甘濡れ愛欲 〜淫靡な誘惑が進展の秘訣です〜

書籍情報

甘濡れ愛欲 〜淫靡な誘惑が進展の秘訣です〜


著者:水戸けい
イラスト:園見亜季
発売日:2021年 5月28日
定価:620円+税

千秋と昭は、同じ部署の上司と部下であり恋人同士。
週末は昭の家でご飯を作り、休日には一緒に過ごし――傍から見ても順調なお付き合いをしている2人だが、千秋の頭には「結婚」というワードが渦巻いていた。
しかし、彼の方は特に結婚を意識している様子はなくて……もしかして、これって倦怠期?
悩んだ千秋は友人に相談するも、提案されたのはまさかのコスプレエッチで!?
「目の前にごちそうを用意しておいて、おあずけさせる気か? いじわるだなぁ、千秋は」
結婚するなら昭がいい……そんな千秋の健気な気持ちは、見事に昭の雄の本能を刺激する――!?

【人物紹介】

柳原千秋(やなぎはらちあき)
恋人の昭と付き合って三年が経ち、週末婚のような生活をしているOL。
控えめでピュアな性格。気持ちが表情にでやすいのか友人に度々からかわれている。
彼との今後の人生のために、マンネリ防止計画を実行する。

稲生昭(いなおあきら)
千秋の恋人であり、彼女の部署の課長。
優しく穏やかな性格で、千秋の作るご飯が大好き。
現在は仕事が多忙になっている。



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*取り扱いサイトは、各書店に掲載され次第、更新されます。

 

