
極上警察官の淫らな独占蜜愛からは逃げられない
著者:真蜜綺華
イラスト:小島きいち
発売日:2026年 1月23日
定価:720円+税
創業から百二十年続く吉原茶舗の五代目店主を務める吉原和香。
彼女は、ひょんなことから赴任してきた寡黙な警察官・日下部圭吾から夜な夜な甘い施しを受けていた。
圭吾に惹かれながらも、恋人になるというやり取りもしていない関係にやきもきしていた和香だったが……。
昔馴染みの貴浩から「圭吾が女性と腕を組んで歩いていた」という情報を聞いてしまい――!?
その夜、思い悩む和香の元にやってきた圭吾も、なぜかいつもと違う雰囲気を纏っていて……?
「こんな顔、他の男に見せたくない」
激しく淫靡な夜をきっかけに、紆余曲折ありついに想いを伝え合えた二人。
二人の恋が深まる一方で、貴浩の仄暗い執着が和香に忍び寄ろうといていた――!
【人物紹介】
吉原和香(よしはら わか)
老舗茶舗『吉原屋』を切り盛りする五代目店主。26歳。
清楚で凛とした様子の着物美人。
伝統を守るため自分を律してきたが、圭吾と出会ったことで徐々に女性として彼を求めるように。
日下部圭吾(くさかべ けいご)
春に『吉原屋』の近くに赴任してきたばかりの寡黙な警官。28歳。
はっきりとした二重瞼にすっと整った鼻筋の端正な顔立ちをしている。
誠実で硬派な姿で『吉原屋』の常連にも大人気だが、和香に対しては何やら想いを秘めていて……?
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【試し読み】
店内にはまだ数名の客がいる。
それなのに、圭吾の熱っぽい眼差しが脳裏で黒く塗り潰されていく。
圭吾は、なぜ自分に黙っていたのだろう。なぜ、あんなにも甘く、まるで愛し合う恋人のように触れてきたのだろう。
怒りよりも、悲しみと、そしてどうしようもない虚しさが和香の心を支配した。
このまま、彼との関係を続けていいのだろうか。いや、続けることなどできるはずがない。
そう思いながらも、彼の指の感触や唇の熱、そして自分を欲する瞳が脳裏に焼き付いて離れない。
この愛おしい痛みは、どうすればいいのだろう。
貴浩の言葉は和香の心を深くえぐった。
しかし、圭吾のパートナーからすれば、和香が傷ついていいようなことではない。
貴浩の言うことが本当なら、すぐにでも圭吾との関係は絶たなければいけない。
そう思うのに、圭吾への気持ちが和香に都合のいい光を差し込む。
もし、何かの間違いであれば……。
まだ本人の口から聞いたわけではない。
彼の熱い眼差しに甘く蕩かされる蜜夜の出来事は、純粋なものであると、……信じたい。
それは身勝手な夢物語なのかもしれない。
けれど、どうせ散るなら、わずかな可能性に賭けて当たって砕けるのも悪くない。
彼には和香の女としての人生に十分な花を添えてもらったのだから、心は通じなくても今以上のわがままは言えるはずがないのだ。
無理やり自分を宥め聞かせてはみるものの、いつものように圭吾が訪れる時間が迫るにつれて、和香の心は鉛の重さに引きずられるようだった。
それでも、彼の顔を見れば、この胸の痛みから解放されるかもしれないという淡い期待が湧く。
店の裏から鳴った呼び鈴の音に、和香の体はびくりと跳ねた。
普段なら待ち侘びていたこの時間は、今日はとても息苦しさを感じて涙が込み上げてきそうだ。
彼が待つ扉を開くと、圭吾がいつものように月光を背にそこに立っていた。
「こんばんは」
「……こんばんは」
中に通すとき、ふと見上げた彼の横顔は、なぜか熱を感じない。和香の罪の意識がそう感じさせているのか。
しかし同時に、彼の顔を見ると、会えたことへの安堵も押し寄せた。
裏口から入ればすぐに店に繋がる和室がある。
広くはない勝手口の鍵を閉めた和香を、圭吾は背後から両手で扉に囲った。
「和香」
低く、甘い声が鼓膜を震わせる。
