初恋の彼と再会したら、かなり独占欲強めな溺愛で抱かれました

書籍情報

初恋の彼と再会したら、かなり独占欲強めな溺愛で抱かれました

著者:太田まりえ
イラスト:小島ちな
発売日:2025年 7月25日
定価:630円+税

 

過去の失恋を引きずっている望月澪は、従姉妹のお願いで書道教室の体験講座に参加することになった。
そこで臨時の講師として現れたのは、かつて告白する前に振られてしまった黒澤遥翔先輩だった!
偶然の再会に驚く2人だったが、実は澪が振られたというのは誤解で、今も好きだと告白されて――!?
「あの頃も可愛いと思ってたけど、今もめちゃくちゃ可愛い」
晴れて交際がスタートし幸せな澪だったが、あることが気になっていた。
それは、遥翔の仕事について聞こうとすると、必ず話を逸らされてしまうことで……。



【人物紹介】

望月澪(もちづき みお)
わがままな従姉妹に振り回され気味の平凡会社員。現在26歳。
古い商店街にある祖母の店を積極的に手伝っている。
高校では書道部に所属しており、遥翔に片想いしていたのだが――?

黒澤遥翔(くろさわ はると)
澪の高校の先輩で、整った顔立ちの美男子。27歳。
伯母の代理として書道教室の臨時講師を引き受け、澪と再会を果たす。
普段は別の仕事をしているらしいが……。

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*取り扱いサイトは、各書店に掲載され次第、更新されます。

【試し読み】
 

『由良の門を 渡る舟人 かぢを絶え ゆくへも知らぬ 恋のみちかな』
(由良の門を渡る船頭が櫂をなくして彷徨っているように、私の恋の道も先行きのわからないことだな)