【試し読み】

 ドキドキしながら勤務を終えた千秋は、今日の夕食は和食にしようと決めて昭のマンションに向かった。
(日本食、久しぶりだろうし)
 翌日も彼と室内で過ごせるように、肉じゃがを多めに作る。味噌汁の準備も終えた千秋は、シャワーを浴びて体を念入りに洗った。
(大丈夫、大丈夫)
 きっとうまくいくと祈りながら髪を乾かし、ショーツだけを履いて素肌にいつものエプロンを身に着ける。本当はショーツも脱いでいた方がいいのだろうが、そこまでの勇気は出なかった。
「恥ずかしい」
 ぼそりとつぶやき、鏡を確認する。あれこれ美也子と相談した結果、まずは裸エプロン姿で出迎えてみるという案で落ち着いた。こんな姿で出迎えたら、昭はどんな顔をするだろう。
 心臓がバクバクと激しく脈打つ。まだ彼からは帰宅の連絡は着ていない。スマートフォンを手に取って、美也子にメッセージを打とうとして思いとどまる。
「しっかりしなくちゃ」
 不安になったと泣き言を伝え、やっぱりやめると逃げ出しそうな自分を叱咤する。親身になってアドバイスをしてくれた美也子の提案を受け入れて、自分でやると決めたのだから、この期に及んで助けを求めるなんて情けない。
 ソワソワしていると、昭から帰宅のメッセージが届いた。いつもなら料理を温め直すのだが、期待をしている状態――誘惑された昭と艶めいた行為に及ぶ――になると、すぐには食べないことになる。
(私、いやらしいかな)
 淫らだと嫌悪されたらどうしよう。だけど給湯室でキスをくれた。彼も触れ合いたいと思ってくれているはず。だったら、受け入れてくれるだろう。
(大丈夫、大丈夫)
 呪文のように繰り返していると、鍵を開ける音がした。口から飛び出してしまいそうなほど、心臓が大きく跳ねる。玄関の扉が閉まる音を聞いてから、彼を出迎えに行った。
「お、おかえりなさい」
 おずおずと言った千秋を見て、昭の動きが止まった。大きく目を見開いて、口をポカンと開けている。彼の様子にみるみる羞恥が湧きあがって、千秋は顔を真っ赤にした。ギュッとエプロンの端を握る。
「っ、その……びっくりしたよね? ごめんね、変な格好で出迎えて。なんていうか、えぇと……は、恥ずかしいんだけど、ちょっといつもと違った感じで出迎えたらって思ったっていうか」
 視線をうろうろさまよわせて、うつむいた千秋の体が昭の腕に包まれる。
「びっくりした」
 耳に息を注がれて、ゾクゾクと背骨が震えた。蜜のようにとろりとした声で、ささやかれる。
「俺が欲しがっているって、通じてた?」
 素肌の背中を意味深な指先で撫でられて、喉の奥から艶やかな息がこぼれた。
「は……ぁ」
「千秋」
 耳朶を甘く噛まれて、鼻にかかった声を上げる。
「ぁ、昭ぁ……っ、ご飯は?」
 予想以上の反応にうれしくなりつつも、恥じらいがためらいを呼んで空腹の心配を口にした。
「目の前にごちそうを用意しておいて、おあずけさせる気か? いじわるだなぁ、千秋は」
「ふぁ、違……っ、お腹、すいていないかなって」
 耳裏を舐められて顎の付け根を吸われただけで、足の間がキュンと締まった。肌が粟立ち、骨の奥からふつふつと熱が生まれる。予想以上の反応がうれしくて、羞恥がどこかへ吹き飛んだ。そうなると、会えなかった時間分の昭がほしくてたまらなくなった。
 十日も離れていた寂しさが、情欲へと変化する。
「空腹よりも、千秋に飢えてる」
「あ、ん」
 ショーツの中に手を入れられて、尻の谷を撫で上げられた。官能の電流が駆け上がり、乳首がツンッと尖ってエプロンを持ち上げる。
「すごく、色っぽい」
 吐息交じりの昭の声は劣情を帯びていた。軽く首筋に歯を立てられると、くらくらと心地いいめまいに襲われた。
「ふ、ぁ……んっ、昭」
 壁に押しつけられて、唇を奪われる。舌で口をなぞられて、薄く開くと口腔をまさぐられた。深いキスを受けながら、昭がジャケットを脱ぐ音を聞く。キスをしたままネクタイを外した彼の首に腕を回し、もっと深いキスが欲しいとねだる。