どくりと心臓が強張り、密着するほどの近距離に緊張と期待に胸が熱く震える。
囲われるそこから、顔を振り向けないでいると、圭吾は着物の襟から覗く和香の剥き出しのうなじに唇を寄せた。
冷たく感じる彼の唇に、「ん」と首をすくめる。
いつもの熱を感じなかったのに、触れてきた彼に希望は捨てなくてもいいのかと期待する。
「この前、親しそうに話していた彼は……君の、何?」
耳の後ろで低く囁く圭吾。
色気とは違う、かすかな冷ややかさに首筋がぞくぞくと震える。
「彼、って……」
くすぐったさより、情欲を煽られて、はあ、と吐いた息は、彼の声の低さに反してすでに火照っていた。
「巡回に来たとき、ずいぶん近しい距離で話していた彼だよ」
思い当たるのはもちろんひとりしかない。
あのとき、わずかに感じた圭吾の苛立ちが、日を越えてきた気がする。
それが今、和香に触れてくる手に灯され、振り向けないままぐっと腹部を引き寄せられた。
「あ……っ」
腰が背後の彼に密着する。
「あんなふうに君に触れられる人がいたなんて……知らなかった」
語尾に含まれた微量の淋しさを感じ取り、そんなつもりはなかったのに誤解を拭おうと顔だけで振り向いた。
「違います、あの人は……」
振り向いた先では、淋しさどころかまったく逆の熱情を持った眼差しが和香を見下ろしていた。
言い訳の言葉を吸い取るように、その眼が和香を見つめながら落ちてくる。
顎を優しく掴まれ、キスをされた。
「……っ」
話しかけの開いた口は、無防備に彼の熱い舌を受け入れる。
食べられそうなほどに舌を絡め取られて、呼吸を奪われた。
「ん、っ、……ふ……ぁ」
逃げようにも逃げられない咥内で、乱暴に舌を嬲られる。
次第に酸素が足りなくなってきて、頭がぼうっとしてくる。
顎を掴まれたまま、もう片方の手が着物の間から膝に侵入してくる。
簡単に合わせを暴かれ、露わにされた太腿を圭吾の手が撫で上げた。
「んんっ……!」
直接的に情欲を煽られ、足腰から力が抜ける。
崩れ落ちそうになる体を抱きとめる彼の手は、胸の膨らみを強く包みこんだ。
「言い訳を聞かせてくれるのか? 彼とふたりで出かけることと、その後食事に行くことの」
キスから解放する彼の声が囁くそれは、貴浩が言っていた言葉をなぞる内容だった。
やはり圭吾は、貴浩との会話をすべて聞いていたのだ。
和香は驚いたが、それ以上に、彼の言葉から感じられる嫉妬に、胸の奥で素直な喜びが込み上げた。
圭吾は、和香と貴浩の関係を気にしている。それは、彼が和香に何の感情も抱いていないわけではない、ということではないか。
「彼とは、そんな……ッあ」
「うん、なに?」
話を聞いてくれようとしている素振りだが、圭吾の手は暴いた太腿を這い上がり、ショーツに辿り着いた指が柔らかな丘陵を意地悪に押し潰した。
クニクニと緩急をつけて刺激され、もどかしい快感に腰が震える。
「あぅ、んっ、……んや」
「彼もこの柔らかさを知ってるのか?」
「そんな、こ……っ」
あるはずがないことを言われ、悲しい気持ちが込み上げてくる。
圭吾以外の男性に、こんな風にされたことなんてない。
圭吾だから許したことで、圭吾だから触れてほしいのだから。
そう伝えたいのに、彼の指がさらに欲情を煽ってくるから、口から溢れるのは快感に咽ぶ喘ぎ声だけだ。
「あぁ、っ、あ……ッ」
ショーツの上からもたらされる甘い刺激に、そこが湿潤を帯びるのは容易いことで、まるで事故のようにするりと薄い布の中へ長い指が滑り込んで来た。
「ンぁっ」
すでに膨らみを増した秘種は、彼の意地悪な指にクルクルと転がされる。
潤滑液を纏っているから滑りがよく、ことさら強い快感を和香の体にもたらした。
「アンっ、ああッ、や、だめ……ッ」
「イイ声だけど、俺が聞きたいのはそれじゃない」
「ああっ」
速度を上げられて、秘種が弾けんばかりに蕾へと膨張していく。
同時に、快楽が爆発的に盛り上がり、話すことすらままならなくなる。