 遥翔が書いたのは、百人一首のひとつだった。
 恋の憂いを詠んだ歌は、今の澪の心持ちとどこか似ていて、きゅっと胸が締めつけられる。
 そんな彼女の心境を知ってか知らずか、遥翔は緩慢な動作で、いつの間にかまた半回転させたボールペンのキャップの部分で悪戯に澪の手の甲をなぞった。
 つつっ、としたプラスチックの冷たい感触は、少し火照った皮膚に言いようのない快感を生む。
「……っ、あの、先輩――」
 無機質なボールペンをやさしく押しつけられる感覚は、甲から手首、むき出しの腕と、ぞわぞわと血管を辿るように身体の中心へと登ってくる。それが決して不快ではなくて、澪は思わず遥翔を呼んだ。
 けれど、わかっているはずなのにペンが動きを止めることはなく、むしろ揶揄うように腕のやわらかな部分を何度も往復する。
「そろそろ、その先輩って呼び方やめない? なんか、悪いことしてる気分になる」
 うなじにかかる吐息が熱くて、言葉の意味もわからず頷けば、一拍遅れて、同じ場所に唇を落とされる。ちゅっ、と短く音を立てて離れたそれは、次いで澪の耳朶にやさしく触れた。
「遥翔、くん……?」
 不自由な体勢ながら、顔だけを後ろに向け、初めてその名を口にする。
 見つめ合った遥翔の黒曜石のような瞳は艶やかに濡れていて、情欲の気配が色濃く漂う。
 トクン、と大きく震えた心臓から、波紋のように緊張と期待が広がる。同時に、下肢のつけ根に、経験したことのない淫靡な熱が籠るのを感じた。
「再会した夜、必死に名前で呼んでもらって距離詰めようとしてたのに、澪は全然呼んでくれないから、あー、俺、やっぱり嫌われてるのかなって思ってた」
 かすれ気味の低音が奏でる甘やかな告白を、夢見心地で聞く。
 少し遅れて蘇る記憶は、遥翔と日菜乃が仲睦まじげに交わしていた会話。
「そんな、こと……んっ――」
 やさしく澪の腕をくすぐっていたペン先が、今度は丸い襟ぐりをぞわりとなぞる。その刺激に耐えきれず、思わず甘い吐息をこぼせば、耳朶を食んでいた遥翔の唇も共鳴するかのようにふるりと震えた。
「遥翔くん、日菜乃ちゃんと仲良くなりたいのかな、と思って……。それに、帰る時も、日菜乃ちゃんとまた会うって――」
 口に出して初めて自覚する、胸のうちにあった蟠り。それに拍車をかける、幼い頃から抱える従妹への羨望。そこから生まれる不安を押し殺して彼女の名前を出せば、遥翔はふわっと嬉しげに微笑んだ。
「ふーん……嫉妬してくれてたんだ?」
「嫉妬、っていうか……」
 狼狽えて視線を泳がせても、遥翔の方では逃がすつもりは毛頭ないようで。
「かーわいい」
 顎に添えられた大きな手に自由を奪われ、ほとんど問答無用で唇を奪われる。けれど、その強引さが嬉しくもあり、従順に彼を受け入れてしまう。
 リップ音を立てて離れた唇は、そのままもどかしい距離で留まり、触れ合うか触れ合わないかの微妙な摩擦を生みながら振動する。
 いつの間にか澪の肌をなぞるのはペンから遥翔の指にすり替わっていて、与えられる体温に意識が乱される。
「また会うって言ったのは、彼女が澪の従妹だからだよ」
「え……?」
 熱い吐息と共にぶつけられた言葉の真意を測りかね、思わず問い返せば、妖艶に笑う彼は、またひとつ、奪うように口づけをした。
「たとえ澪に嫌われてても諦めるつもりはなかったし、あの時は――」
「ん、……ふ、っ……」
 澪の官能と期待を煽るように、遥翔が中指で彼女の鎖骨をなぞる。
「――この前の続き、していい?」
 情欲を孕む漆黒の瞳に、澪の顔が映り込む。そこに偽りや誤魔化しの類は微塵も垣間見えず、不安と疑念が薄らいでいくのを感じた。
「あの、……えっと、私、初めてで――」
 同意も含めてそう告げれば、その意味を理解した瞬間、遥翔が瞳を大きく見開く。直後、困ったように一瞬だけ視線を宙に彷徨わせた彼は、言葉にできない何かを伝えようとするかのように髪の生え際に短く唇を押し当てた。
「やさしくする。できるだけ――」
 後半部分に重きが置かれていたのは、澪の耳にさえ明白だった。
 ゆっくりとラグに横たえられ、リモコンひとつで部屋の照明が落とされる。けれど、近隣の高層マンションの明かりが射し込むおかげで、互いの表情は手に取るようにわかった。
 こくりと喉を鳴らした遥翔は、もどかしげにカットソーの裾に手を忍ばせる。
「……ぁ、んっ――!」
「声、我慢しないで。聞かせて……?」
