ループ人生に悩む生真面目秘書の私ですが、今世はイケおじ社長からの寵愛が止まりません!?

書籍情報

ループ人生に悩む生真面目秘書の私ですが、今世はイケおじ社長からの寵愛が止まりません!?

著者:雪宮凛
イラスト:天路ゆうつづ
発売日:2026年 9月25日
定価:750円+税

雨の中で見知らぬ女に刺されて命を落とした、宇野架純。
死ぬ直前、力強い男性の声を聞いたが……。
彼女はこれまで恋愛絡みの因縁で何度も人生を繰り返す“逆行人生”を送っていて――?
次の人生では、恋愛を避け、平凡に生きることを決意する。
だが、今回の架純はブラックな職場で理不尽な扱いを受け、ついにはクビを宣告されてしまう――!
そんな中、仕事で関わった有能社長の徳倉勇次と偶然再会し、彼の会社にスカウトされ転職することに。
勇次のもとで働くうちに、架純は彼の誠実さや優しさに触れ、少しずつ心を開いていくが……。
「嫌なら、逃げていいから」
ある日、媚薬を盛られた架純は勇次に助けを求めて――!?

【人物紹介】

宇野架純(うの かすみ)
秘書業を務める32歳。
生真面目な性格で、頼まれると強く断りきれない。
何度もループする人生を送っているのだが――?

徳倉勇次(とくら ゆうじ)
徳倉財閥の御曹司で、会社の一つを任されている社長。41歳。
普段は誰にでも分け隔てなく接し、気の抜けるような笑顔を浮かべている。
架純を自身の秘書としてスカウトして――!?

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*取り扱いサイトは、各書店に掲載され次第、更新されます。

【試し読み】

 他人に頼らず体内に燻ぶる熱を落ち着かせる方法として教えられたのは、架純自身が何度も絶頂すること――言わずもがなセックスだった。
 恥ずかしながら自慰の経験など無いに等しく、こんな状態で一人になることへの不安もあり、「手伝って欲しい」と恥を忍んで徳倉に頭を下げた。
「やっぱりさ、往診してもらおう? 口が堅い人紹介してもらうからさ」
 架純の願いに困惑してか、彼は最初他の解決策を模索し提案してばかりだった。
「本当にいいの?」
「お、お願いします。もう……はぁ……我慢、出来ないっ」
 それでもなお縋り続け、助けを乞う彼女の言葉に、徳倉は複雑そうな表情を浮かべる。
 そのまま彼はしばらく黙り込んでしまい、一方的過ぎたと後悔の念が気持ちをざわつかせた。
「――わかった。俺に出来る限りのことをするよ」
 このまま徳倉が帰ってしまうかもしれない、と考え諦めかけた時、覚悟を決めたように真剣な表情でこちらを見つめ頷く彼と不意に視線がぶつかった。

