからない。
「ひゃっ……!」
 ストッキングに包まれた腿をなぞられ、玲菜は小さな悲鳴をあげる。
「おまえの脚って綺麗だよ、ほんと」
「脚って……なに言って」
 櫂の手があちこちを確かめるように服の上から身体をなぞり、ちゅっと額にくちづける。まるで怖がっている玲菜をあやすように優しく触れられ、いままでにない甘く蕩けるような感触が肢体を包みこむ。
 未知の感覚が心も身体も溶かしはじめ、玲菜は自分の身体がどうなってしまうのかと不安になった。
「かわいいよ、玲菜」
「かわいくなんて……」
「怖いだけじゃないだろう?」
 まるで玲菜の身体の変化を知っているように言う、櫂の目はとても優しい。それに気づいて小さく頷くとその手が服の上から胸を触ってくる。
「かっ、櫂のバカっ! そんなところ触らないで」
「やっといつもの玲菜に戻ったな」
「うるさいっ」
 少し安心したせいか、強気な自分が出てきたことに驚く。だが、それすらも櫂にとってはあたりまえのように受け止めているらしい。
 そのことが不思議でたまらず、櫂をじっと見る。
「こんなときに強がってる女なんて、嫌じゃないの?」
「どんなときでもおまえはおまえだろう。むしろそのほうがいじめ甲斐がある」
「信じられない……」
 笑いながらそんなことを言われ、予想外すぎて顔をぷいっとそらすのが精一杯だ。
 元也だったら機嫌が悪くなる一方だった。それなのに楽しげにからかってくるから、自然と気が抜ける。
「いい具合に緊張がほぐれてきた」
「えっ?」
「身体を強ばらせてたら感じさせられないからな」
(感じさせるって、私を……? 不感症なのに?)
 櫂の意図がわからないまま、首筋をなぞる舌に翻弄されて身体にぞくりとした戦慄が走る。まるで自分の身体が自分のものではなくなるようにふわふわとし、甘く蕩かされていく。
 そんな状況でゆっくりとブラウスのボタンが外されていく。下着姿なんてもう二度と男性に見せることがないと思っていたが、怖いと感じるよりも恥ずかしくてしかたがない。
 しかも、いつになく身体をじっと見つめられて余計に緊張してしまう。
「そっ、そんなに見ないで」
「おまえの肌は雪のように白いな。綺麗だ」
「ちがっ……」
「この肌にキスマークをつけたら、どれだけ映えるんだろうな」
 首筋をなぞりながらつぶやく櫂の言葉に動揺し、己の身体の変化にとまどう。くすぐったくて甘く蕩かされていくようなはじめての感覚に、玲菜は恥ずかしくてたまらなくなる。
 櫂から与えられるものはとても甘くて優しい。そんな玲菜をよそに腕を背中に回され、ブラのホックが外される。
 あっけなく晒された胸を腕で隠し、羞恥から逃れようとした。
「そんな恥ずかしそうな顔をしても俺を煽るだけだそ」
「煽ってなんかいないし……」
(どうしてこんなに恥ずかしいんだろう、私)
 えっちなんて相手が違っても同じだし、冷めているものだと思っていた。なのに櫂から伝わってくる情熱が、玲菜の間違っていた認識を壊していく。
 腕に触れる唇の熱さですら、本気で自分を求めていると伝わってくる。
「腕を外してみろよ。じゃなきゃかわいがってやれないだろう」
「だっ、だって……」
 とまどうしかできない玲菜の腕が身体から離され、あっという間に胸を露わにされていく。怖くてたまらず目を瞑るしかできず、自分の身体も熱くなっていることに気づいた。
「おまえはこんな綺麗な胸を隠していたんだな」
「綺麗なんかじゃないし、私は……」
「俺の言葉だけを信じろ。それ以外はなにも考えなくていい」
 櫂の手のひらが乳房を撫でるように優しく触り、その感触に驚いて顔を上げる。そこで彼が微笑んでいることに気づき、鼓動が早鐘を打つ。
 どこか余裕のある色気を含んだ表情に見蕩れていると、もう一度キスをされる。口腔に入ってきた舌が無遠慮に動き回り、玲菜の全身を甘く溶かす。
 その間に強弱をつけた絶妙な動きで胸を揉みしだかれ、心地よい快楽に身体が包みこまれていく。
(私の身体、おかしくなっちゃったの?)
