死に戻ったので、我が子を取り戻すため冷徹公爵の夫を淫らに誘惑した結果

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死に戻ったので、我が子を取り戻すため冷徹公爵の夫を淫らに誘惑した結果

著者:猫屋ちゃき
イラスト:Shikiri
発売日:2026年 9月25日
定価:710円+税

公爵家に嫁いだエリシアは冷酷な夫ヘンドリックに無実の不貞を疑われ、妊娠中に雪の中へ追放され命を落としてしまう!
死の間際、彼女は神に「我が子をこの腕に抱きしめたい」と強く祈った……。
次に気がつくと、結婚初夜に時が巻き戻っていて――!?
エリシアは二度目の人生で、愛しい我が子を取り戻すことを決意。
妊娠したらすぐに屋敷を出て安全な場所で子どもを産もうと計画し、淫らに夫を誘惑するのだが……。
「お前がそこまで私を求めてくれるなら……私は、手加減などできそうにない」
今世のヘンドリックはなぜかエリシアを甘く激しく抱いてきて――!
さらには、ヘンドリックが優しさを見せ、夫婦関係にも変化が訪れて――!?

【人物紹介】

エリシア
公爵夫人。ヘンドリックの妻。
気弱で臆病な性格だが、自身の意思を貫く強さも併せ持っている。
死に戻った人生で再び我が子を望むのだが――!!

ヘンドリック
公爵。エリシアの夫。
放蕩な父を反面教師にし厳格で冷徹な性格。
やり直しの人生ではエリシアに対してなぜか優しい態度になっていて!?