くちゅくちゅという卑猥な音が、和香の羞恥と興奮を煽る。
体はすでに制御不能で、彼からもたらされる快感に侵食された。
「ああっ、んやぁっ」
「こんなにして、俺を惑わせて、……ズルい人だな」
鼓膜に直接お叱りを受けて、あまりの優しさににわかに絶頂が訪れた。
「ああぁんんッ!」
ビクンと大きく跳ねた体を抱きとめた圭吾は、自力で立つことができない和香を横抱きに抱え上げた。
浅い呼吸でぎりぎりに意識を保つ和香の額に、圭吾はやさしく口づける。
どうしてこんなに和香を甘やかすのか。
もしかしたら、特別なパートナーがいるかもしれないのに。
和室に入り、和香を座布団に座らせた圭吾は、はだけた足に手のひらを這わせながら迫る。
キスをされようとしたところで、和香は思い出した貴浩の言葉を拳に握りしめて、圭吾の胸をぐっと押しやった。
「……日下部さん」
初めて拒否を見せた和香の異変に気づいた圭吾は間近で見つめてくる。
「どうしたの」
彼の声に、かすかな困惑の色が混じっているのがわかる。和香は意を決して、貴浩から聞いた話を切り出した。
「私と、こんなふうに会ってて、いいんですか……」
呼吸が整っていないまま口を開いたから、声が震えた。
いや、本当のことを聞くのが怖かったから震えたと言う方が正しいかもしれない。
「……日下部さんが、女性と腕を組んで歩いてたって……聞きました」
その言葉を口にした途端、和香の心臓は激しく波打った。
圭吾の顔から、さっきまで和香を甘やかしていた表情が消え失せ、代わりに静かで、しかしたしかな苛立ちが宿るのがわかった。
強張る胸で心臓がどくどくと早鐘を打ち出す。
「誰がそんなこと言ったんだ」
低い声に、無理やり怖さが引き出される。
だけど、聞いておかなければいけない。
もしかしたら、自分の存在が誰かを傷つけることになるかもしれない。
いや、違う。
本当のことを知って傷つくのが怖い。
だから、否定してほしいのだ。
「……あの、この前、店にいらした……」
「親しくしていた彼か?」
「と、特別に親しくしていたわけではありません! うちの創業時から懇意にしている茶工場の社長の息子さんで……」
「世話になっている人の話なら、自分が見ていなくてもなんでも信じるのか」
圭吾の指が和香の頬をなぞり、顎を掬って顔を上げさせた。
真っ直ぐに見つめられ燃えるような彼の瞳の奥に、わずかな淋しさが見えて、胸がきゅうっとしめつけられた。
次の瞬間、圭吾の唇が和香の唇を塞いだ。
いつもよりずっと激しく、有無を言わさないキス。
舌が強引に和香の咥内に侵入し、絡め取っていく。
和香の頭は真っ白になり、ただ彼の熱に身を任せるしかない。
頭を抱えられ、そっと畳に押し倒される。
キスをやめないまま、圭吾は和香の着物の帯を解き始めた。
いつもの優しい手つきとは違い、どこか乱暴で、それでも情熱を込めて和香の肌を露わにしていく。
「んぅ、んんっ」
乳房を下から包み込む手のひらの熱さに身を捩る。
両方を抱えてから、左右の突起を彼の長い指がこりこりと乱暴に弾いた。
「ンンッ、んぁうっ、ンッ」
舌を絡められているから、呼吸がままならない。
口の端から、飲み込みきれなかった唾液が頬を伝う。
胸の先端から送り込まれる痺れるような快感は、足の先までを震わせて両脚をもじもじと擦り合わせていないと耐えられない。
全身を支配する彼のたくましい太腿が、和香の足を割り、強く秘部を擦り上げた。
「ンンンん……ッ!」
喉の奥で喘ぎ声がこもる。吐き出せないもどかしさが、和香の被虐的な欲望を煽ってくる。
苦しいのに激しく責め立てられている体が、快楽を得ている。
圭吾は、そんな和香の反応を確かめるように、体を撫でながら、下肢へと向かう。
抵抗するまもなくショーツを引き抜かれて、露わになった蜜壷にじゅぷりと指を挿し入れた。
「ンンンッッッ!!」
口を塞がれたまま、乱暴に愛蜜溢れる壷を掻き回される。
