捨てられ完璧悪女と言われる私ですが、本当は放蕩公爵様を純愛で絆したいのです

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捨てられ完璧悪女と言われる私ですが、本当は放蕩公爵様を純愛で絆したいのです

著者:逢矢沙希
イラスト:鈴ノ助
発売日:2025年 9月19日
定価:630円+税

これまで王太子妃になるのみに努力してきた侯爵令嬢セリア・ハーベルト。
大舞踏会の最中、突然、王太子より王太子妃候補から除外すると宣言されてしまう!?
「悪女」と非難された彼女を助けたのは、王弟殿下でありレザーローグ公爵家当主のアスターであった。
彼は「王家の落ちこぼれ」であり放蕩公爵と噂されている人物なのだが……?
その後、後ろ盾がいなくなったセリアは貴族子息に襲われかけるものの、再び彼女を助けてくれたのもまたアスターでーー。
「私に、悪いことを教えていただきたいのです」
王太子妃候補から外されたことで、自身に何もないことに気づいたセリアはアスターに一つの提案を持ちかけるーー!?

【人物紹介】

セリア・ハーベルト
王太子妃の最有力候補である侯爵令嬢。
真面目で人に近寄りがたい雰囲気を与えているが、根は素直で純真。
ある日、王太子妃候補を外され、生きる目標を見失ってしまいーー?

アスター・レザーローグ
レザーローグ公爵家当主。現王の異母弟。
いつも気だるげな雰囲気をまとっており、放蕩公爵と噂されている。
悪ぶっているように見えるが、その本性は……?

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*取り扱いサイトは、各書店に掲載され次第、更新されます。