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【試し読み】

 部屋に入ってきたヘンドリックは、いつもと変わらぬ冷徹な表情のまま、ゆっくりと上着のボタンを外し、近くの椅子へと掛けた。
 無駄のない洗練された所作、そして鍛え上げられた広い背中。一度目の人生で、エリシアが恐れ、遠ざけていた夫の姿がそこにあった。
「待たせたな、エリシア」
 低く響く心地の良い声。
 だが、その響きには政略結婚の初夜に対する義務感以外の感情は含まれていないように聞こえた。
 ヘンドリックの灰青色の瞳が、寝台の傍らに佇むエリシアをまっすぐに見つめる。
(落ち着いて、私。ここで怯んだら、またあの雪の日に戻ってしまう)
 エリシアはガウンの裾を握りしめていた手を離し、深く息を吸い込んだ。
 胸の鼓動は早鐘のように打っているが、それは恐怖からではない。我が子をこの手に抱くための命がけの決意の証だ。
「お待ちしておりました」
 一度目の初夜では、ただ怯えて俯き、蚊の鳴くような声で挨拶をするのが精一杯だった。
 そんなエリシアに、ヘンドリックもまた失望したように冷淡な態度を崩さなかった。
 だが、今は違う。エリシアは顔を上げ、潤んだ瞳でヘンドリックをじっと見つめ返した。さらに躊躇うことなく、自ら彼の元へと歩み寄る。
 ヘンドリックの端正な眉が、微かにピクリと動いた。いつも毅然として、他者を取り付く島もないほど突き放す公爵が、ほんの一瞬だけ、明確に戸惑ったように目を瞬かせたのをエリシアは見逃さなかった。
(よし、まずは驚かせられたわ。ここからよ)
 彼の目の前に立つと、上質な香油の香りと、彼自身の男らしい体温が肌に伝わってくる。エリシアは震える手を伸ばし、彼のシャツの胸元にそっと触れた。
 一度目の人生で、何度もヘンドリックと体を重ねた記憶が残っている。だからエリシアは、今の自分も『大人の女』として、彼を上手に誘惑できると思い込んでいたのだ。
「今夜は、あなたと……本当の夫婦になりたいのです。だから、その……私を、抱いてくださいませ」
 精一杯の色気を込めて囁き、ヘンドリックの胸に身を委ねるようにして、しなだれかかった。
 しかし、そこで計算違いが起きた。
(あれ……?)
 ヘンドリックの逞しい胸板に触れた瞬間、指先から脳裏へと、強烈なまでの熱気と緊張が駆け抜けた。身体がガチガチに強張り、顔が一気に沸騰したように熱くなる。
 エリシアはすっかり失念していた。心は死に戻る前の大人のままでも、今の自分の身体は、男性に触れられた経験が一度もない、純潔で『初な体』に戻っているということを。
「エリシア……?」
 頭上から降ってきたヘンドリックの声に、ピリリとした緊張が走る。
 誘惑しようと密着したはずなのに、エリシアの身体は生まれたての小鹿のように細かく震え、彼のシャツを掴む指先は真っ白になるほど力んでいる。
 色気たっぷりに微笑むはずが、緊張のあまり唇は引き攣り、完全に涙目になってしまっていた。
(どうしよう、全然上手くできない……! 身体が、言うことを聞かないわ……っ)
 のぼせるような羞恥心と焦りがエリシアを襲う。これでは誘惑どころか、ただ怯えているようにしか見えないのではないか。
 一刻も早く彼の男としての部分に火をつけなければならないのに、経験の浅い少女のような反応しかできない自分がもどかしくてたまらない。
 けれど、エリシアは諦めなかった。ここで引くわけにはいかないのだ。
 お腹の我が子を思い出し、エリシアはぎゅっと目をつぶると、さらに必死になってヘンドリックの首に細い腕を絡ませた。
「あの、私……不慣れですけれど、あなたを、その……喜ばせしたいのです。だから、どうか……」
 必死に背伸びをして、彼の顎のあたりに、ちゅ、と不器用な口づけをする。
 その瞬間、ヘンドリックの身体が、まるで彫刻のように完全に凝固した。
 エリシアは必死だった。自分の拙い行動が、ヘンドリックの目にどう映っているかなど考える余裕はない。ただ、一刻も早く子を授かるために、彼を受け入れる準備があることを示さなければと、涙目で彼のシャツのボタンをたどたどしい手つきで外しにかかった。
 そんなエリシアの必死さに圧倒されたのか、ヘンドリックの様子が目に見えて変わり始めた。