 未だかつて聞いたこともないような遥翔の熱に浮かされた低い声に、頭より先に身体が反応した。キュッと下肢の奥が疼き、自分以外の指に触れられた肌が従順に粟立つ。
 遥翔の手が、キャミソールの下に潜り、レースのブラの縁を辿った。
「……やわらかい」
 左のふくらみがふにゅふにゅと彼の手の動きに合わせてかたちを変える。ブラごと包まれているのに、触れ合う部分が徐々に熱を持ち、その甘美な刺激で先端がきゅっと立ち上がった。敏感になったそこは、不意に彼の手のひらに捏ねられるたび、その感度を上げていくようだ。
 同時に、また首筋や鎖骨のあたりをやわらかな舌で嬲られ、ぎゅっと腰を抱かれれば、太ももに薄手のスカートとスラックス越しに雄の欲望を押しつけられ、ひとたまりもない。
(こんな、知らない――)
 猛々しい凶器のようなそれに、少しずつ少しずつ理性が奪われる。
「はる、と、く……」
 淫猥な熱が体内で燻る。
「脱がせるよ――?」
 こくりと頷く間もなく、遥翔の手はカットソーを剥いだ。キャミソールを脱がされ、スカートのファスナーが引き下ろされる。
 肩。
 胸。
 鳩尾。
 まるで一刻一秒さえ待てない、と言わんばかりに、少しずつ露出していく肌が遥翔の口づけの洗礼を受け、甘く震えた。
 絶え間なく与えられる快感を逃したくて背をしならせれば、その隙をついて大きな手がラグとブラの隙間に滑り込む。こんな時でも遥翔は器用で、次の瞬間には、胸を締めつける拘束が緩んでいた。
 今はもう、澪の身体を隠しているのは薄いピンク色の小さなショーツ一枚きりだ。
「あ、――んぁっ!」
 ちゅぷ、という卑猥な水音が、澪の嬌声を追った。
 微かな明かりの中、ぷっくりと立ち上がった乳嘴に遥翔の舌が絡みつく様が、鮮明に見える。粘膜の這った跡が濡れて光るのが淫靡で、その扇情的な光景にくらくらする。
 上目遣いに澪を見遣る、獰猛なまでの色気を孕んだ双眸。
 ボタンの外れた襟元から覗く、引き締まった胸板。
 下肢に感じる、熱く滾った欲情の証。
 憂いも躊躇もなく自分を求める遥翔に、言いようのない歓喜が湧き上がる。
「澪、ほんとかわいい。耳も、顔も、――それに、ここも、真っ赤になってる」
「あぁ、っ!」
 羞恥を誘う言葉と共にぺろっと胸の尖りを舐められ、初めて知る快感に腰が跳ねた。
「こっちも、かな――?」
 むず痒いような原始的な欲求に突き動かされ、無自覚に太ももをすり合わせていたことに気づいたのだろう。彼の手が澪の肌を滑り下り、華奢なレースのショーツに辿り着く。
 条件反射で強張った身体を、遥翔のもう一方の腕が安心させるように抱きとめる。
「ゃ、そこ、は――」
 未経験の澪とて、耳年増なりに知識はある。けれど、見聞きした予備知識を総動員したところで、今の自分がおかしいくらいに感じてしまっていることは間違いなくて。
 澪のそれより太くて長い指が、くちゅ、とクロッチの上から泥濘に触れる。もう充分に水気を含んだ布は、抵抗もなく蜜壺に呑み込まれ、じゅぷ、とより重たい水音を奏でる。
 そのまま爪の先で引っ掻くような愛撫を数回。
 言い逃れのできない含羞で脳が焼けそうになりながら、同時に、他人の手によって与えられる法悦に酔う。
 まるで幼子をあやすようなキスを額やこめかみに贈られ、くたりと力が抜けた瞬間、またもや器用な遥翔の手によって、澪は生まれたままの姿にされた。
 立てた膝に両手を添えられ、そっと押し開かれる。
 きれいだ、と囁くかすれた声が、薄暗がりの部屋に溶けて消えた。
 しっとりと濡れているであろう二枚の淫襞のあわいに人肌を感じて、遥翔の指が蜜窟に触れたことを知る。ふるふると震えるその場所を二度、三度とゆっくり上下に往復した指は、たちまち淫液をまとったらしく、滑るたびにぬちゅぬちゅといやらしい音が立つ。
 気持ち良いのに、まだその先が知りたくて、飢えにも似た衝動が高まる。
「澪――」
 舌の上で転がすように愛おしげに名前を呼ばれ、上体を折るようにして顔を寄せた彼に口づけを与えられて。
 そして、その瞬間。
「……ん、ぅっ……!」
 かたく閉じた隘路に、遥翔の指が挿し入れられた。
「痛い……?」
 ひたすらに澪を案ずる遥翔の表情は、いっそ彼の方が辛そうで、まるで彼女が少しでも嫌な思いをするのは我慢ならない、といった様子だ。それほどまでに大切にされていることに鼓動が加速し、多幸感に押し流される。
「ううん、痛くない――。でも、ぎゅって、してほしい……」