【試し読み】

「ふ、んぅ……っ!?」
 一瞬状況が掴めなかった。
 なに、と言葉を発するように口を開きかけたその合間を埋めるように、温かく柔らかな他者の体温と粘膜に包まれて目を白黒させる。
 後ろに下がろうにもしっかりと押さえ込まれ、もがいた手は握り込まれてろくに身動き一つできない。
 突然口を塞がれて息ができない。
 息苦しさのせいか、あるいは与えられる熱のせいか、どんどん思考が鈍くなってくる。
 空気を求めて喘ぐ唇をわななかせると、呼吸を許すように僅かの間だけ口が解放されたが、ふう、と呼吸を一つするとまた塞がれて、今度は半端に開いた唇の合間から肉厚の生温かい何かが口内に忍び込んできた。
「ふ、んぐ、あむ……っ……」
 気がつくとセリアは殆どソファの座面に押し倒される姿勢で、その上からアスターにのし掛かられていた。
 隙間なく唇を塞がれ、奥で縮こまった舌に絡みつかれ、それを引き出すように吸われ……ゾクゾクッと何かが背筋を駆け上がる。
 むず痒いような擽ったいようななんとも言えない刺激に身を震わせながら、彼の肩に縋るように手を回した時ようやく、これが口付けだと理解できた。
 なぜ、とか、どうして、とか聞きたいことはあったけれど、根元から絡むように吸い付かれ、痺れたようにもつれる舌ではまともな言葉など出せるはずもない。
「ふあっ」
 鼻から抜けるような声が、ひときわ高く響いたのは、いつのまにかセリアの身体の前面に回っていた彼の手が、デイドレスの上から胸の片方に触れてきたせいだ。
 屋敷にいた時の部屋着のまま来てしまったので、その下に固いコルセットは着けておらず、さほど厚着もしていない。
 よって、触れられた、その彼の手の感触と刺激が素直に伝わってくる。
 恥ずかしい。でも、嫌ではない。むしろ、嬉しい。
 ぎゅっと目を閉じて、抗わずにいるセリアの様子にアスターが囁くように言った。
「抵抗しなくていいのか? このままだと、悪いことをされちまうぞ」
 どこか艶を含んだその声にすらぞくぞくする。
 良いか悪いかで問われれば間違いなくいけないことなのだろうけれど。
「……あなたになら、何をされてもいい……」
「……」
「……もっと、悪いことを教えてください……」
 深い、それは深い、肺を絞り出すような溜息が聞こえてきたのは、それからたっぷり十数秒は過ぎたあとのことだ。
「判ったよ、俺の負けだ! お手上げだ、こんなの無理に決まってるだろ、ちくしょう!」
 半ばやけくそのようなその声に、自分はおかしなことを言ってしまったのかと狼狽えるセリアだったが違ったらしい。
 何が、と問いかけようとした唇がまた塞がれる。ちゅっと軽いリップ音を立てるように重なったそれはすぐに解放されて、今度は頬や額に口付けられた。
「ん」
 くすぐったさに肩を竦めれば。
「明日の朝、ハーベルト侯爵家に行く」
「えっ……」
「娘に朝帰りさせるんだ、それ相応の謝罪と許しをもらわなけりゃならないだろう。……いまさら嫌だと言うなよ?」
 朝帰り。それはもう今夜は帰す気がないと言うこと。
 セリアだって、それがどんな意味に繋がるのかくらい、説明されなくても判る。
「……うそ。……夢?」
 一瞬信じられなくて、そんなことを呟いてしまうけれど。
「夢にした方がいいか?」
 問われて、慌てて首を横に振った。
 そうしてまた涙を零しながら、ぎゅうっと彼に縋り付く。
「好き、好きです、大好き。どうしたら良いか判らないくらい、あなたが好きです……」
「判った、判った、もう充分判ったって」
「好きです、アスター様、好き」
「くそ、たまらんな、これ……」
 アスターの手がセリアの後頭部を押さえるように胸に抱き込んでくる。
 おかげでセリアにはまったく何も見えないけれど、他に人がいたなら、セリアの言葉が繰り返される都度、彼のその顔の赤味が増していく姿を見ることができただろう。
「わざわざ面倒な道を選ぶんだからな。俺は絶対に王にはなりたくない。あの馬鹿を何が何でも真っ当な王に更生させる協力はしてくれよ」
「あなたのためなら何でもします」
「あー!」
 またしてもアスターはなんとも言えない声を上げ、それからソファに押し倒したセリアを抱えると立ち上がった。
 向かった先は、彼の寝室だ。
 部屋に連れ込まれても、寝台に降ろされても、少しも抗わずにされるがままに身を任せるセリアの様子に、アスターは本当にいいのだろうか、と言わんばかりな様子で一瞬視線を彷徨わせる。