 義務を果たすためだけの、冷たく乾いていた彼の灰青色の瞳。それが、今はエリシアの震える手を、息を呑んでじっと見つめている。
 彼ほどの力があれば、エリシアのような不躾な接触など簡単に振り払えるはずだ。それなのに、彼は拒絶するどころか、微動だにせず、エリシアの拙い手つきをじっと受け入れている。
 その呼吸は、いつの間にか驚くほど深く、熱く荒くなっていた。
「……エリシア」
 ヘンドリックの手が、エリシアの細い腰をぐっと引き寄せた。
 それまでの形式的な冷たさは消え失せ、彼の掌から伝わる強烈な熱が、ガウン越しにエリシアの肌を焼く。
 彼の大きな身体全体が、まるで獣が獲物を前にして理性を抑え込んでいるかのように、張り詰めて小刻みに震えていた。
「ひゃあっ……!?」
 思わず小さな悲鳴を上げてしまったエリシアを、ヘンドリックは抗う隙も与えず軽々と抱き上げ、豪奢な寝台へと横たえた。
 ふわりと沈み込むシーツの上、見上げるヘンドリックの瞳は、先ほどまでの冷徹さが嘘のように、ギラギラとした恐ろしいほどの熱を帯びて潤んでいる。
 彼が完全に、エリシアの予期せぬ行動によって理性を狂わされているのは明らかだった。
「ヘ、ヘンドリック、様……」
「無理に上手くやろうとしなくていい。お前の気持ちは、痛いほど伝わった」
 ヘンドリックの声は、低く、酷く掠れていた。彼は寝台に膝をつき、エリシアの上に覆い被さる。その仕草一つ一つに、これまでになかった絶対的な優しさと、強引なまでの執着が滲み出ていた。
 ヘンドリックの大きな手が、エリシアの頬を優しく包み込む。
 親指で、緊張のあまり零れ落ちそうになっていた涙をそっと拭った。彼の指先が、わずかに震えているのがわかって、エリシアは胸を衝かれる。
「お前がそこまで私を求めてくれるなら……私は、手加減などできそうにない」
「え……っ」
 驚く隙すら与えられず、ヘンドリックの唇が降ってきた。
 一度目の人生での、淡々とした義務的な口づけとは全く違う。熱く、深く、エリシアの息をすべて吸い尽くすような、情熱的な接吻だった。
「ん、むぅ……っ、はあ……」
 初めてのとき──時が戻る前の初夜のとき、ヘンドリックは愛撫もそこそこに、いきなりエリシアの初な体を暴いたのだ。だから、エリシアは痛みと恐怖に悲鳴を上げ、泣きながら抱かれることになった。
 そのときと、何もかもが違っていた。
 ヘンドリックの手が、エリシアの薄絹のガウンの紐を静かに解く。
 露わになった白く繊細な胸元へ、彼の視線が向けられた。
 ヘンドリックは大きな手のひらで、豊かな膨らみを包み込むように円を描いて愛撫し始める。熱い皮膚が擦れ合うたび、エリシアの背中がびくりと跳ねた。
「ふあ……っ、ヘンドリック、様……」
 掠れた甘い悲鳴を無視するように、彼の唇が胸元へ引き寄せられた。
 形の良い胸の頂へと、彼の熱い舌先が触れる。ツンと尖ったそこを、猫が水を舐めるように優しく、時には吸い上げるように激しく、舌と唇で交互に愛撫していく。
 さらに、もう一方の頂にも指先でじっくりと捏ねるように刺激を加える。
「あ、っ、んん……っ!」
 気持ちよさに、エリシアは喘いだ。
 生まれて初めて知る感覚に、エリシアの弓なりの身体がシーツに沈み、シーツを握りしめる指先に力がこもる。胸から全身へと駆け巡る熱に、呼吸は完全に乱れていった。
 ヘンドリックは、エリシアの目元が快楽の涙で滲み、すっかり艶を帯びているのを確認すると、満足げに喉を鳴らした。
 そして彼の大きな手が、ゆっくりと太ももの内側を滑り、蜜園の入り口へと向かう。
 そこはすでに尋常ではない熱を帯びていた。
 ヘンドリックが細い脚を優しく割り、濡れそぼる中心へと直接触れる。指先が秘裂の割れ目をなぞり、その上で凝っている花芽をそっと捉えた。
「ひゃあ……っ! そこ、は、だめ……っ!」
 強烈な快感に、エリシアは目を見開いた。直感でわかる。ここを刺激されると、大変なことになってしまうと。
 だが、眉根を寄せて困った顔をして〝イヤイヤ〟と首を振るエリシアに、ヘンドリックは目を細めて言う。まるで、子猫などの愛らしい存在を見つめる視線だ。
「だめではない。……お前は、こんなにも私を求めて濡れている」
「あぁぁぁっ!」
 彼が指先を小さく弾くたび、エリシアの口から言葉にならない嬌声が零れ落ちる。溢れ出た蜜が、ヘンドリックの指をじっとりと濡らし、秘処をトロトロの蜜で満たしていく。くちゅ、くちゅと、静かな寝室に甘い水音が響いた。