「んっ、ふ……ふ……ぅ、うんっ、ふ」
 チュクチュクと妖艶な水音を立てて、互いの舌を絡めあう。昭はシャツのボタンも外して、上半身裸になった。頭の芯がぼうっとなるほど口腔を愛撫され、千秋のショーツはわずかに湿った。ぷっくりと実った胸の先に昭の指がかかる。
「あっ、あ」
 エプロンの上から乳首の周囲を指の腹でなぞられて、千秋は小さく震えた。淡い刺激がもどかしいのに気持ちいい。エプロンの上からでも、はっきりとわかるほど実った乳嘴の先が布でこすれて甘い痺れが乳房に広がる。
「は、ぁ……昭ぁ」
「いやらしい声、かわいいよ。もっと聞かせて?」
 彼の唇が滑るように顎と首を経由して、鎖骨に触れる。エプロンを握られて、胸の谷間で布がよじれた。あらわになった胸の先に、昭の舌が絡みつく。
「は、ぁあん」
 弾くように舐られた個所に意識を奪われ、千秋は昭にしがみついた。ちょっとした舌撫が体の奥に響くのは、ひさしぶりに触れ合ったからなのか。それともちょっとしたシチュエーションの違いが理由だろうか。
 胸先を味わわれながら、太腿を撫で上げられて女の園がざわめいた。彼の舌に絡めとられる乳首が、もっとたわむれてほしいとツンと尖って硬くなる。
「ぁ、はぁ……っ、ん、ぅ」
 刺激のないほうの胸先が細かく震えて愛撫を求める。気づいた昭の指が触れて、千秋は安堵に似た息をこぼした。
「あ、ふ……っ、ぅん」
 身をよじると、グッと強く壁に押しつけられた。指の腹で乳首をつままれ、からかうように転がされて、甘痒さに肌がとろける。腹の奥がじんわりと温かくなって、とろりとした湯が湧き出るように、優しい蜜が生まれて流れた。
「はぁ……っ、う……あ、ぁあ」
 ざわめく肉花が蜜を含んで、しっとりとほとびていく。キュッと尻に力を入れて、くずおれそうな膝を支える千秋の陰核が脈打った。
「千秋……いつもより、感じてる?」
 ささやきに濡れた乳首が刺激され、淡い恍惚に鼻の奥がヒクヒクした。
「んぁ、あ……だって、昭……いつもと、違う」
 すすり泣くような声が出た。脚の間の疼きをどうにかしたくて、内腿をモジモジさせているとニヤリとされた。
「早く、触れてほしい?」
 どこを、と言われなくてもわかってしまう。恥ずかしくて、千秋は下唇を噛んだ。
「かわいい」
「んあっ」
 ぱくっと乳首に吸いつかれ、色づきの周囲をなぞられて乱暴なほどに舌で先端を転がされると、腹の奥の蜜量が増えて陰唇が潤っていく。ショーツが湿り、肌に張りついてもどかしさが募った。
「ぁ……昭ぁ」
 ねだる声で名を呼ぶと、胸に唇を当てたままの昭に艶めいた視線で見上げられた。心臓が恋しさに絞られて、したたる想いが蜜となって隘路を潤す。
「そんな声で呼ばれたら、期待に応えないとな」
 エプロンの裾をまくった昭の指が、ショーツに触れる。布越しに秘裂の先端を擦られて、じれったい快感に腰が揺れた。
「ふぁ、あ……んっ」
「もう、こんなに濡らして」
「やんっ」
 ショーツの脇から入り込んだ指に、濡れた肉花を擦られる。高い悲鳴を上げると、意地の悪い顔をした昭が首を傾げた。
「いや?」
 ほんのりとした笑みを浮かべる昭に、心のじゃれあいを感じて肌がより一層熱を上げた。ふるふると首を左右に動かして、すねたような口調でねだる。
「もっと……して」
 期待と興奮いっぱいの瞳に昭を映して腕を伸ばす。ふわりと昭の目が三日月形になった。穏やかなまなざしの通りに指が動いて、震える肉花をなぐさめるみたいに上下に動く。切なくなるほどやわらかな刺激に、千秋は顎を反らして天を仰いだ。
「ああ……はぁ、あ……ぁん」
 うっとりとした息がこぼれる。肉花の内側に沈んだ指に、ぬれそぼって膨らんだ花弁をまさぐられる。ぬるま湯に浸ってゆらゆらと揺れているような、春の日だまりの中でうつらうつらとしているような、なんとも言えないふんわりとした官能に包まれた。
「ふ、はぁ……あっ、あ……あぁ、昭ぁ」