 けれど真っ赤に頬を染めながら彼を見つめる、どこかとろりとした彼女の目に腹を括ったのか、引き込まれるようにその身を屈めてきた。
 また、唇が重なる。
 今度は来ると判っていたから、セリアも素直に目を閉じてその口付けを受け止めると彼の首裏に両腕を回す。
 初めは触れるだけ。次第に深く重なって、互いの口内を探り、舐め、絡め合う口付けを繰り返しながら、アスターの両手は横たわる彼女の両胸へと触れた。
「ん……」
 ドレスの上から胸を揉まれる感覚は、先程より強いものではない。
 でも、本来なら正式に婚姻を結ぶまでは触れさせてはいけない場所で、それに反した行いをしている現実からか、妙にその手の動きを意識してしまう。
 そうしている内にキスを解いたアスターの唇はセリアの頬から首筋に移って、襟元のリボンを解いて肌を露わにしながら、徐々にその唇は胸元へと下がっていった。
「昔は、もっと控えめだったんだけどなあ……」
 襟の袷を広げられ、ドレスの下の肌着が露わにされる。
 横になっても充分な膨らみを誇るその両胸のボリュームに、しみじみと呟くアスターの耳を抗議の意味を込めて強く引っ張った。
「おかしなことを言わないでください……こんな時に」
 セリアだって初めて好きな人と結ばれる時には、ロマンチックな雰囲気を味わいたいのだ。
「悪かったよ、ほら」
 促されて目を閉じれば、また唇が重なってくる。
 宥めるように頭を、そして髪を撫で下ろす手の感触が心地よい。
 その心地よさから、またすぐにセリアはうっとりとした顔をしてしまったようだ。
 間近で、フッと笑う気配が伝わり視線を上げると、アスターが今まで見たどんな表情よりも柔らかく、甘い笑みを浮かべていた。
 言葉にされなくても、今彼が何を考えているか判る。
『可愛いな』
 と、その紫色の瞳が雄弁に語っている……そう思うのは、セリアの願望だろうか。
「……アスター様……大好きです……好き……」
 もう何度目かも判らない告白に、アスターは目尻を下げると苦笑するように笑い、そして彼女の頬にキスをしてくれる。
 再びくすぐったいような心地よいような感覚に肩を竦めれば、耳元で低く囁く声が聞こえた。
「俺も好きだ」
 えっ、と目を見張って彼の顔を見たかったのに、直後緩んだ襟ぐりから彼に手にぐいっと下着ごとドレスを降ろされた弾みで零れ出るように露わになった二つの乳房を、直に両手で掴まれて思わず目を閉じてしまった。
「あっ……!」
 生地の上からと、直接触れられるのとではまったく感覚が違う。
 アスターの手の平は少し固くて、その手に擦られるように胸を揉まれると、肌と肌が擦れ合う刺激に息が詰まった。
 セリアの華奢な身体に反して豊かに膨らんだ乳房は、大きな彼の手にも少し余るくらいだ。
 たぷたぷと揺らすように揉まれ、尖り始めたその先端を指で扱くように愛撫されると、喉の奥から仔猫が唸るようなくぐもった声が漏れてしまう。
「ふ、あっ……ふあぁっ……ひゃっ……!」
 胸の先を少し強く摘み上げられて、つい高い声が上がる。
 意志に関わらず、肩を跳ね上げてしまうビリッとした刺激は、弄られているそこから胸の芯を通り、背筋に伝わって全身へと駆け抜けていくようだ。
 初めは少し痛いと思ったのに、一瞬で痛みのような感覚よりも、癖になるような刺激にすり替わり、自然と身もだえした。
「心臓の音が凄いな」
 指摘されるまでもなく、自分の胸の鼓動がまるで暴れ狂うかのように乱れ打っている様が判る。
「アスター、様……っ」
「様はいらない。セリア、呼んでみろ」
「……アスター……?」
「なんで不思議そうなんだよ」
 クスクスと笑いながら、直後彼はセリアの左胸に口付けた。ちょうど心臓の真上と思われる場所だ。
 しかもただ口付けただけでなく、そこの肌を吸い上げて、赤い鬱血の花を咲かせる。一つだけでなく、二つ、三つとその数を増やしながら。
 そうしてその口付けは胸の膨らみを伝い、左胸の先へと辿り着く。
 すっかりと尖り、充血して存在を主張するそこに、ことさら大きく口を開いた彼が、まるで噛みつくように吸い付いてきた。
「ふ、あぁっ……!」
 敏感になったその場所に熱い舌が絡みついて舐め転がされると、腰がわなないた。
 今まで感じた以上の、明らかに快感と判る刺激が胸の先から背筋に再び広がって、セリアの背を仰け反らせる。