 幸せなのに、もっとほしい。
 本能が暴走する中、恋しく思う男に初めて甘えて抱擁をねだれば、ふわっと目尻を緩ませた彼に体温を分け与えられる。
 淫窟の中に半分ほど収まった指が、ずるりと引き抜かれ、また少しずつ挿し入れられ。
 緩慢にも思えたその動きは、指が根元まで泥濘に埋まり、澪の肉壁に馴染む頃には、はっきりとした愉悦を生み始めた。
「ぁあっ、……んっ、ふ――」
「わかる? これで指一本」
 言葉だけでは足りない、とばかりに、澪の身体にそれを教え込むように、遥翔が指の抽送を最奥でやめた。そのまま手首を捻るように動かし、内壁の蜜をこそぐ。ぐちゅり、と濁った水音が、広いLDKに波紋する。
「ぁ、ゃあ、……そこ、だめ、ぇ――!」
「その顔、凄い唆る」
 至近距離で見る、欲情を隠しもしない遥翔の顔が、おそろしく色っぽい。
 そして同時に、そうさせてるのが自分なのだと思えば、言葉にできない幸福を覚える。
「指、増やすよ?」
「んぁっ、ぁぁあ……」
 一度引き抜かれた指は、再び奥にねじ込まれる時には、その質量を増していた。
 これで二本目、と囁く遥翔は、澪が嫌がっていないことを理解しているらしく、迷うことなく肉壁を指の腹で擦る。
 だらだらと溢れる蜜が、秘裂を辿り、おしりを伝う。
 じゅぷじゅぷとした抽送は際限がなく、隘路はすぐに、指二本分の違和感を忘れた。
「澪、今日はこっちで達くのを覚えようか――」
 告げられたのが先か、あるいは、明確な意志を持って親指がそこに触れたのが先か。
 すっかり濡れそぼり、淫液を滴らせる秘処の中心、――充溢してぷくりと膨れ上がった雌芽に、親指がぬるりとした蜜を纏わせる。くにくにと転がすような、とろりとした液を幾重にも塗りたくるようなその動きは、あまりにも直接的で、ビリビリと電気が流れるような強い快感が澪の全身に走る。
「んぁぁっ! ぁ、ゃ、あぁぁっ!」
 未知なる快感に攻め立てられ、息を切らして喘げば、生理的な涙で霞んだ視界にこちらを覗き込む遥翔の漆黒の瞳が映った。己の昂りを押し殺しながらも一瞬の隙も見逃さない、肉食獣の眼差しだ。
 一定のリズムで淫核を嬲る指は、やがてナカを穿つ指とも共鳴し、同じテンポで澪を絶頂に押し上げる。
 その愛撫は、決して乱暴なわけでも、無秩序なわけでもない。けれど、彼の落ち着いた性格を打ち破るような、燃え滾るような圧倒的な熱量をぶつけられているようで、そのギャップに心臓が鷲掴みにされる。
(こんな遥翔くん、知らない――)
 無我夢中でしがみついた澪の首筋に、ひとつ、キスを贈られて。
 愛おしくて仕方ないのだとでも言われているかのような甘やかな態度に、気持ちが高ぶる。
「わかる? 三本目。……ほら」
 くちゅ、ちゅぷ、と繰り返される音楽が、薄暗い部屋で感覚を研ぎ澄ました鼓膜にも届き、あまりのいやらしさにくらりと意識が傾ぐ。
「ナカ、すごいぐちゅぐちゅで、熱い――」
 感嘆と欲情。
 遥翔の声に、ふたつの異なる感情を聞き取り、その瞬間、歓喜で思考が飛んだ。
「ぁ、や、だめぇ……はる、……くん、そこ、やぁぁ――!」
 びくんっ、と大きく背骨がしなった。その拍子に媚肉が何かを搾り取るように蠕動し、遥翔の指をさらに奥深くへと引き摺り込もうとする。虚空を蹴る足指がぎゅっと丸まり、ワイシャツを掴む手は関節が白んだ。
 人生で初めて与えられた快感の大波に溺れ、一瞬だけ遠のいた意識がゆっくりと浮上する。やっと呼吸が整いかけたところで、案ずるようにこちらを覗き込む遥翔と視線が絡み合った。
「……澪?」
 平気? の問いに、こんな時だというのに、自分だけが乱れた姿だ、とぼんやり思い至る。
(もっと、欲しい――)
 再会後の遥翔が見せる、辻褄の合わない態度。
 それに拍車をかけるように、日菜乃がもたらした不安と疑念。
 けれど、かろうじて残る理性に、長く燻り続けた初恋が彼と結ばれる瞬間を希う。
「はる、……くん、おねが――」
 澪が震える声で強請ったものに気づき、遥翔の瞳が劣情で揺れた。
 もう限界、と返され、シャツやスラックスが脱ぎ捨てられる。
(暗くて良かった――)
 自身の裸体を見られるより、なぜか遥翔のそれを目にする方がよほど気恥ずかしい。
 それにもかかわらず、羞恥でぎゅっとまぶたを閉じる直前に見た、厚くなめらかな胸板や引き締まった腰、その下で猛々しく存在を主張する雄の欲望の証は、もう一生忘れられる気などしなくて。
 優しげな遥翔の、獰猛なまでの屹立。