 全身が蕩けるような極上の愛撫に支配されていき、身体の力さえも抜けていく。すべてが違いすぎるのはアルコールのせいに違いない。
 そう思おうとしても、圧倒的なテクニックのせいだと身体はもうわかっていた。
「やっと蕩けてきたな、玲菜」
「ふぁ……」
「もっとおまえを感じさせてやる」
 その言葉を皮切りに胸を揉みしだかれ、快感を知ったばかりの身体に気持ちよさが生まれる。と、首筋から胸にかけてを唇でなぞられてしまう。
「あっ……、んっ……」
 自分のものだとは思えないような声が口からあふれ、ぞくりとしたなにかがせり上がってくる。
「気持ちよくなってきたのか。いい子だな」
「私、感じてる……の?」
「これが感じるってことだ。怖くないだろう」
「うん……」
(もしかして、櫂は有吉くんの話を聞いて……?)
 ふと湧き上がった疑問――。だが乳頭を舌でなぞられて考える暇もなく、新しい愉悦が与えられる。
 むしろそんな玲菜の思考を読んだかのように、甘美で淫らに蕩かされていくようだった。
「なにも考えずに、おまえは身を委ねてろ」
「はぁ……」
「かわいくてたまらないな」
「ん……っ」
 双丘をゆっくりと昇ってきた舌が尖端を掠めながら乳暈をなぞり、全身にぞくりとした快楽がせり上がってくる。そのせいで小さな喘ぎが漏れ、羞恥に身体が火照出す。
 その反応に気をよくしたのか、唇に含まれた尖端をちろちろと転がされ、一際大きな波が玲菜の肢体を襲ってくる。
 まるで自分の身体を作り替えられているようで恥ずかしい。なのに、なにもかもが違う愛撫が、玲菜から恐怖を取り除いていく。
 疼くような甘く淫らな愉悦に翻弄されながらも、うっすらと目を開けてみる。尖端を甘噛みをする櫂の目が色気を纏っていた。
 それが女を狂わせるものだと感じていても、玲菜は己の変化を認められなかった。
(きっと泥酔しているせいよ!)
 意地を張ってお酒のせいにするが、ショーツが湿りを気帯びていることに気づく。恥ずかしいほどに変わっていく肢体に気づかれたくないのに、櫂の指先がストッキングに包まれた脚を淫らになぞってくる。
「やぁ……だっ、だめ……」
「どうしてだめなんだ」
「おかしくなっちゃいそうなのっ」
「おかしくなってもいいんだ。むしろそんな玲菜が見たい」
 意地の悪い声が耳に響きながらも言い返せずに、悔しくてぷいっと顔を背ける。なのにこの指に触れられるだけで身体が熱い。
 元也に触れられても嫌悪感しか持てなかったはずなのに、どうしてだろう。そんなことをぼんやりとした頭で考えているといつのまにかスカートを脱がされ、ストッキングごとショーツが引き下ろされる。
「だめ……櫂っ」
「だめじゃないだろう」
「だって恥ずかしい……」
 柔らかな下生えを繊細な指で掻き分け、秘芯を軽くなぞられるたびに身体がビクビクとのけぞる。くちゅりとした恥ずかしい水音が余計に玲菜を煽り立て、肢体を淫らにくねらせた。
「ココを触られてそんなに気持ちいいのか?」
「ちがっ……」
 卑猥な指でぐちゅぐちゅとかき回され、いつのまにか信じられないほどの愉悦が押し寄せる。羞恥で否定してみるものの、櫂から与えられる愛撫に溶かされていく。
 これがセックスと言うのなら知らないことだらけだ。そう思うのに櫂に与えられるなら不思議と怖くなかった。
「玲菜は本当にかわいいよな」
「かわいくなんかないわよ」
「その意地っ張りなところも、愛しくてしかたない」
「ひゃっ……」
(なっ、なに……これっ!)
 櫂の指が花芽を捕らえ、円を描くように捏ねる。それだけで無垢な身体は快感の渦に巻き込まれ、新しい蜜液が腿を濡らした。
「玲菜は感じやすいんだな」
「えっ?」
「こんなのは序の口だし、俺がもっと気持ちよくしてやる」
(じょっ、序の口!? これだけでもすごいのに?)