 再び彼に支えられながら廊下を歩き、たどり着いた寝室。
 部屋の中央に鎮座するベッドの上に二人揃って座れば、普段の倍以上の荷重のせいでスプリングが軋む。
 照明を可能な限り落としてくれた徳倉は、「顔、見えない方がいいでしょ?」と言うや否や、架純の背後にまわり彼女を抱きすくめるように座りなおす。
「え? ――っ!!」
 その素早い行動に驚き、慌てて後ろをふり向こうとしたものの、遠慮がちに胸元へのびる大きく骨太な手のひらに乳房を包まれてしまえば、スーツ越しでも伝わる刺激が彼女の本能をあっという間に支配していった。
 ――ピチャ、ピチャ、クチュッ。
「ンっ、ふ……ンぁ、ふぁぁ」
 それから数分も経った頃には、薄暗い室内に、かすかな水音と小さな喘ぎ声が響き渡っていた。
 この数分の間に、架純は徳倉の手によってスーツや下着を脱がされ、上半身の素肌を彼の前に晒していた。
 最初はシャツの生地越しで遠慮がちだった愛撫も、今では晒された素肌に直接――架純の豊満な乳房が男らしく大きく骨張った手のひらの中で揉みしだかれている。
「あぁっ、は……社長、ン、ふぅ」
 彼の愛撫が生み出す快感にビクビク身体を震わせるたび、紅潮した顔が少し遅れて揺れ、だらしなく半開きになった口元から嬌声が上がる。
 普段の声とはかけ離れた甘ったるい音が、否が応でも聞こえ、そのたびに架純は羞恥に身を焦がし続けていた。
 恥ずかしく思う気持ちが意識の片隅に残っているのに、唇を噛んで声を押し殺すより先に新たな快感に邪魔されては何も出来ない。
「乳首、コリコリになってきたね? 気持ちいい?」
 ふとした瞬間、耳元でクスッと笑う徳倉の声が聞こえた気がして、ふり向こうとするや否や、自身の性感帯の一つにあらわれた如実な変化を指摘されたとわかった。
「ンンッ! んっ、んっ」
 否定するため喉を震わせるも、これまで胸に与えられていた刺激とは違うピリッとした強く鋭いそれが、架純の全身を震わせ、コポッと蜜壺から新しい愛液を大量に溢れさせる。
 彼が指摘した通り、架純の乳首は、徳倉の優しく淫靡な愛撫によって育てられ、気づけばぷっくりと存在を主張するまで膨れていた。
 先端の表面をカサついた指の腹で撫でられ、意地悪くそこを摘ままれクリクリと苛め抜かれれば、どうしても喘ぎ声が大きくなってしまう。
「嫌なら、逃げていいから」
 二人でベッドに上がった後、架純の背後に陣取った徳倉は、逃げ道という名の呟きを発した。
 それは一度ではなく、愛撫で善がる彼女に向けて、時たま小さな声で呟かれる。
 しかし、架純は今もなお彼の腕の中で与えられる刺激を享受し続けている。
「は、ぁ……ンンッ。社長……ンぁ、はっ」
 脱力した両足をベッドの上に投げ出し、上司の胸に上半身を預けた彼女が喘ぐたび、口から零れ落ちた唾液が胸元をいやらしく濡らしていく。
 時間が経てば冷たくなるそれを、媚薬と愛撫によって身体を熱くする彼女が気にする様子はない。
 架純が声を発すれば、またピチャピチャと新しい唾液が溢れ、彼女の胸元はもちろん、徳倉の骨張った指や手の甲を汚していく。
 架純の胸を揉みしだく方とは逆の手――彼の指が、架純の口内を愛撫しているせいだ。
 最初架純は、他人の指が口の中へ侵入する感覚に驚きを隠せなかった。
 けれど、頬の内側などの柔く敏感な粘膜を優しく撫でられ、そこに生じた甘い疼きに架純の意識はいつの間にか囚われていた。
 新たな性感帯を自覚して以降も、徳倉の手が架純の胸と口元から離れていく気配はない。
 それどころか、彼の手が与えてくれる快感はどれも甘いうえに、タイミングや強弱、すべて架純の予想を裏切るせいで、次第に身体が骨抜き状態になっていく。
 その証拠に、初めは一本だった彼の指が今は三本に増え、徳倉の手を濡らす架純の唾液量も格段に多くなる。
 指が増える時ほんの一瞬だけ驚きはするが、優しく口内を刺激し続けるそれに不思議と嫌悪感は抱かなかった。
(もっと、気持ちよくなりたい……)
 それだけに留まらず、これまで一方的な快楽を享受するだけだった架純は、気づくと少しずつ自ら行動を起こすようになった。
「ふぁ、ぁ……んっ、ン……」
 すっかり彼女の口内の弱い箇所を熟知したとばかりに、敏感な部分に触れる徳倉の節くれだった指に、架純は自らの舌を絡め、逆に彼の指を愛撫していく。
「っ! ははっ、なーに? おねだり?」