 クチュ、プチャ、と蜜と空気の混ざる音がして、鼓膜が淫靡に乱される。頭の芯に響く水音に意識が溶かされて、愛おしくも淫らな本能に支配されていく。
「んぁ、あっ、ああ」
 まさぐる指を増やされて、潤びた肉花を開かれる。左右の花弁に別々な刺激を与えられ、千秋は昭の肩に手を置いて背にあたる壁に体重を預けた。そうしていないと膝から崩れて、床に座り込んでしまいそうだ。
「あっ、ぁん、昭ぁ、あっ、あ……っ、ダメ……ねぇ、立ったままは……っ」
「どうして?」
「んんっ、足に……力が……っ、はいらな……あっ、あぁ」
 ガクガクと膝が笑って、壁で背中を支えていなければ立っていられない。なんとか体を支えようとしているが、このまま愛撫を続けられたら、完全に力が抜けてしまう。
「そんなに、感じているんだな」
 クスリと笑いを含んだ声に湧いた羞恥が快感と混ざり合い、淫らな震えが大きくなった。
「昭ぁ」
 もう無理だと思ったと同時に、腰を抱かれて持ち上げられた。
「きゃっ」
「もっと千秋が愛撫に集中できるように、移動しよう」
 軽々と運ばれて、千秋はダイニングテーブルにあおむけに寝かされた。ショーツを引き下ろされ、グイッと脚を持ち上げられる。
「あっ、ヤダ!」
 脚を大きく開かれて、大事なところが昭の視線にさらされる。
「蜜がたっぷりで、おいしそうだ」
 からかう口調の昭の顔が下肢に近づき、濡れた花弁に舌が這う。
「ひぁうっ、あ……あんっ」
 わざと音を立てて味わわれ、千秋はエプロンの裾を両手で握りしめた。恥ずかしくて気持ちが良くて、どうしていいのかわからない。
「ぁうぅ、は、ぁふぅ……っ、う、うぅんっ」
 鼻にかかった声がこぼれて、彼にいじられ育った乳首が刺激を求めてジィンと痺れる。腕を縮めて乳房をはさみ、なんとかなだめてみようとしても効果はなかった。逆に意識をしてしまい、体中が愛撫を求めてざわめく結果になってしまった。
「んぅう……昭ぁ、あっ、あ……っ」
 舌が深く差し込まれ、円を描くように乱されると背骨に甘美な電流が走った。のけぞった千秋の足は大きく開き、さらに昭の顔が強く押し当てられる。
「ひぁあんっ、あぁあ……っ、あっ、そこぉ、あっ、ダメぇ」
 隘路の入り口をくすぐられ、身もだえる千秋の小ぶりな乳房がプリンのようにふるふる揺れる。腹筋がわなないて、さらに愛液をしたたらせた。
「あんっ、あ、ああぁあ」
 気持ちが良くて、どうにかなってしまいそうだ。
(どうして私、こんなに……いつもより感じちゃってるの?)
 久しぶりの丁寧で執拗な愛撫だからだろうか。普段よりもずっと過敏になっている自分にとまどう千秋の脳裏に、美也子の声が響いた。
 ――ちょっとしたことでいいんだって。シチュエーションを変えるとか。
 かなり勇気は必要だったが、やったことは〝ちょっとしたこと〟でしかない。昔から言われているシチュエーションを試してみただけで、こんなにも違ってくるのか。
「は、ぁああんっ」
 彼の舌が陰核に触れ、目の奥がチカチカするほどの快感に襲われる。舌と上顎に挟まれて、扱かれる陰核から生まれた悦楽が全身に広がって蜜壺が淫猥な心地よさに満たされる。心なしか、昭の舌撫がいつもよりリズミカルな気がするのは、彼もこの状況を楽しんでくれているからだろうか。
「はふっ、はぁあっ……あぁ、あうぅんっ」
(き、気持ちいい)
 脳みそが溶けてなくなってしまいそうだ。濃艶な温泉に、肌がふやけてしまうほど浸かっているような錯覚に陥ってしまうほど、陰唇への深いキスが気持ち良すぎる。体の奥が膨らんで、昭が欲しいと叫んでいる。もっと深い場所に昭を与えてもらいたい。淫らなキスでは、物足りない。
「昭ぁ……っ、あ、ねぇ、昭ぁ」
 手を伸ばし、昭の髪をまさぐって訴える。
「ねぇ、昭……っ、昭ってばぁ……ひゃうっ!」
 ジュッと強く花芯を吸われて、テーブルの上で跳ねた千秋の上に、さっと昭が覆いかぶさる。
「ひとつになりたい」