 身体の変化についていくのもやっとなのに、櫂はさらに信じられない言葉をつぶやく。
「本当に、もういいからぁ」
「女の身体はしっかりと濡らさないと、気持ちよくしてやれない」
「でもっ……」
「俺がちゃんと教えるから、おまえはいままでの常識に囚われるな」
 まるで思考さえも奪うかのようにくちづけられ、もはやなにも考えられずに甘やかに蕩かされるしかない。そんな玲菜をよそに櫂の舌は身体のラインをなぞり、やがて下腹部にたどり着く。
 次の瞬間。櫂が脚の付け根に頭を埋め、蜜芯にくちづける。
「そんなところを舐めないで」
「気持ちよすぎて嫌なのか?」
「はっ、恥ずかしいの……」
 秘苑に甘い吐息が当たるだけでも気持ちいいのに、蜜襞を舌でもてあそばれ意識が朦朧とする。
 怖い――。だけどその先を教えてほしい。
 自分でも信じられないような気持ちが生まれ、玲菜は大いに困惑した。
「やぁ……んっ……」
「いい子だ、玲菜。もっと俺に感じろ」
 声を発しようとすればするほど喘ぎ声に変わり、無意識にシーツをつかむ。全身が汗ばむほど熱く乱され、とろとろに蕩かされてしまう。
「一度このまま達したほうがいいな」
「やっ……あっ……」
「そのほうが痛くないんだよ」
 ここまでだって未知の世界なのに、櫂はさらなる快楽を与えるかのように舌で秘部を丁寧に舐め、玲菜の全身に快感を教え込む。
 全身が甘く痙攣し、心地よい波にゆらゆらと揺蕩う。
(えっちって、こんなに気持ちいいの?)
 友人たちや雑誌の体験談では〝気持ちいい〟と聞いたことがあるけれど、苦痛でしかなかった玲菜は一部の女性の意見だと思っていた。なのに櫂によって導かれたのは、紛れもない快楽だった。
 とめどなくあふれている愛蜜ですら助長するものでしかない。
「やっ……やだぁ……」
「いい子だ。そのままイけよ」
「へん……身体があつくて……」
 ざらざらとした舌が小さな秘粒を包み込み、ゆるゆると扱くように蠢く。甘美な愉悦が全身を蹂躙し、玲菜の頬に涙がこぼれ落ちる。
「あっ……、それ、だめっ!」
「なにがだめなんだ?」
「おかしくなっちゃ……!」
 凄まじいほどの官能が無垢な肢体を襲い、淫らな悦楽に肢体がビクビクと震える。あっけないほど淫猥に達した蜜芯からようやく櫂の唇が離れ、玲菜は息を整えるのが精一杯だった。
「イったんだな。気持ちよかっただろう」
「わたし……どうしちゃったの?」
「玲菜が気持ちよくなったってことだ」
 自分は全裸であるにも関わらず、櫂が服を脱いでいないことに気づく。玲菜だけが痴態を晒してたことが恥ずかしくてしかたがない。
「どうした? そんな顔をして」
「どうしたって……」
 顔をにやにやさせながら聞いてくる櫂を力なく睨む。が、まったく効果はなさそうだ。それどころか優しくキスをするからずるい。
「本当におまえは思っていることが顔に出やすい」
「悪かったわね」
「そんな玲菜がたまらない」
 いじわるなのに優しい櫂に翻弄されて呆然とする。そんな玲菜の頬を撫でてベッドから起き上がった彼は服を脱ぎ捨てる。
 この世のものとは思えないような引き締まった美しい肉体を惜しげもなく晒し、淫らに微笑む櫂を目の当たりにし、顔をそむける。うっすらと目に飛び込んだ男の象徴は、元也のものよりも逞しい。
(絶対に無理だよ……、どうしよう)
 櫂は嫌なら途中でやめてもいいと言うが、そんなことをしたら櫂の機嫌を損ねてしまうだろう。友人としての櫂だけは絶対に失いたくない玲菜は、怖くて震えることしかできなかった。
「玲菜、怖いなら怖いって言ってもいいんだぞ」
「そんなことないって言ったでしょ」
「意地っ張りな玲菜もかわいいけど、いまだけは俺に甘えてくれ」
「だから……っ」
 櫂がベッドに戻り、生まれたままの姿で抱きしめられる。鼓動の早さと体温の熱さを感じながら玲菜の頬に涙が伝わり、どうしていいのかわからなくなった。
 逞しい身体に包みこまれている感覚が、まるで守られているようでこそばゆくなる。
「おまえを傷つけるだけのセックスはしないから、俺にすべてを預けてくれ」