 初めて見せたこちらの反応に、一瞬徳倉の愛撫が止まった。けれど、指の強張りは数秒で無くなり、ぎこちなく動く彼女の舌を軽く摘まんだ彼は、くちゅりと愛撫の矛先を移動させた。
 架純の反応に何を思ったのか、耳元で聞こえる彼の声は心なしか弾んでいる。
「赤ちゃんみたい。可愛いね」
 もっと気持ちよくして欲しい、と強請るように、舌をもてあそび始めた彼の指にチュッチュっと吸い付くたび、徳倉のご機嫌な声がすぐそばで聞こえる。
 自分から行動を起こしたことで、これまでずっと架純の中でくすぶり続けていた〝女性としての本能〟が主張を始める。
 与えられる快楽に意識を囚われていけば、普段の生真面目な彼女からは考えられないほど、おねだりの仕方も大胆になっていく。
 夢中で吸い付いていた彼の指から、若干名残惜しそうに口を外した架純は、彼の興奮を煽るように、胸を包む大きな手に白く柔らかな乳房を押しつけた。
「社長……こっちも、欲しい、です」
 そして、すっかり唾液塗れになった彼の手を掴み、まだスカートとストッキングで守られている己の下着――の奥にある秘部を触らせる。
 彼の手と一緒に架純自身の手もそこへ触れれば、吸収しきれなかった愛液に塗れ冷たくなった布の感触に気づく。
 それを恥ずかしく感じる理性や平常心がほとんど失われつつあるせいか、架純はほんのり頬を染めるだけで、薄暗いなか自分の背後に座る彼を見上げた。
「社長」
 ――お願い、です。
 散々喘いで赤らんだ頬、快楽のせいでトロンと蕩け潤んだ目、意図せず甘えるような声を発するつややかな唇。
 それに加えて彼女の意識まですべて向けられ、一瞬目を見張ったように見えた徳倉の喉元から、ゴクッと生唾をのみ込む音が聞こえる。
「触ってあげるから……俺のこと、勇次って呼んで?」
 より一層ソノ気になれるように、グイグイと胸と秘部を彼の手のひらに押しつけると、予期せぬお願いの声が聞こえ、今度は架純が驚かされた。
「……へっ?」
 媚薬の影響と立て続けに与えられる快感ですっかり蕩けた思考力でも違和感を覚え、数秒遅れて気の抜けるような疑問符が口をついて飛び出す。
「せっかく、気持ちいいことしてるのに……いつもと同じ呼び方じゃ、気分もアガらないでしょう?」
 キョトンと不思議そうな表情で首を傾げる架純にクスッと笑いかけた彼は、普段と同じ優しい口調――に甘さを混ぜ込んだような熱っぽい声を出し、耳元で囁いた。
「ンぁあっ!」
 直後、カプっと耳全体を甘く食まれ、予期せぬ刺激に身体が反応してしまう。
「でも……社長のこと、名前でなんて」
「別に俺は気にしないよ? 俺も今は架純ちゃんって呼ぶから。ね?」
 震える声で戸惑う気持ちを伝えても、彼がこちらの主張を受け入れる気配はない。
 それどころか、「名前呼び、一緒でしょう?」なんて、子供に言い聞かせるような口調で囁くのだ。
 ――トントン、トントン。
 声に合わせて、彼の指は下着越しに秘豆の周辺をリズミカルにタップし刺激する。
 直接触っていなくても、興奮している架純の秘豆は襞から顔を出しているようだ。
 その証明とばかりに、下着をこする徳倉の指が敏感な部分を刺激するたび、「あっ、あっ!」と快感を訴えるあられもない声を発してしまう。
 上司を名前呼びすることに抵抗する架純と、彼女が求める刺激を意図して与えない徳倉。
 か細い声で、「も、もっと、強く」と強請っても暖簾に腕押しでしかなく、羞恥心と本能的な欲が彼女の中で幾度となく衝突し続ける。
「……と、くら、しゃん」
 数分後。何度も素直に彼の求めに応じようと開きかけ、そのたびに閉じてきた唇から、彼女なりの妥協点な音が零れ落ちる。
 これで許して、と言いたげに瞳を潤ませながら、見上げた先――暗いせいで見えにくくなった上司の表情に喜びの色が乗った気がした。
「……今は、それでいいか。いい子だね、架純ちゃん」
 直後、耳元で優しい囁きが聞こえるや否や、遠慮がちだった徳倉の手元がグッとスカートの奥へ侵入していく。
 動きに合わせてビクッと両脚が震えたせいか、タイトスカートがずり上がってしまう。それとは対照的に、ストッキングが脱げ、これまでずっと衣服でガードされていた架純の下半身が少しずつ露わになる。
 架純がそのことに気づくよりも早く、徳倉の太い指が愛液を零す蜜口からナカへ挿入(は い)ってきた。
 ――くちゅりっ。
「ひゃあああっ!」
 直後、これまでのどこかじれったさが残る優しい快感を凌駕する強烈な快感が架純の中を駆け巡り、会社で感じた以上の絶頂を味わった。