 するとまるで背が浮き上がったことを幸いとばかりに、胸の下で溜まっていたドレスや下着が一気に腰まで下げられ、さらに下へと引っ張られて、足元から抜かれてしまう。
 あっという間に下半身の下着を残し、あられもない姿にされてしまって狼狽えたが、アスターの愛撫はすぐにセリアの頭からそんなことを忘れさせてしまった。
 片方の胸を口で可愛がったら、もう片方へ。そこからもビリビリと伝わる甘い刺激に身もだえするのに、今さっきまで舌で愛撫されていた方の唾液で濡れた乳首が、外気に触れて冷える……そんな感覚にさえ腰が揺れてしまう。
「あ……ふ、ん……」
 胸を吸いながら、アスターの手は乳房の縁を辿り、下胸の付け根を擦り、そうして腹へと落ちていく。
 ただ肌を撫でられている、それだけなのに、鼻にかかった声が出るのを止められない。
 ひっきりなしに背筋がぞくぞくとざわついて、肌の下で何か小さな生き物が蠢いているようなむず痒くも落ち着かない、ひりつくような感覚に襲われる。
 それだけでなく、彼の体温がたまらなく気持ちいい。
 こんなふうに異性に触れられるのは初めてなのに……不思議と馴染む感覚がするのはどうしてだろう。
「あっ、あぁ、はぁ……ん……」
「よさそうな声だな……気持ちいいのか?」
 チュッと、胸の谷間にキスされた。そしてそのまま肌を舐められ、また全身の肌が快感で粟立つような感覚に、セリアは呼吸を乱れさせながら、肯いた。
「は……きもち、い……」
「感度が良くて何よりだ。そのまま可愛く喘いでいてくれ」
「ふ、あっ!?」
 瞬間声が乱れたのは、腹を撫でていたアスターの手が下肢の下着の内側へと潜り込んで、あっという間に恥丘を撫でながらその下の秘裂に降りたからだ。
 ぬるっと、彼の指先が明らかにそこを濡らすもので滑ったのが判る。
 その潤滑油のようなものが自分の身体から吐き出されているものである、ということもだ。
「初めてだろうから心配していたが……これだけ濡れていれば傷つける心配はなさそうだ」
 フッと笑うように告げられて、既に真っ赤だったセリアの顔がさらに赤くなった気がした。
 確かにこんな行為は初めてだ。アマンドの傍に控えていた時には、彼とは一切そんな雰囲気にはならなかったし、社交界で火遊び的な誘いに応じたこともない。
 それでも閨教育は受けている。
 誰に嫁ぐにしても、後継者を産む義務があるのは変わらない。
 だから今も、この先にどんな行為があるのか、自分の身体がどうなるのか、そして相手の身体がどう変化するのかも、最低限の知識はあるつもりだ。
 けれど話に聞くのと、実際に経験するのとでは天と地ほどの差があって「いざという時には殿方に全てお任せしなさい」という母の言葉の意味をしみじみと実感している。
 確かにこれは、任せるしかない。
「大丈夫だ、怖いことはしない。身体の力を抜いてくれ。……それとも、止めるか?」
 あらぬ場所に触れられて、どうしても身体に力が入って強ばってしまうセリアが怯えていると思ったのか、言葉の前半は優しく、最後の一言は窺うように問われて、きゅっと唇を噛みしめた。
 この行為が性急すぎることはどちらも判っている。
 その前に行わなければいけない諸々の約束事や決め事があって、自分たちはそれらを全てすっ飛ばしている、互いの気持ちのままに。
 正しい手順を踏むならば、彼の言うように過剰な触れ合いはここで止めにして……でもいまさら、待っていられない。
「……いや、です」
 小さな声で恥じ入るように訴えると、また彼がフッと笑った。
「今夜のセリアは、イヤイヤと、随分と聞き分けがない」
 ドキッとした。咎められたかと思ったのだ。
「……わ、私……」
 思わず何か言い訳をしようとしたけれどできなかった。
 なぜならばアスターが再びセリアの唇を塞いで、下肢に触れているその指をぎゅっと押しつけながら、秘裂の合間を擦るように愛撫し始めたからだ。
「いくらでも我が儘を言えばいい。ここまできたら叶えてやるよ、俺にできることは全て」
「ああっ……」
 びくっと腰が跳ねた。アスターの指にセリアの愛液が絡み合い、濡れた粘膜や陰唇と擦れ合って、くちゅくちゅと淫らな音を響かせ始める。
 ものすごく、強烈な刺激というわけではなかった。
 でもじんわりと触れられている場所を中心に身体に熱が集まるような感覚に、じわじわと身体の奥から溢れ出る蜜の量が増してくる。