「んっ……!」
 ヘンドリックは、エリシアの腰が快感で無意識に浮き上がるのを逃さなかった。
 まずは一本、長く節くれ立った指を、蜜に濡れた狭窄へと滑り込ませる。
「うあ、ぁ、……っ!」
「力を抜きなさい、エリシア。もっと気持ちよくしてやる」
 指が内壁をゆっくりと抉るように蠢き、最も敏感な天井の突起を内側から擦り上げた。同時に、親指が外側の花芽を休むことなく弄り倒す。内と外からの容赦のない愛撫に、エリシアの理性の糸はぷつりと切れた。
「あ、ぁ、そこ……っ! ヘンドリック様、わたし、おかしく、なっちゃう……あ、ぁあッ!」
 強烈な絶頂の波がエリシアを襲い、身体が激しく硬直する。
 内壁がわななくように波打ち、彼の指を切なく締めつけながら、大量の蜜を吐き出した。
 初めて迎える絶頂に、エリシアは放心したように大きく口を開け、激しく肩を上下させた。
 しかし、ヘンドリックの愛撫は終わらない。
 果てた直後の、さらに過敏になった内壁へ、彼は容赦なくもう一本の指を潜り込ませた。
「ひぐ、あ……っ! ふたつ、は、はいって、る……っ」
「ああ、二本、しっかりと呑み込めているな。これでお前のここが、どれほど柔らかくなったか……よくわかる」
 二本の指が、中を押し広げるようにゆっくりと抜き挿しされる。
 最初は異物感に身悶えしていたエリシアだったが、たっぷりと溢れ出た蜜のおかげで、徐々にその太さを受け入れ、自ら指を締めつけるような淫らな動きを見せ始めた。
 初なはずの体が、彼の愛撫によって花開きつつある。
「そろそろ、いいだろうか」
「ん……」
 ヘンドリックは濡れた二本の指を引き抜くと、自らの衣服をすべて脱ぎ捨て、凶悪なまでに熱く昂った彼自身を、エリシアの太ももの間に滑り込ませた。眉根を寄せて悩ましげな表情を浮かべているのを見れば、彼が衝動に突き動かされそうになるのをこらえているのが伝わってくる。
「よく頑張ったな、エリシア……今度は、私のすべてを受け止めてくれ」
 彼が腰を沈め、トロトロに熟しきった隘路の入り口へと、ゆっくりと、けれど確かな質量を持って、その身を押し入っていく。
 純潔の痛みに恐怖し、エリシアの手がシーツを掴もうとすると、ヘンドリックはそれを許さず、力強く、しかし壊れ物を扱うように優しく指を絡めて繋ぎ止めた。
「怖がらせてすまない。だが、もう止められない……お前を、私のものにさせてくれ」
「あ……っ、はい……っ!」
 エリシアは痛みに耐えるように、ぎゅっと目を瞑り、彼の広い肩にしがみついた。
 その瞬間、身体を貫く熱い衝撃とともに、二人は本当の夫婦となった。
 痛くて、引き裂かれそうだった。だが、初めてのときと違うのは、痛いだけではないことだ。
(どうして……? 熱く痺れて、とけてしまいそう……お腹の奥、切なくて仕方がないわ)
 エリシアは、下腹部の奥──子を宿す場所が甘く疼くのを感じていた。まるでそこを満たしてほしいとでも訴えるように、ヘンドリックのものを奥へ奥へと誘う。
「くそ……挿れたばかりだというのに、すぐに持っていかれそうだ」
 ヘンドリックは、どこまでも甘く切なげな吐息を零した。
 彼はエリシアの苦痛を和らげるように、何度も何度も優しい口づけを降らせ、少し掠れた熱っぽい声でエリシアを呼んだ。
「エリシア……私の……」
 何かをこらえるように眉根を寄せる彼の表情に、エリシアの胸がキュンとなった。
 まるで、愛しい恋人でも見つめるような視線だ。
 だが、死に戻る前の人生を体験しているエリシアは、彼が自分を愛していないことを知っている。
 彼にとってエリシアは妻の座についていればいいだけの存在で、時折欲を吐き出すだけの抱き人形だったはずだ。
 それなのに、歯を食いしばり、必死な様子で腰を振る彼は、愛しい女性を前に余裕をなくしているかのように見える。余裕を失いながらも、エリシアの様子をうかがい、どんな角度でどんなふうに腰を振れば気持ちよくできるか考えているようだ。
「やっ、あっ、だめぇっ……そこっ……きゃぅっ……!」
 激しく突き上げられながら花芽を強くつままれ、エリシアの腰は跳ねた。一気に快感を与えられ、意識が飛びそうになる。

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