 言葉を失い、息さえも忘れかけた頃合いで、真っ赤な顔を隠していた両手のうち、左手首を掴まれる。
「澪。こっち、見て……?」
 好きな男に、お願い、とかすれる声で懇願されてしまえば、拒めるはずもない。
 おずおずと両手を下ろし、まぶたを薄く開いたところで、待ちきれない、とでも言うように、唇に唇を押しつけられる。一瞬で離れた短いキスの余韻が、これが現実なのだと、澪にまざまざと知らしめる。
「いい――?」
 てらてらと濡れる蜜口に、避妊具を被せた陽根が添えられる。
 指とは違う、やわらかいのにかたい感触に、不安と緊張と歓喜がないまぜになる。
「……ん」
 頷いた直後、雄の切っ先が隘路を押し広げた。指でさんざん愛でられた名残で、くちゅり、と新たな蜜が溢れ出す。
 進んでは戻り、戻っては進み――。
「はい、った……」
 そう言われた時には、ひとつに結ばれた、と悟るには充分すぎるほどの質量でナカを埋め尽くされていた。
「嬉しい……」
「ん、俺も――」
 ぽつりと口から零れ出た本音に、甘く優しく同意され、たちどころに幸福で満たされる。
 気づかぬうちに繋がれていた右手。
 言葉にならない気持ちまで汲み取るような、澄んだ黒曜石の瞳。
 馴染むのを待ってくれているのか、互いの腰骨がぶつかるほどの近さで抱き合ったまま動くのをやめた遥翔は、けれど、少し苦しそうに見える。
「遥翔くん」
 気づけば、彼の名を口にしていた。
「も、平気だから――」
 だから、の、その先に何と言えばいいのかわからない。ただ、遥翔には何かが伝わったようで、困ったような甘えるような微笑を返される。
「ごめん、余裕なくて……」
 率直な物言いに、むしろ安堵を覚える。
 息を継ぐ間もなく長大な雄芯がナカから引き抜かれ、ずちゅん、と最奥めがけて穿たれた。
「っ、んぅ……っ!」
 ぐちゅ、ぬちゅ、と繰り返される抽送のたび、肉襞がその屈強な剣のカタチを知覚する。
「ぁああっ、ん、……ゃ、ぁ――!」
 熱い楔が、ずるりと充溢した媚肉を摩擦するたび、異物感しかなかったそこに、じわりと微かな快感が生まれて、澪はたまらず甘い声を上げた。
 気持ち良いことを教えられたばかりの肉体が、鈍い痛みに取って代わった愉悦を拾い始めれば、さほど時間を要さずに、本能的に澪の呼吸も乱れる。
「……ぁ、……んっ、――ァああっ!」
「ここ、だよね?」
 先ほど指でさんざん嬲られた弱いところに雄根の先が意図的に擦りつけられ、その衝撃で隘路が戦慄くほどの快楽が波紋のように背骨を伝い、脳を溶かす。
「ぁ、あぁぁ……や、そこ、……っ!」
「やばいな。澪が可愛すぎておかしくなりそう……」
 熱に浮かされた声が、鼓膜に直接注ぎ込まれた。
 触れ合う肌からも遥翔の体温が伝わり、抱きしめられる安心感で強張っていた身体から力が抜ける。
 律動のテンポが少しずつ速まり、遥翔の上気した顔の色香が増した。
「――ここ、好き?」
 ふたりの結合部に彼の手が近づき、迷いのない仕草でむき出しの淫芽にその指を添える。
「そこ、は……んぁっ……も、だめぇ……」
 言葉とは裏腹に、ぴくっ、と期待で打ち震えた身体に気づいたのだろう。
 たちまち熱を思い出した淫らな蕾は、とろりとした蜜をまとった指にくにくにと押しつぶされ、転がされ、時に爪先でやさしく弾かれる。
「ぁ、――ぁあんっ! や、それ、気持ち、良すぎるから、……ぁあっ!」
 強すぎる法悦から逃れたくて、力の入らない身体でじりじりと伸び上がる。けれど、遥翔の方はそれを許容するつもりもないのか、空いた手でぐっと澪の腰を掴んだ。
「だーめ。もう、逃げないで……?」
 甘い囁き。
 重ねて呼ばれる、澪、という名前。
 自由を奪われた腰に男の屹立が強く押しつけられ、深くて強い繋がりを与えられる。
「ぁ、やぁ、……も、おかしく、なっちゃ……!」
「ん、いいよ。おかしくなって。いっぱい乱れて。感じてる澪、想像の何倍もかわいい」
 うっとりとした呟きの意味もわからない。
 感じられるのは、自身のナカでぱちゅんぐちゅんと律動する楔と、そこから生まれる強すぎる愉悦、それに、執拗に嬲られる秘芽に与えられる快感だけだ。一緒くたになったそれらが、全身の神経を伝播し、脳のどこかで解放の予感を覚える。
 あと少し。
 あとほんの少し。
 もう、少し――!

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