 その指が秘裂の上部で膨らみ始めている小さな花の芽のような陰核をかするたび、じっとしていられない妙に切羽詰まった感覚が腰から足先に駆け抜けて、パタパタとつま先が行き場をなくしたようにシーツを蹴るのを止められない。
「素直な良い反応だ」
「あっ、あぁ……本当、に……? 嫌ったり、しませんか……?」
 彼に嫌われてしまうことが一番怖い。
 肌を真っ赤に色づかせ、控えめに乱れながら、それでもアスターへの好意が溢れ出るセリアの言葉と瞳に、彼の表情が切なく歪む。
 だんだんと……いや、とっくに彼自身も余裕などなくしているのに、それでも精一杯年上として振る舞おうとしていたようだが、その仮面もここでとうとう壊れてしまった。
 そんなふうに見えた。
「嫌えるわけがないだろう。……本当に、可愛すぎて頭がおかしくなりそうだ……」
 と言うなり、一度セリアの秘部から手を引いたアスターは、あっという間に彼女の下肢に残っていた下着を脱がせてしまった。
 文字どおり、もうこれで一切我が身を隠すもののない生まれたままの姿を晒すセリアを見下ろしながら、彼自身も衣服を手早く、そしてどこか荒っぽい仕草で脱ぎ捨てていく。
 寝室に取り付けられた複数の燭台の橙色の灯りが、露わになった彼の肌を生々しく照らし出す。
 その姿を目にして思わず息を呑んだ。
 服の上からでもなんとなく想像はついていたが、やはりアスターの身体はほどよく鍛えられ引き締まっており、逞しさにはほど遠いセリアの身体とはまったく作りそのものが違う。
 固く長い手足や広い肩に胸、どっしりと引き締まった腰、そして……それ以上、下へ視線を向けることができずに目を伏せて逸らしたが、視界に入った光景は全てはっきりとセリアの記憶に刻まれる。
 今更ながらに行為に対する羞恥が強く湧いてきて、ただでさえ激しい鼓動が口から飛び出てしまいそうだ。
 知らぬうち、両腕でそっと自分の胸元を隠してしまった。
 低く笑う声が聞こえてきたのはその時だ。
「どうした?」
「……は、はずかしくて……」
「そうか。だが、いまさら恥じらっても、もう止めてやれないぞ」
 アスターの手がセリアの両足の膝にかかり、かと思ったらあっという間に大きく足を開かれた。
 セリアの目に彼の裸体がはっきり見えるように、アスターの目前にもセリアの全てが晒されている。
 見られている、と思っただけで自分の身体のもっとも深い場所へ続く入り口が、ひくりと疼きながら蠢いたのを感じ、その淫らさに思わずこの姿勢から逃れようと腰を揺らしたが、もちろんアスターが解放してくれるわけはない。
「あ、はぁ……っ!」
 はくはくと、そこに何かを欲しがるように蠢く場所に、アスターの指が触れた。
 既に会陰を伝ってシーツに染みを作るほど潤っているそこは、少しの抵抗もなく彼を受け入れ、ぬるぬると指を動かされるたびにやんわりとした確かな快感がセリアの腰を震わせる。
 先ほど淫らだと感じた粘着質を伴った水音も再び響き始め、やがてそれはぬちゃぬちゃと、よりいっそう耳を塞ぎたくなる音に変化し……アスターの指が、わななく内側へと沈み、直接中を探り始めたのはその頃だった。
「は、あっ……!」
 思わず彼の手を両手で掴んでしまった。けれどアスターは指の動きを止めることなく、それどころか逆にもう一本増やしてしまう。
「あぁっ!」
 感じたことのない異物感と圧迫感、そして二本の指で広げられるような僅かな痛みに引け腰になるも、アスターは逆の手でセリアのなだらかな下腹を撫で、指を咥え込ませているその上部の陰核を優しく刺激し始めるからたまらない。
「ふっ、あ、んっ……!」
「大丈夫だ、抵抗するな。ほら……これはどうだ?」
 アスターは決して乱暴に指を動かすことも、陰核を強く刺激することもなかった。その手はあくまで優しい。慣れない身体を労るように……でも確実に追い詰めるように。
 腰を襲う震えは太腿にまで広がり、大きく両足を広げた姿勢のまま腰が浮き上がる。
 下半身だけ天井に向かって突き上げるような姿勢はお世辞にも美しくはないのに、止められない。
「あ、ああ、あぁあっ!!」
「中が柔らかくなってきた……ちゃんと感じているな? ほら、もう一本入る」
「ふあ、待って、待ってくだ……っ」

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