 それから、徳倉はまるで褒美でも与えるかのように、架純のナカを愛撫し続けた。
 途中でポイポイとスカート類を脱がされ、スーツを着崩した気配すらない徳倉と違い、架純は一糸まとわぬ姿で彼の腕に抱かれている。
 しかも、絶頂が生む快感を思い出したからか、はたまた一向に消えない火照りに意識が取り込まれてか、さっきまであったはずの羞恥やためらいが架純の中から消えていた。
「あっあっ、徳倉しゃ……もっと、もっと奥ぅ」
 すると彼女は、欲に素直な甘えを発するようになり、時間が経つほど一層大胆になっていく。
 架純の要望に応えるためか、蜜壺内を責め立てる徳倉の指使いも次第に激しくなり、こちらの不意を突いて敏感な部分を爪先で優しく擦られるたびに、軽い絶頂に襲われる。
 イクたびに、蜜口からは大量の愛蜜がコプッコプッと溢れ、ベッドシーツに大きなシミを広げていく。
 最初は自分の体重を支えようと徳倉の腕を掴んでいた彼女の手からも、今ではすっかり強張りが消えていた。
 自分のすべてを徳倉に委ねるようにもたれかかる彼女の指先が、時折切なげにスーツに覆われる腕を撫でていく。
(指じゃ、ダメ……もっと、奥に)
 その後も、アンアンと喘ぎ声をあげ、彼の腕の中で快楽に溺れていた架純は、満たされつつあったはずなのに、次第に不思議と物足りなさを感じ始めた。
 そばにいてくれる徳倉に対し、不満を抱くなんてもっての外。
 しっかり理解しているはずなのに、熱に浮かされてフワフワするだけになった意識が〝もっと、もっと〟と欲を出す。
 ――こんな気持ち……彼にどう伝えればいいの?
 頭の片隅にあらわれた疑問符に、ほんの少し息を吹き返した理性が囚われる。
「徳倉、しゃん」
 自分の中に芽生えた気持ちに困惑を覚える架純の唇は、気づくとすぐそばにいる彼の名前を紡いでいた。
 一度口にしたからか、以降は何度も、甘い艶が滲むか細い声が彼の名前を音にした。
「ん?」
 ほどなくしてこちらの声に気づいた様子の徳倉の手元――ナカで抽送(ちゅう そう)を続けていた指の動きが緩やかになる。
 元々すぐそばにあった彼の気配が、架純の顔を覗き込もうとより近づくのがわかった。
「架純ちゃんどうした――ッ!?」
 視界の端に彼の顔――唇が見えた瞬間、本能に突き動かされるまま架純は自分のそれを重ね、上半身を軽くねじって身体の向きを変えると彼の首に両腕を回し抱き着いた。
 半ば衝動にも近い口づけは、一度で満足出来るものじゃないらしい。
「架純ちゃん、ッ、どうした、の?」
「ンっ、はぁ……徳倉しゃん……徳倉しゃん」
 誰かに盛られた媚薬のせいだ。身体の奥でくすぶり続ける熱さのせいだ。
 すべてに勝手な言い訳をくっつけ、チュッチュ、と目の前のカサついた唇を食むように塞ぎ続ける。
 予期せぬ架純の行動に戸惑う上司の声が聞こえなかったわけじゃない。
 にも関わらず、抑えきれない衝動と女としての本能が、目の前にいる優しく熱いぬくもりを、最近少しずつ信頼を寄せるようになった数少ない雄を求めてしまう。
 戸惑いの声を上げる徳倉の唇が開くのと同時に、架純は自ら彼の口内に舌を割り入れ、触れるだけだったキスを濃厚なそれに変えた。
「っ、はぁ……んっ、ンン」
 彼女の舌に気づいた彼が一瞬身体をビクつかせる振動が伝わってきたが、拒絶され、無理矢理突き放される気配はない。