グチュグチュと卑猥に水音を立てられ、飛沫が舞う。
その音も相まって和香の感度は滾るように高ぶっていく。
「んんっ、うんんん、んうッ」
片方の乳房は強く揉みしだかれ、もう抵抗の余地などなく、和香の体は、圭吾の手によって、あっという間に快感の頂点に突き上げられる。
「ぅんんんんんっ……!!」
ビクンと大きく体をしならせ、これまでにない快楽の高みを見る。
何も考えられず、ただ体に受けた絶頂の開放感に身を委ねる。
薄れる意識の淵で、和香の乱れた表情を見つめる圭吾の瞳を見つけた。
「こんな顔、他の男に見せたくない」
目元を歪め、熱情を込めた瞳がひどく揺らめく。
このまま泣いてしまうのではないかと思うほど苦しさを滲ませた呟きに、胸がきゅんとときめいた。
たまらなく彼が愛おしくて、力ない声で慰めをかける。
「くさ、かべ、さんだけ……です。彼とは、成瀬さんとは、なんにもないんです……」
息も絶え絶えに、自分のすべてを許せるのは圭吾だけなのだと特別を伝えた。
「君の口から他の男の名前を聞くのが、こんなに嫌だと思わなかった」
和香はハッとして、彼を押しやる力を抜く。
明確な嫉妬の言葉を聞いて、心が自惚れに踊る。
「日下部、さん……」
その意味を聞きたいのに、圭吾は和香の視界から消える。
胸が苦しくなるほど淋しさを感じるのも束の間、両の太腿を左右に押し開かれてその間に圭吾が身をかがめてきた。
そしてまだ絶頂の余韻を引きずる蕾を剥きだされて、熱く肉厚の舌にじっとりと舐り上げられた。
「んああぁっ」
敏感を極めた蕾を押し潰すようにしごかれ、強い快感がビリビリと脳天に突き抜ける。
「ああっ、んやあっ、ああ……っ」
手の甲で口元を押さえるも、溢れ出す喘声は快感を隠せない。
絶頂を見たばかりだったのに、体はまだ貪欲にも彼の行為に性感を高ぶらせる。
聞きたいことがあった気がするけれど、今はそれどころではない。
彼がもたらす極上の快楽に、没頭していく。
「あンッ、あっ、ああっ」
緩急をつけてしごかれていた蕾を今度は尖らせた舌の先で、コリコリと乱暴に転がされる。
「いゃ、それ……ッ、アンんッ」
与えられる淫猥な刺激に体は悦びに震える。
あまりの気持ちよさに、目の前がくらくらしてきた。
もうほどなくして、快楽の高みに弾け飛ぶのがわかる。
それをもたらす彼とはぐれたくなくて手を伸ばすと、長い指が和香を繋ぎ止めてくれた。
その安堵に解放される性的興奮が、和香を絶頂に突き上げた。
「ンぁあああっ」
ビクビクンっと大げさなほどに跳び上がる体。
彼が指を絡めてくれていたおかげではぐれずに済んだけれど、絶頂に打ち震えている最中に、無防備だった蜜壷へ再び指を二本ぐっと沈められた。
「やぁああああっ」
まだ高みに昇ったばかりで少しも降りてきていないところに、追い打ちをかける激しい愛撫。
しかも、蕾もまだ解放されてはおらず、蜜壷と一緒に擦られているから中と外から容赦なく責め立てられる。
「ああんッ、……ンゃあッ、そんなに、しちゃ……っあ」
怒涛のように快感の嵐に、声が掠れるほど咽び喘ぐ。
そんな和香の反応にも構わず、圭吾はグチュグチュと隘路を掻き混ぜ、絶頂から少しも降りてこさせないようパンパンに腫れた蕾に吸い付いて離さない。
和香の腰は断続的に押し寄せる絶頂の波に何度も浮き上がり、絶え間ない喘ぎ声が部屋に響き渡った。
「んぁっ……ぁ……ああっ!」
和香の意識は、とろけるような快感に支配されていく。
彼の言葉と指先が、和香を終わらない絶頂へと誘う。
剥ぎ取られた着物も、張り替えたばかりの畳も、和香が吹き出す愛蜜の飛沫に散らかる。
「んああっ、ああっ……っ、ん、ああぁっ!」
意識が飛びそうになるほどの快感に、和香は必死にしがみつく。
息も絶え絶えに喘ぐ和香の耳元で、圭吾が深く囁いた。
「その日は、俺が送る」
その言葉をかろうじて聞き取った和香は、意識が途切れる瞬間も、彼の激しい愛撫を感じていた。