「櫂……」
「俺は玲菜とふたりで、気持ちよくなりたいんだ」
 指先で頬にこぼれた涙を拭われて顔を上げる。と、そこで微笑む櫂と見つめ合う。
「過去がどうとか関係ない」
「……っ!」
「だから強がらないで、俺に愛されてくれ」
 どこまでも優しくて強い櫂の気持ちに触れ、首を小さく縦に振る。それと同時にこの人を受け入れたいと、玲菜の中に眠る女の本能が目覚めていく。
「玲菜のナカに入ってもいいか? 大事に愛してあげるから」
 いままでこんなことを言われたことのない玲菜は、ただ驚愕する。けれど櫂の優しさが心を溶かしていく。
 泣きたくなるような嬉しさが胸にこみ上げ、恋に憧れていた頃の自分を思い出す。もう何年も前になくしたと思っていた大切ものを見つけられた気分だった。
 そこで櫂はベッド近くにある避妊具に手を伸ばす。そのしぐさがあまりにもセクシーで見惚れていると、彼はすでに勃ち上がっている灼熱の楔に装着した。
 ――怖いけど、櫂ならば受け入れてみたい。
 指を入れられて場所から新たな蜜液があふれ、優しくほぐされて花開く。ほんの少しの決心がふたりを変えていくかのように、花壷の中に肉茎が押し入ってくる。
「ひゃっ……」
「痛いのか?」
「ちょっとだけ……。でも、大丈夫」
 圧迫感はあるものの痛みはほとんどない。そのことに安堵しつつ、それがどうしてなのか首を傾げる。
 蜜であふれている隘路をなじませるかのようにゆっくりと奥に侵入し、何度も甘いキスをされてあやされていく。
「あっ……ふぁ……」
「玲菜はこんなときでもかわいくてたまらないな」
「そんなこと……」
「必死にならないと、こっちが持っていかれそうだ」
 ゆっくりとした動きで櫂が腰を動かし、熱杭が媚肉を擦りつけてくる。それなのに密路は彼を受け入れ、玲菜は初めての感覚にとまどうばかりだった。
(どうして、あんなに大きいのが入っているのに痛くないんだろう)
 圧迫感に征服されているはずなのに、それすらも受け入れていた。
「玲菜のナカは少し狭いな。痛くないか?」
「大丈夫……みたい」
「それならいいけど、痛いなら俺の背中に爪を立てろ」
「ひゃっ……んっ……」
 口から漏れる喘ぎの声が止まらないまま、肉茎をぐいっとねじ込まれる。にも関わらず未知の快楽に生まれ、全身が甘く蕩かされていく。
 まるで櫂から与えられるものならばと自然と受け止めている身体に驚き、心地よい愉悦に痺れていた。
 少しずつ抽挿が速くなっていき、裂かれるような痛みに下腹部が覆われる。なのに櫂から与えられるのならばと、自然と受け止めていることに驚く。
 肉茎をぐいっとねじ込まれたにも関わらず、痛みだけではないなにかに肢体が包む込まれた。
「なに、これ! 身体がおかしいの」
「もっとおかしくなっていい。俺のかわいい玲菜」
「ふぁ……んっ……」
 肉槍が穿ちながら最奥に突き進むにつれ、痛みよりも甘い悦楽に肢体が翻弄されていく。まるで身体が麻痺してしまったかのように、これまでの知識が塗り替えられていた。
 何度もされる甘いキスですら、いまの玲菜には心地いいものに変わってしまう。
 隘路をこすりつけてくる熱杭が甘い快楽をもたらし、心地よい旋律で突き上げはじめる。セックスが気持ちいいとすら思えるなんていまだに信じられない。
 なのに櫂は何度も確かめるかのように玲菜の顔を見つめ、至るところにくちづけてくる。
「ふぁっ……んっ……」
「ここを突かれるのがいいんだな]
「ひゃっ……」
 ひときわ甘い声を放った場所を深い場所を的確に捉え、身体がびくんと跳ねる。どこかに飛んで行きそうな浮遊感に背中をしならせ、思わず背筋をしならせた。
 怖くてたまらないのに、しっかりと手を握られているだけで安心していく。
 なにも考えられずに目の前がちかちかとし、全身に電流のようなものが迸る。それと同時に白濁液が体内に注がれながら達し、しだいに意識が遠のいていた。

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