 それどころか、架純の胸や秘所を触っていた手を一旦離した徳倉が、少し遠慮がちに腰に触れ体の向きを変えてくれる。
 それからの二人は、至近距離で正面から向き合ったまま互いを抱きしめあった。
 相手の舌に自分のそれを絡め、時折舌をのばし相手の口内を愛撫しあう激しいキス。
 息継ぎのために数秒唇が離れても、どちらからともわからずまた唇を重ね貪りあう。
 最初は遠慮がちに、腰のあたりに添えられるだけだった彼の両手に次第に力がこもるのが伝わってくる。
 激しくなる口づけに同調してか、背中にまわった徳倉の両腕にまで力がこもっていった。
 力強く抱きしめられた反動か、彼の首元に回した両腕に入る力も強くなってしまう。
 徳倉との間にある隙間を埋めるように、より身体を密着させた架純は、彼との熱い口づけにことさら夢中になった。
 それからも、薄暗い室内に、互いに舌と唇を貪る水気混じりな音や、熱のこもった吐息が響く。
 架純の熱情にあてられたのか、徳倉はキスの合間に乱暴な手つきでネクタイの結び目を解き、スーツの上着共々ベッド下へ放り投げた。
 徳倉の胸板を隠すモノがYシャツ一枚だけになり、二人の素肌を隔てる壁がグンと薄くなっていく。
 こちらから胸や手を押し当てるだけで、ドクドクと少しだけ速い彼の心音が感じられ、なんだか妙に嬉しくなった。
(徳倉さんだけ……ズルいわ)
 キスの合間、つい悪戯心が働き、彼のYシャツのボタンに手をのばしていく。
 すでに裸体を晒している自分と違って、いまだ衣服を着ている徳倉に一方的で理不尽な不満を抱いてしまったせいだろう。
 プチプチとボタンを外して胸元を解放していく。
 その行動が咎められる気配はなく、汗ばんだ喉仏や胸板の感触を直に感じられたからなのか、架純の興奮はどんどん増していく。
 そして彼女は、キスに夢中なあまりいつの間にか彼の膝の上に乗り上げるような体勢になっていた。
(徳倉さん……大きくなってる)
 そんな時、ふとあることに気づく。
 これまで以上に密着するお互いの中心部分――スラックス越しでもわかる硬さと熱をくすぶらせた彼の剛直が、時折架純の内ももを掠めるのだ。
「ンっ……こら、架純ちゃん、悪戯はダメでしょっ」
 スラックス越しにグッと存在を主張するように勃起した欲が刺激されたからか、不意に熱を含みながらもどこか押し殺すような低音が耳に届く。
(悪戯じゃなくて、偶然なのに)
 キスをする過程で無意識に身体が揺れてしまう。その影響で、彼の欲が内ももに当たってしまうため、架純からすれば、〝徳倉さんの方が悪戯しているんじゃ〟と最初は考えてしまった。
 だけど、向こうからすれば、まったく真逆の考えらしい。
 ――大変不服である。
 ここは、一言文句を言うべきだろうか。なんて思った架純は、薄暗い室内に慣れた視線を改めて目の前にいる徳倉へ向けた。
 すると、暗い中でも彼の赤らんだ頬が目につき、不思議と気分が高揚するのがわかる。
「徳倉しゃん」
 ――このまま、シましょう?
 徳倉の興奮を知った架純は、あれだけ夢中になっていたキスを唐突に止めて唇を離し、彼の耳元へ唇を寄せ名前を呼び囁いた。

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