 濡れた唇で熱っぽく求められ、千秋はコクンとうなずいた。
「私も」
 ほほ笑んだ昭が離れ、避妊具を取りに行く。残された千秋は目を閉じて、深呼吸を繰り返した。心も体も期待の熱で火照っている。充足を感じているのに、その先を求める自分と、望み通りに与えてくれる昭。さらなる満悦を味わうための短い空白が、とてつもなく愛おしい。
 足音が戻ってきて、千秋は目を開けた。
「お待たせ」
「うん」
 心音が興奮に高まっていく。
 互いの顔が引き寄せられて、唇が重なった。彼の唇をついばみながら、昭の肩に腕を絡める。情炎を含んだ息をこぼす昭がベルトを外し、猛りを取り出す音を聞きながら心音を昂らせた千秋は、滾る先端で秘裂をつつかれて息を呑んだ。
 求める場所に彼が埋まる。
 期待に、心臓がギュッと身構えた。
「千秋」
 甘く情熱的な囁きにクラリとして、淫靡に揺れた瞳に愛おしさの涙がにじむ。目じりにキスをされ、ふっと力を抜いた千秋の中心に昭の情熱が穿たれた。
「ぁ、はぁ……っ! あ……あっ、あ」
 ズ、ズ……と、ゆっくりと千秋の体が開かれる。求めるものの質量に内側から支配される幸福を、ゆるやかな律動と共に味わった。
「あ、あ……あぁ、は、ぁ……っ、ふ……ぅ」
 膝が肩に当たるほど大きく折り曲げられて、千秋の下生えと昭の恥毛が重なった。根元までしっかりと陰唇で包んだ千秋は、目を閉じて幸福な圧迫を堪能する。
「あぁ……っ」
 体中が昭に埋め尽くされている気がして、喜びに満たされる。首筋を唇でくすぐられ、クスクス笑いながら昭の額にキスをした。
「こうして千秋とひとつになるのは、すごく久しぶりな気がするな」
 しみじみと、昭がこぼす。メールでも心の繋がりは感じられたけれど、こうして触れ合うと、より強く彼の存在を意識できる。表情を間近で見られて、互いの気持ちを認識できるのもうれしかった。
「私も」
 同じ調子で千秋が返すと、昭が眉根を寄せた。
「ごめん」
「どうしたの?」
 小首をかしげた千秋に、昭は力なくほほえんだ。
「ここのところ忙しさにかまけて、千秋をないがしろにしていたよな」
「そんなこと」
 ない、と言い切る前に、唇で言葉を遮られた。
「きちんと愛していたつもりだったけど、千秋に寂しい思いをさせていたんじゃないかって、ふと感じたんだ」
「昭……私、そんな」
 ゆっくりと首を振った昭の哀切を含んだ笑顔に、反論ができなくなる。口をつぐんだ千秋の額に、こつんと軽く昭が額を重ねる。
「俺が、そう感じたから……俺が少し、寂しいと思ってしまったから、千秋はもっとそうだったんじゃないかって考えたんだよ」
 彼の熱い呼気が唇に触れて、千秋は顎を持ち上げた。チュッと軽く彼の口に吸いついて、にっこりする。
「出張の間、寂しかった?」
「もちろん。その前から……仕事で忙しくなって、こうしてじっくり千秋と触れ合えなかった間も、本当は寂しかったんだって、今、気がついた」
「昭」
 愛おしさを込めて呼び、ほんのわずかに首をかしげる。深いキスを求める千秋のポーズに、昭は情熱的に応えた。
「んっ、ふ……ぅ……んんっ」
 唇を割って入った彼の舌が、ひとつの生き物のように千秋の口腔を蹂躙する。陶酔に似た痺れが口いっぱいに広がって、幸福なめまいが体を包む。
「んぅ……ふ、は、ぁ……昭」
 自らも舌を伸ばし、彼の舌に絡みつく。踊るように戯れる舌の激しい動きとは裏腹に、昭が小刻みに腰を揺らした。
「んんっ、ふ……ぅ、んんっ」
 ふさがれた唇から逃れられない嬌声が、鼻から漏れる。パチュパチュと水面を叩くような音がして、隘路だけでなく陰唇も彼の肌に擦られた。むず痒く甘美な震えに歓喜した肉花が、キュウッとすぼまり雄根を絞る。
「んっ」
 短く息を詰めた昭の瞳が、情欲に濡れている。ゾクッと心臓が淫らな興奮にわなないて、千秋は足で彼の腰を引き寄せた。

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